ものづくり補助金|会社概要は「技術力」を翻訳せよ。審査員に伝わる書き方の型と3つの変換公式
なぜ「会社概要」で合否が決まるのか?審査員の視点を知る
会社概要欄は自己紹介ではなく、補助事業をやり切る技術力と体制を証明する最初の採点パートです。沿革や精神論だけだと評価が置けません。審査員が点を入れやすい形に翻訳する前提をここで揃えます。
審査員が見ているのは「過去」ではなく「遂行能力」
事実として、審査は「この会社が計画を実行できるか」を見ます。一般的見解として、会社概要は推薦状の役割に近いです。つまり、創業年や移転履歴より、技術が再現できる根拠と運用体制が重要でしょう。ここが弱いと、導入設備が良くても不安が残ります。
やりがちなNG例:「挨拶」と「スペックの羅列」
よくある失敗は「丁寧に対応します」などの抽象語と、「設備名を並べるだけ」の記載です。反論として、設備は重要では?と思うかもしれません。とはいえ、審査員が知りたいのは設備の凄さより、設備が生む事業上の価値です。スペックは、顧客メリットまで言い換えて初めて点になります。
書く前に埋めるだけ!技術力の棚卸し「ヒアリング5問」
書き方で詰まる原因は文章力より材料不足です。先に自社の技術を棚卸しし、事実を集めれば、会社概要欄は穴埋め作業になります。社長と現場へのヒアリングにも使える5問で、必要な項目を短時間で揃えます。
質問①〜③:差別化の源泉を掘り起こす
- 質問①「他社ではなく自社が選ばれる理由は?」
- 質問②「一番難しかった案件と解決方法は?」
- 質問③「誰が、どんな設備と工程で再現している?」
取得方法は会話メモで十分です。計算式は「事実の数」を数えるだけ。結果として、強みの核が3つ程度に絞れます。ふと話が長くなったら、具体的な数字や固有名詞を優先して拾うと整理できます。
質問④〜⑤:顧客メリットと未来への接続
- 質問④「その技術で顧客は何が助かっている?」
- 質問⑤「補助金で設備を導入すると、強みはどう強化される?」
ここで出る答えが、事業計画と会社概要をつなぐ接着剤になります。反論として、メリットは後で書けば良いと思いがちです。でも先に因果を決めると、会社概要の記載がブレません。サクッと一行で言える形にします。
技術力を「強み」に変換する3ステップの公式
結論は、技術力を事実のまま書かず、加点される文章に変換することです。手順は3つだけで、事実を集め、顧客価値に翻訳し、型に当てはめます。これで「具体的に書けない」「伝わらない」をまとめて解消できます。
【STEP1】事実(Fact)を書き出す
まず客観事実だけを並べます。設備名、加工精度、対応サイズ、検査方法、稼働体制、月の処理件数などです。ここで主観語を混ぜません。擬音で言うと「ザッ、ザッ」と箇条書きで切り出す感じ。一般的見解として、事実が弱いほど文章が抽象になります。だから先に事実の粒を増やします。
【STEP2】顧客メリットへ「翻訳」する
事実を品質、コスト、納期、柔軟性のどれに効くかへ言い換えます。取得方法は顧客の声や社内の工数データ。計算式は「従来工数−改善後工数」や「不良率の前年差」。結果は「納期を何日短縮」「手戻りを何%削減」など、審査員が点にできる言葉になります。ここが採択の分かれ目になりがちです。
【STEP3】文章化の型「Fact × Advantage × Benefit」
型はこれで十分です。
- 事実:何を持ち、何ができる
- 優位:他社と比べて何が違う
- メリット:顧客や事業にどう効く
最後に、補助事業で何を強化するかを一行で添えます。反論として、比較が難しい場合もあります。そのときは「従来比」「社内の過去比」「同工程の一般的水準」など、比較軸を選べば成立します。
【ケース別】「強みがない」を突破する書き換えテクニック
強みがないのではなく、強みの定義が狭いだけです。下請け、実績が薄い、ニッチ技術など条件が違っても、再現性と体制を示せば技術力は成立します。ケース別の言い換えで、あなたの自社にも当てはめやすくします。
下請け・加工業:「言われた通り作る」を「再現性と対応力」へ
事実は「図面通りに加工」でも、価値は「高精度で再現し、変更に即応できる」ことです。具体的には、検査工程、治具の工夫、段取り替え時間、特急対応率などを記載します。反論として、それは当たり前と思うでしょう。それでも、当たり前を数字と体制で言い切ると、審査員は点を入れられます。
創業間もない・実績薄:「ポテンシャル」を「体制と外部連携」へ
実績が少ないなら、代表の経験、技術顧問、支援機関との連携、試作の検証記録を根拠にします。取得方法は履歴書や契約書、試験ログ。計算式は「検証回数」「不具合潰し込み数」のカウントで良いです。結果として、認定支援機関の助言を受けながら計画を実行できる姿が描けます。
ニッチ技術:「専門用語」を「比較数値」へ
専門用語は、言い換えか比較数値を添えると伝わります。たとえば「従来工程を何%短縮」「同等品質に必要な人数を何人削減」などです。とはいえ、数字が出せない場合もあります。そのときは、品質基準、検査方法、標準手順書の有無など、再現性を示す項目で補えます。技術を活用する道筋が見えれば十分です。
迷わないための「構成」と「削る技術」
会社概要欄が弱くなる最大原因は、情報を詰め込み焦点を失うことです。強くするには足すより削るが効きます。黄金構成の比率と、書かない基準を決め、最後の一文で補助事業に接続すれば、計画全体が締まります。
会社概要欄の黄金構成(比率とテンプレート)
おすすめ比率は、沿革2割、主要事業と顧客3割、技術的強み4割、投資接続1割です。短い枠でも「何の会社か」と「何が強いか」が両立します。具体的には、主要製品やサービス、対応業界、設備と工程、品質管理、体制を項目立てで記載します。結果として、事業計画書の前提が一枚で伝わります。
何を書かないか?「削る基準」リスト
削るのは、現在の強みに結びつかない沿革、補助事業と無関係な別事業、根拠のない形容詞です。たとえば「一生懸命」「高品質」は単独で置かない。反論として、丁寧さは必要では?と思いますよね。ですが丁寧さは、検査方法や不良率、再作業率といった具体データで示すほうが強いです。
重要:最後の一文で「今回の投資」につなげる
締めの一文は「この技術基盤があるから、設備導入後も運用し成果を出せる」と言い切ります。たとえば「検査工程を内製化し、納期短縮を実現する」など、補助事業の狙いを一行で結びます。ここがないと、会社概要と計画が分断されます。逆に一行あるだけで、実現可能性がグッと上がるでしょう。
提出直前に!会社概要欄の自己採点チェックリスト
最後の不安は「これで合っているか」です。提出前に審査員目線で自己採点できれば、やり直しの手戻りが減り、申請のストレスも軽くなります。チェックは5項目だけ。満たせない箇所があれば、そこが改善ポイントです。
審査員目線のチェック5項目
- 専門用語に短い言い換えがある
- 技術の根拠に数字、期間、固有名詞が入る
- 顧客メリットまで翻訳できている
- 沿革が強みの蓄積として読める
- 会社概要と補助事業が一行でつながる
取得方法は原稿を声に出して読み、第三者に説明してみること。計算式は「はいと言える数」を数えるだけ。結果が4以上なら合格ラインです。
まとめ
会社概要欄は、ものづくり補助金の採択を左右する入口であり、技術力を採点可能な言葉に変える場です。今日からは、事実を集め、顧客価値に翻訳し、型に当てはめて作成してみてください。きっと視界が開けます。迷ったら、チェックリストで立ち止まり、次の一手を選びましょう。あなたの計画は前に進めますし、未来の設備導入も現実になります。
