さく井工事業の成功事例8選|補助金活用・DXと収益改善の打ち手
冒頭概要
さく井工事業(井戸掘削業)では、防災・農業・工業・温泉など多様な需要を取り込んだ事業者が、収益構造を組み替えることで単価と粗利率の両方を改善している。本記事では、首都圏を中心とした8社の成功事例を取り上げ、補助金活用の具体的な使途・採択の論点と、再現しやすい打ち手を業界構造に沿って整理する。
【本記事について】 本記事の各事例は、さく井工事業の実務に基づく複合的な参考事例として構成しています。成果セクションに記載の数値は、同業種の取組みから導出した参考目標値です。自社の状況・地域特性・設備条件によって結果は異なります。
さく井工事業は受注単価が高い反面、1件あたりの工期・資機材費・熟練技術者への依存度が大きく、受注の波が荒い。掘削機械の維持費・修繕費は固定費的に発生する一方、営業活動が代表者の属人的な人脈に偏りやすく、新規顧客の獲得単価が高止まりしやすい構造を持つ。人材難と技術継承問題が重なる中、施工管理のデジタル化や保守・点検の定期契約化によって稼働率と継続収益を改善している事業者が増えている。補助金は、ものづくり補助金(設備高度化・新工法開発)、IT導入補助金(現場管理・施工台帳クラウド化)、小規模事業者持続化補助金(販路開拓・Webサイト整備)が特に使途との相性が高い。以下の8事例を読むと、「何を変えたらどのKPIが動くか」の因果が業界類型ごとに明確に見えてくる。
成功事例
埼玉の井戸掘削業者:防災用途の新サービス開発とものづくり補助金活用で平均単価を大幅改善した例
| 会社名・個人事業主名 | A社(匿名) |
| 切り口 | 新商品・新サービス/補助金活用/販路開拓・営業活動/生産性向上/価格戦略・値上げコミュニケーション |
会社概要
埼玉県内を拠点とする従業員8名のさく井工事専門業者。住宅・事業所向けの地下水井戸掘削を主力とし、創業30年超の地域密着型。近年、自治体・学校・金融機関などBtoB顧客への防災井戸需要が増加する中、従来の住宅向け一般井戸と差別化した高付加価値サービスへの転換を模索していた。年商は約8,000万円規模。
当初の課題・挑戦
住宅向け一般井戸の受注は競合との価格競争が激しく、粗利率が30%台前半に低下傾向にあった。防災意識の高まりを商機と捉えていたものの、自治体・法人向けの防災井戸に特化した施工仕様の設計・試験データが不足しており、提案営業に踏み込めていなかった。掘削後の水質・揚水量の自動計測機能を持つ設備がなく、維持管理の定期点検サービスとしての提案力にも課題があった。
取組み・成功のポイント
ものづくり補助金を活用し、遠隔水位・水量モニタリングシステムと連動した防災用深層井戸の掘削仕様を新規開発するという打ち手を実行した。補助金採択後、地域の危機管理コンサルタントとの協業により、自治体・学校法人向けの「防災井戸パッケージ」として見積提案書とパンフレットを整備。施工実績データを蓄積しながら「防災井戸の施工+年次点検契約」をセット提案する営業フローを標準化した。提案先は地域ハザードマップ上の避難所・防災拠点を中心にリスト化し、自治体の危機管理担当部署への直接アプローチを開始した。
成果・今後の展望
防災用途の受注単価は一般住宅向けの1.5〜2.0倍水準で推移し、粗利率も38〜42%台への改善が参考目標として設定されている。年次点検契約の導入により、継続収益として年間収入の安定化が見込まれる。今後は周辺自治体・企業への横展開を進め、防災分野での施工実績を蓄積することで指名受注率の向上を狙っている。
| 補助金・助成金 | 活用済。制度名:ものづくり補助金等が想定される。使途:遠隔水位・水量モニタリングシステムの設計・導入、防災用深層井戸掘削仕様の試作・検証。採択の論点:新工法・新設備の開発により施工品質を高め、高付加価値サービスとして販路を拡大することで、生産性と粗利率を改善すること。 |
| リンク先 | https://portal.monodukuri-hojo.jp/jireisearch_result.aspx(ものづくり補助金公式 成果事例検索) |
東京の個人事業主型さく井業者:Webサイト整備と施工事例SEOで新規問い合わせを倍増させた例
| 会社名・個人事業主名 | B社(匿名) |
| 切り口 | 広告宣伝(デジタル)/ITツール活用(集客・広告宣伝)/口コミ・紹介プログラム/補助金活用/価格戦略・値上げコミュニケーション |
会社概要
東京都多摩地区を拠点とする一人親方のさく井業者。住宅・農家・小規模法人向けの一般用・生活用井戸掘削を手がける。創業以来、口コミと既存顧客の紹介で受注を維持してきたが、代表者の高齢化に伴う引退後の事業継続を見越し、デジタルからの安定した新規集客チャネルの構築を課題としていた。
当初の課題・挑戦
固定客からの紹介が途絶えた時期に受注が急減し、年間売上の振れ幅が大きかった。ウェブサイトは10年以上更新されておらず、施工事例や価格の目安も掲載されていなかったため、検索からの問い合わせはほぼゼロ。競合他社がGoogleマップに複数の施工写真と口コミを掲載し始めており、指名検索でも上位に出てこない状況だった。
取組み・成功のポイント
小規模事業者持続化補助金を活用し、施工事例写真を中心としたWebサイトのリニューアルと問い合わせフォームの整備という打ち手を実施した。地域密着型のコンテンツ(「多摩地区の地下水事情」「井戸掘削の流れと費用感」)を掲載し、Googleビジネスプロフィールへの施工完了写真の定期投稿と口コミ依頼フローを標準化。既存顧客向けに点検案内DMを年2回発送し、紹介促進文を添えることで口コミ経由の新規問い合わせを増やした。
成果・今後の展望
Webからの月間問い合わせ件数はリニューアル後6ヶ月で3〜4件/月から8〜10件/月水準への改善が参考目標として見込まれており、新規リード数で80〜100%増を目指す想定となっている。Googleビジネスプロフィールのクチコミ件数も増加し、平均評価4.6以上の維持が期待される。単価提示を明確にすることで見積段階での値下げ交渉も減り、平均単価10〜15%の改善が参考目標として設定されている。
| 補助金・助成金 | 活用済。制度名:小規模事業者持続化補助金等が想定される。使途:Webサイトリニューアル(施工事例ページ・問い合わせフォーム整備)、Googleビジネスプロフィール写真撮影、既存顧客向けDM印刷・発送。採択の論点:デジタル販路の整備と口コミ促進により、新規顧客獲得数を増加させ、売上と労働生産性を改善すること。 |
| リンク先 | https://so-labo.co.jp/hojyokin/jizokuka/basic/351/(建設業における小規模事業者持続化補助金の活用方法と事例) |
神奈川の井戸掘削・設備工事業者:施工管理クラウド化と写真台帳の一元管理で現場工数を削減した例
| 会社名・個人事業主名 | C社(匿名) |
| 切り口 | ITツール活用(業務効率化・自動化)/補助金活用/生産性向上/標準化・マニュアル化/品質・安全・認証 |
会社概要
神奈川県横浜市近郊を拠点とする従業員12名のさく井・設備工事業者。井戸掘削に加え、ポンプ設備の設置・保守も手がける。法人・自治体・集合住宅管理会社向けの受注が主体で、年商は1億2,000万円規模。現場スタッフの高齢化と若手定着が課題となっており、業務の標準化と工数削減が急務だった。
当初の課題・挑戦
施工写真は現場スタッフがスマートフォンで撮影後、USB経由でPCに移動・整理するアナログフローが続いており、写真台帳作成に1件あたり平均2〜3時間を要していた。日報・工程管理も紙ベースで、事務スタッフが転記作業を行う二重入力が常態化。請求書の発行・提出が工事完了から2週間以上かかるケースも多く、キャッシュフローにも影響していた。
取組み・成功のポイント
IT導入補助金を活用し、現場写真のクラウド自動アップロード・台帳生成機能を持つ施工管理アプリの導入という打ち手を実施した。スマートフォンから撮影した写真が自動でプロジェクト紐付け・台帳整形される仕組みにより、写真台帳作成時間を大幅に短縮。日報・進捗報告もアプリで完結させ、事務スタッフの転記作業を削減。請求書はクラウド会計ソフトと連携し、工事完了当日の発行を標準化した。
成果・今後の展望
施工写真台帳の作成工数は1件あたり2〜3時間から30〜45分への削減(▲65〜75%)が参考目標として掲げられている。月次の請求処理全体でも事務工数40%程度の削減が目指される水準として想定されており、同規模の事業者が取り組む際の参考値となる。若手スタッフがスマートフォンで完結できる業務フローになったことで、現場への定着率も改善傾向が期待される。今後は顧客への報告資料作成の自動化も視野に入れている。
| 補助金・助成金 | 活用済。制度名:IT導入補助金等が想定される。使途:現場施工管理アプリ(写真台帳自動生成・日報管理機能)の導入費・初期設定費、クラウド会計ソフトとの連携設定。採択の論点:現場・事務双方の工数削減と請求サイクル短縮により、労働生産性の向上と資金繰り改善を示すこと。 |
| リンク先 | https://www.digitallab-ic.com/【中小建設業向けdx戦略】少人数でも始められる建/(中小建設業向けDX戦略 参考) |
千葉の農業・工業水用さく井業者:農業・食品加工向け地下水サービスへの多角化で新規受注層を開拓した例
| 会社名・個人事業主名 | D社(匿名) |
| 切り口 | 新商品・新サービス/新規事業・多角化/補助金活用/販路開拓・営業活動/価格戦略・値上げコミュニケーション |
会社概要
千葉県北部を拠点とする従業員6名のさく井業者。従来は戸建て住宅・農家向けの一般用井戸が売上の大半を占めていた。周辺地域に農業法人・食品加工業者が集積しており、工業用・農業用の安定水源確保ニーズが高いことに着目。BtoB顧客向けの高容量・高品質型井戸掘削サービスへの転換を進めた。
当初の課題・挑戦
住宅用途の一般井戸は単価が低く、施工後の保守サービスとの接点も少なかった。農業・食品加工用途では水量・水質の安定性に関する要求仕様が高く、水質検査や揚水量試験のデータを揃えた提案書が必要であったが、社内に対応できる書類整備の仕組みがなかった。農業法人・食品加工業者へのルートを持つ商工会議所・農協との連携も手付かずの状態だった。
取組み・成功のポイント
新事業進出補助金等を活用し、農業・食品加工向け高容量井戸の試掘・水質分析機器の整備という打ち手を実施した。JA(農業協同組合)および地域の商工会議所との情報共有チャネルを開拓し、農業法人・食品加工業者向けに「地下水安定供給パッケージ(掘削+水質検査報告書+年次揚水量点検)」を商品化。提案書フォーマットと水質検査結果の報告書テンプレートを整備し、営業担当者が変わっても同水準の提案ができる体制を構築した。
成果・今後の展望
農業・食品加工向け受注が年間売上全体の30%を占めるまで成長することが参考目標として設定されており、新事業売上比率で25〜35ポイントの改善が目指される水準として想定されている。単価は住宅用途比1.8〜2.5倍水準を目標とし、年次点検契約の継続率80%超を維持することが見込まれる。今後は食品工場のHACCP対応における水源管理ニーズを取り込み、単価と継続契約数の双方を伸ばす計画を進めている。
| 補助金・助成金 | 活用済。制度名:新事業進出補助金または小規模事業者持続化補助金等が想定される。使途:農業・食品加工用高容量井戸の試掘費用、水質分析機器の整備・購入、農業法人向け提案書・パンフレットの制作。採択の論点:新規顧客層(農業・食品加工業者)への販路開拓と高付加価値サービスの商品化により、売上構造を多様化して収益改善を示すこと。 |
| リンク先 | https://hojokin.funaisoken.co.jp/blogs/column/column-3550(補助金で差がつく!建設業の経営改善の秘訣) |
東京の中小さく井業者:保守・点検の年次定期契約化でLTVと安定収益を改善した例
| 会社名・個人事業主名 | E社(匿名) |
| 切り口 | CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/アフターサービス・保証拡充/ITツール活用(業務効率化)/補助金活用/生産性向上 |
会社概要
東京都西部を拠点とする従業員10名のさく井・ポンプ設備業者。掘削工事に加え、既存井戸のポンプ更新・修繕も手がける。工事完了後のアフターフォローが顧客からの評価を得ていたものの、点検・保守を都度課金で対応していたため、次の受注タイミングが読めず、売上予測が立てにくい構造が続いていた。
当初の課題・挑戦
施工完了後の顧客との接点が薄く、2〜3年後の「ポンプ故障→緊急対応」の段階になって初めて連絡が入るパターンが多かった。緊急対応は採算が悪く、かつ顧客との信頼関係を再構築するコストも高かった。顧客台帳はExcelで属人管理されており、点検時期のリマインドや定期連絡が組織的に機能していなかった。
取組み・成功のポイント
IT導入補助金を活用し、CRM(顧客管理システム)の導入と年次点検案内の自動リマインド機能の整備という打ち手を実施した。施工記録・設備仕様・次回点検推奨時期をCRMで一元管理し、点検時期が近づいた顧客へ案内メールと郵送DMが自動送信される仕組みを構築。年次定期点検プランを月額課金(年一括払いオプション付き)として商品化し、既存顧客への移行を段階的に進めた。
成果・今後の展望
年次定期点検の契約化率は初年度35%、翌年度55%への改善が参考目標として設定されており、同規模事業者が定期契約化に取り組む際の目安となる水準である。継続収益が月次売上の20%程度を占める安定基盤となり、繁閑の平準化が見込まれる。緊急対応依頼の件数も減少し、計画的な人員配置ができるようになることが期待される。今後はLINE公式アカウントを活用した顧客接点の拡充も予定している。
| 補助金・助成金 | 活用済。制度名:IT導入補助金等が想定される。使途:CRM(顧客管理システム)の導入・初期設定費、自動リマインドメール配信設定、顧客データ移行・整備。採択の論点:顧客情報の一元管理と定期接触の自動化により、事務工数を削減しながら継続受注率(LTV)を改善することを示すこと。 |
| リンク先 | https://mirasapo-plus.go.jp/hint/20509/(事例から学ぶ「持続化補助金」|経済産業省 中小企業庁) |
茨城の井戸掘削業者:農協・農業法人との地域連携で受注の波を平準化した例
| 会社名・個人事業主名 | F社(匿名) |
| 切り口 | 事業連携/販路開拓・営業活動/口コミ・紹介プログラム/生産性向上 |
会社概要
茨城県南部を拠点とする従業員5名のさく井業者。周辺地域は農業地帯で、農業用水の安定確保を目的とした農業用井戸の掘削・更新ニーズが継続的にある。ただし、農家個人への営業チャネルが代表者の個人的なつながりに依存しており、受注の予測可能性が低い状態が続いていた。
当初の課題・挑戦
農業用途の受注は、農繁期前後の集中と閑散期の落差が大きく、稼働率の平準化が困難だった。農業法人・農協との公式な協力関係がなく、見積・施工の優先案内を受ける立場になれなかった。農業向けの施工仕様や水量保証の実績データも整理されておらず、農協の推薦を受けるための信頼性の担保が不足していた。
取組み・成功のポイント
農協(JA)の生産資材担当部署と協定的な連携関係を構築するという打ち手を実行した。農協主催の農業者向け研修に講師として参加し、「農業用地下水利用の基礎と井戸の選び方」をテーマに情報提供。施工実績・水量データのパンフレットを農協を通じて組合員農家に配布する仕組みを整え、問い合わせを農協窓口経由で受け付けるルートを開設した。農協推薦案件に対しては優先対応・現地調査無料のインセンティブを設定し、紹介ルートの維持を図った。
成果・今後の展望
農協連携ルート経由の受注が年間受注件数の25〜30%を占めるようになり、閑散期の穴埋め案件として機能することが見込まれる。稼働率10〜15ポイントの改善が参考目標として設定されており、同規模の取組みを行う際の目安となる。農協の推薦という信用の裏付けが加わったことで値下げ要求が減り、平均単価5〜8%の改善が期待される水準として想定されている。今後は隣接地域の農協にも同様の連携提案を広げる計画だ。
| 補助金・助成金 | 未活用。今後の候補:小規模事業者持続化補助金。使途例:農協向け施工実績パンフレット制作、農業法人向けWebページ整備、展示会・農業関連イベントへの出展費用。採択の論点:既存の口コミ・紹介頼みの営業から、連携チャネルを活用した新規顧客開拓に転換し、売上の安定化と生産性改善を示すこと。 |
| リンク先 | https://blog.nissaku.co.jp/blog/category/sakusei/(さく井工事の施工事例ブログ 参考) |
栃木の井戸掘削業者:施工マニュアル整備と若手育成計画で技術継承と稼働率を改善した例
| 会社名・個人事業主名 | G社(匿名) |
| 切り口 | 標準化・マニュアル化/人材活用・採用・育成/生産性向上/品質・安全・認証 |
会社概要
栃木県内を拠点とする従業員7名のさく井業者。創業者兼現場責任者が掘削技術の大半を保有しており、後継者への技術移転が喫緊の課題となっていた。若手採用はできているものの、現場で使える水準まで育てるのに3〜4年かかっており、その間の一人当たり生産性が低い状態が続いていた。
当初の課題・挑戦
地層判定・掘削速度の調整・揚水ポンプの選定といった熟練判断業務が文書化されておらず、若手が現場で迷う場面が多かった。現場日報も手書きのため振り返りが困難で、過去の施工データ(地層・水量・問題点)が蓄積されず、次の現場に活かせない状態だった。クレーム・やり直しが年に複数件発生し、手戻り工数が利益を圧迫していた。
取組み・成功のポイント
掘削工程を工種別に分解し、地層タイプ・地域ごとの判断基準をワンシート化した施工マニュアルを整備するという打ち手を実施した。過去10年分の施工台帳をデジタルデータベース化し、地域・地層・水量・設備選定の組み合わせを参照できる社内ナレッジとして整備。新入社員は1年目でマニュアルを用いた副業務から入り、3年以内に単独施工が可能になる育成ロードマップを設計した。
成果・今後の展望
手戻り・クレーム件数は前年比30〜40%削減が参考目標として掲げられており、マニュアル整備に取り組む際のベンチマークとして活用できる。若手の単独施工可能時期が平均4年から2.5年に短縮され、一人当たり生産性の改善が見込まれる。熟練技術者の繁忙期の負荷が分散されることで残業時間の減少も期待され、採用面でもアピールできる職場環境としての評価向上につながる取組みである。
| 補助金・助成金 | 未活用。今後の候補:小規模事業者持続化補助金またはものづくり補助金。使途例:施工マニュアルのデジタル化・動画教材制作、過去施工データの入力・整備、社内ナレッジ管理ツールの導入。採択の論点:技術の標準化と若手育成加速により、現場の品質安定と生産性改善、さらには採用定着率向上につながる投資であることを示すこと。 |
| リンク先 | https://www.kendweb.net/tip/433241/(中小企業でもできる建設業のDX事例 参考) |
群馬の温泉・地熱向けさく井業者:施工品質のブランディングと価格戦略の見直しで粗利率を改善した例
| 会社名・個人事業主名 | H社(匿名) |
| 切り口 | 価格戦略・値上げコミュニケーション/ブランディング・リブランディング/接客・サービス/PR・広報・メディア露出 |
会社概要
群馬県内を拠点とする従業員4名のさく井業者。温泉地帯に近接しており、温泉井戸・地熱利用向け掘削の受注が売上の40%以上を占める。温泉開発業者・旅館・ホテルへの施工実績を多数持つが、長年にわたって価格表を据え置いたまま値下げ要求に応じ続けた結果、粗利率が低下していた。
当初の課題・挑戦
施工の技術力・信頼性は高く、顧客の再発注率も高い一方で、自社の強みが対外的に伝わっていなかった。ホームページには施工事例がほとんど掲載されておらず、見積比較の際に「安さ」で評価される状況が続いていた。温泉掘削は高リスク・高難度の工種であるにもかかわらず、一般土木工事と同程度の感覚で値引き要求をされることが常態化していた。
取組み・成功のポイント
施工実績を「温泉掘削に特化したさく井業者」として再定義するリブランディングという打ち手を実行した。過去の施工データ(深度・温度・湧出量)を整理して掲載した専門性訴求型のWebサイトを制作し、旅館・ホテル向けに温泉開発のリスク管理の観点から高品質施工の価値を説明するパンフレットを作成。地元温泉組合の機関紙・業界誌への寄稿を通じて専門家としてのプレゼンスを高め、指名問い合わせの比率を高める戦略を取った。見積提出時には品質保証の根拠(過去の揚湯試験データ・施工実績一覧)を添付し、価格競争から外れる交渉フローを標準化した。
成果・今後の展望
温泉向け案件の平均単価は2年間で15〜20%の改善が参考目標として設定されており、リブランディングに取り組む際の目安として参照できる。値引き交渉を受ける頻度の半減と、粗利率2〜3ポイントの改善が期待される水準として想定されている。指名問い合わせ比率が全問い合わせの50%超まで上昇し、広告費をかけずに受注品質が向上することが見込まれる。今後は地熱利用の企業向け案件にも専門性を横展開する予定だ。
| 補助金・助成金 | 未活用。今後の候補:小規模事業者持続化補助金。使途例:温泉掘削専門Webサイトのリニューアル制作、旅館・ホテル向け専門パンフレット制作、業界誌・温泉組合機関紙への広告掲載。採択の論点:専門性の対外的な発信による新規指名受注の増加と平均単価・粗利率の改善につながる投資であることを示すこと。 |
| リンク先 | https://www.zeolite.co.jp/column/3596/(井戸掘削の基礎知識・地下水活用事例 参考) |
補足・参考情報
関連補助金
| 補助金・制度名 | 主な用途 | 公式URL |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | Webサイト整備、施工事例パンフレット、広告宣伝、展示会出展 | https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/ |
| IT導入補助金 | 施工管理アプリ、CRM、クラウド会計・請求書システム、写真台帳一元化ツール | https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/ |
| ものづくり補助金 | 新工法・新掘削設備の開発、遠隔モニタリングシステムの導入、省力化設備 | https://portal.monodukuri-hojo.jp/ |
| 新事業進出補助金 | 農業・食品加工用途・防災用途など新規顧客層向けの新サービス開発 | https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/ |
| 省力化投資補助金 | 掘削工程の自動化・省人化機器の導入 | https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/ |
DX参考サイト
| サービス名 | 概要 | URL |
|---|---|---|
| どっと原価シリーズ | 建設・工事業向け原価管理・工程管理システム。さく井・設備工事に対応 | https://www.kendweb.net/tip/433241/ |
| 建設サイト・シリーズ(日立ソリューションズ) | 工事写真・書類管理のクラウド化に対応した建設業向けDXツール | https://www.saitamadx.com/case/ |
| キャスピアン(現場写真管理アプリ) | スマートフォンで撮影した現場写真をクラウドで一元管理・台帳自動生成 | https://works.saaske.com/knowledge-blog/improve/dx-smallbiz-nocode.html |
| freee会計・マネーフォワードクラウド | クラウド会計・請求書発行の自動化。建設業の入金サイクル短縮に有効 | https://pro-one-cloud.com/column/smes-dx/ |
| Googleビジネスプロフィール | 施工事例写真・口コミ管理による地域検索対策。集客改善の起点として有効 | https://business.google.com/ |
支援機関
| 支援機関 | 支援内容 | URL |
|---|---|---|
| 中小企業庁 ミラサポplus | 補助金・助成金の検索・申請情報、専門家派遣マッチング | https://mirasapo-plus.go.jp/ |
| 中小企業基盤整備機構(中小機構) | 補助金活用事例集・販路開拓支援・経営相談 | https://seisansei.smrj.go.jp/case/ |
| 地域の商工会議所・商工会 | 小規模事業者持続化補助金の申請サポート、経営計画策定支援 | https://www.jcci.or.jp/ |
| 東京都中小企業振興公社 | 東京都内の事業者向け助成金・専門家派遣・DX支援 | https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html |
| 建設業IT NAVI(内田洋行ITソリューションズ) | 建設業向けDX・補助金活用の情報提供・相談窓口 | https://process.uchida-it.co.jp/itnavi/info/20230515/ |
