デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)業務プロセスを評価につなげる書き方テンプレと例文

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)業務プロセスを評価につなげる書き方テンプレと例文

目次

冒頭(結論:このテンプレに当てはめればOK)

業務プロセス欄は、ツール機能の説明ではなく「業務の流れと情報の流れ」を、課題→導入→効果の因果で書くと評価されます。この記事の穴埋めテンプレと計算式に当てはめれば、専門用語が苦手でも筋の通った文章が完成するはずです。

この記事でできること

  • 何を書くべきかが1分で分かる
  • そのまま使える穴埋めテンプレが手に入る
  • 数値化の計算式で、説得力のある効果が書ける
  • NG例を避け、提出前チェックで仕上げられる

審査員はココを見る:業務プロセスの定義と評価条件

業務プロセスは「担当者の作業手順」ではなく、部門や担当をまたぐ情報の受け渡しまで含む流れです。審査員は、因果の一貫性、適切な粒度、最低限の数値の3点で判断します。ここを押さえるだけで文章の通りが激変します。

個人の作業ではなく、情報の流れと部門連携を書く

例えば「Excelに入力する」は作業です。一方でプロセスは、現場で発生したデータが、誰の確認を経て、どの部署に渡り、どの台帳に反映されるかまでを含みます。

  • 良い粒度の例:受注情報が営業から経理へ渡り、請求と入金消込まで一気通貫で処理される流れ
  • 悪い粒度の例:画面でボタンを押す、入力する、印刷する

旧IT導入補助金の時短から、付加価値へ一段上げる

旧制度の文脈では「工数削減」だけでも語れました。しかしデジタル化・AI導入補助金では、削減で空いた時間をどう活用し、売上や品質、顧客対応、賃上げなどの付加価値にどうつなげるかが重要です。ふと、ここが抜けるだけで弱く見えます。

事前準備:迷わないプロセスの選び方と数値化のコツ

白紙で固まる原因は、書き方以前に「どの業務を書くか」「どう数字にするか」が決まっていないことです。頻度、負担、手戻り、待ち時間で候補を絞り、工数や件数を簡単な式で算出すれば、申請に必要な骨格が先に立ち上がります。

自社のどの業務を切り出すか:選定チェックリスト

次の合計点が高いほど、業務プロセスとして強い題材になります。

  • 頻度:毎日か、週1か、月1か
  • 負担:担当者の拘束時間が長いか
  • 手戻り:ミスや差し戻しが多いか
  • 待ち時間:承認待ち、転記待ち、入金待ちがあるか
  • 影響範囲:複数部署や複数担当が関わるか

点が高いのにツール未導入なら、改善余地が大きい題材です。逆に小規模で月1だけの作業は、改善が薄く見えがちでしょう。

説得力が倍増する数値化:取得方法→計算式→結果

まず取得方法です。担当者に「1回何分」「1日何回」「月何日」を聞き、直近1か月の実績で見積もります。

  • 計算式:月間工数(分)=1回あたり分×回数×営業日
  • 結果例:8分×15回×20日=2400分、つまり月40時間

ミスや手戻りも同様に、取得方法は過去の差し戻し件数を数えるだけで十分です。ややこしい指標に飛ばなくて大丈夫です。

基本の型:そのまま使える業務プロセス穴埋めテンプレ

評価される文章は、現状の泥臭い課題、導入で変わる業務、導入後の効果が一本の線でつながっています。そこで、現状→導入→未来の順に穴埋めするテンプレを用意します。ここに自社の数字と固有名詞を入れるだけで形になります。

STEP1 現状(As-Is):泥臭い課題と数値

次の括弧を埋めてください。

  • 対象業務: (例:受注から請求、入金消込まで)
  • 現状の流れ: (誰が何を受け取り、どこへ渡すか)
  • ボトルネック: (手戻り、二重入力、待ち時間)
  • 現状の数値: (月間工数、手戻り件数、待ち時間)

書き出すと「うわ、面倒だ」と感じるほど、改善の伸びしろが見えます。ここは隠さない方が強いです。

STEP2 導入(解決策):ツールは脇役、業務の変化を主語に

次の括弧を埋めます。

  • 導入するツール: (AI、クラウド、RPAなど)
  • 変わる点: (自動化、データ連携、一元管理)
  • 連携の範囲: (営業、現場、経理などの部門間)

コツは「ツールが何をできる」ではなく、「業務の流れがどう変わる」を主語にすることです。さて、文章が急にプロっぽくなります。

STEP3 未来(To-Be):工数削減+付加価値の一文

最後に、効果は2段で書きます。

  • 定量効果:月間〇時間削減、ミス〇件減、待ち時間〇時間短縮
  • 付加価値:空いた時間を顧客対応、提案、品質管理、教育、賃上げ原資などに活用

付加価値は、夢物語ではなく「どの業務に時間を振り替えるか」を一文で示すだけで十分です。

業種別の例文:コピペしてアレンジできる5パターン

汎用の説明だけだと「うちの場合は?」で止まります。そこで、中小企業で多い業務を5パターンに分けて例文を示します。自社の業務名、担当、数字、従業員規模に置き換えれば、申請文にそのまま使える形になります。

例文1 バックオフィス:請求から入金消込まで

現状:受注情報がメールと紙で分散し、経理が複数の台帳へ二重入力している。入金消込も手作業で、月に手戻りが発生し、月間40時間を要する。
導入:クラウド会計と販売管理を連携し、請求データを自動取り込みする。入金データも取り込み、AIで候補を提示する。
効果:月40時間を20時間へ削減し、締め処理の遅延を解消する。浮いた時間を資金繰りの可視化と改善提案に回す。

例文2 受注と見積:営業から現場への情報連携

現状:見積が個人管理で、受注後の仕様が現場へ正確に伝わらず、確認のやり取りで待ち時間が発生する。月に数回、手戻りが出る。
導入:案件情報を一元登録し、見積から受注、指示書まで自動生成する。変更履歴も共有し、部門間の確認を減らす。
効果:手戻り回数を半減し、納期遅延リスクを低下させる。浮いた時間を新規提案と顧客フォローに活用する。

例文3 在庫と発注:小売や飲食の需要変動対応

現状:発注が経験と勘に依存し、欠品と過剰在庫が発生する。棚卸も紙で、入力に時間がかかる。
導入:販売データと在庫を連携し、AIで需要予測を行い、発注量の目安を提示する。棚卸はモバイル入力で即時反映する。
効果:発注作業の工数を削減し、欠品による機会損失を抑える。空いた時間を接客品質向上と販促に回す。

例文4 現場帳票:建設や製造の写真、検品、報告

現状:現場報告が紙と写真で散らばり、事務所で転記している。承認の往復で待ち時間が長い。
導入:現場でアプリ入力し、写真と報告を即時共有する。AIで帳票の読み取りや分類を行い、整理を自動化する。
効果:転記時間と承認待ちを短縮し、進捗把握を早める。浮いた時間を安全管理と品質確認へ振り替える。

例文5 顧客対応:問い合わせ対応の漏れ防止

現状:問い合わせが電話、メール、SNSに分散し、対応漏れが起きる。担当の引き継ぎも属人的だ。
導入:問い合わせを一元化し、対応状況を可視化する。AIで分類し、返信の下書きを作る。
効果:対応漏れを減らし、返信スピードを改善する。空いた時間をリピート施策と顧客満足の向上に活用する。

要注意:不採択に近づくNGな書き方とOK比較

業務プロセス欄で落ちやすいのは、実は内容の不足より、書き方のズレです。機能説明だけ、主観だけ、時短だけの3つが特に危険です。ここでは、NGをOKへ直す変換例を示します。ぎゅっと修正すれば、説得力が上がります。

NG1 ベンダー機能説明になっている

NG:AIツールで自動化し、効率化します

OK:受注情報の登録から請求作成までの二重入力をなくし、営業と経理の受け渡しを一元化して処理時間を短縮します

NG2 主観的で定量がない

NG:作業が大変で時間がかかる

OK:月間工数は8分×15回×20日で40時間、導入後は入力回数が半減し月20時間を見込む

NG3 時短で終わり、付加価値がない

NG:業務時間が減る

OK:月20時間を顧客対応と提案に回し、見積作成の迅速化で受注率向上を狙う

提出前の最終チェックリスト:社内レビューで通す

書き終えたら、最後に審査員目線で点検します。因果、粒度、数字、整合性が揃うと「読める申請文」になります。逆にどれかが欠けると、内容が良くても伝わりません。チェック項目を順に潰せば、提出前の不安が軽くなります。

チェック項目

  • 因果が3行で説明できるか:課題→導入→効果がつながっている
  • 粒度が適切か:担当、データ、部署間の受け渡しが見える
  • 数字が入っているか:工数、件数、ミス、待ち時間のどれか1つ以上
  • ツールが主役になっていないか:業務の変化が主語になっている
  • 運用が書けているか:誰が使い、どう定着させ、どう測るか
  • 要件との整合:中小企業の規模、従業員、登録や支援事業者の関与など前提が矛盾していない

まとめ:申請書を会社の未来図に昇華させよう

業務プロセスを書く作業は、単なる補助金申請ではなく、業務改善の設計図を作ることです。穴埋めテンプレで一度形にし、数字で背骨を入れ、付加価値の一文で未来につなげてください。完成文を見直すと、次の打ち手が見えてくるでしょう。

次のアクション

  • まずはテンプレを埋めて、文章を完成させる
  • 社内でレビューし、NG3つを潰して提出へ進める
  • それでも不安なら、第三者に「どこが弱いか」を指摘してもらうのも手です。迷いを抱えたまま出すより、きっと前向きに進めます。
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