塗装工事業の成功事例8選|補助金活用とDX・集客改善の打ち手

塗装工事業の成功事例8選|補助金活用とDX・集客改善の打ち手

目次

冒頭概要

塗装工事業の成功事例に共通する勝ち筋は、職人技だけに頼らず、提案・現場管理・設備投資を仕組み化して収益改善につなげている点です。
本記事では、補助金活用、DX導入、集客改善、単価改善、省力化など、塗装工事業で再現しやすい打ち手と採択のポイントを事例別に整理します。
塗装工事業は、現場ごとの条件差が大きく、職人の経験、天候、足場、材料価格、外注体制によって利益がぶれやすい業界です。
特に外壁塗装・屋根塗装では、価格比較サイトや相見積もりの影響で受注単価が下がりやすく、工業塗装・板金塗装では品質要求と短納期対応が収益を左右します。
一方で、カラーシミュレーション、現場写真台帳、電子帳票、塗装ブース、IoT管理、遮熱・省エネ提案などは、受注率・平均単価・粗利率・工数削減に直結しやすい領域です。
補助金は、広告宣伝だけでなく、見積・請求・写真管理のDX、塗装ブースや検査設備の導入、環境対応塗料や新サービス開発にも活用余地があります。
以下の事例を見ると、「提案を見える化する」「現場を標準化する」「設備投資をKPI改善に結びつける」という3つの成功パターンが分かります。

成功事例

東京の外装工事会社:AIカラー提案で受注前の不安を減らした例

項目内容
会社名・個人事業主名A社
切り口新商品・新サービス、広告宣伝(デジタル)、ITツール活用(集客、広告宣伝)、AI活用、補助金活用、販路開拓・営業活動(EC・越境EC・卸・代理店)
会社概要東京都内で外壁塗装、屋根塗装、外装リフォームを手掛ける中小の外装工事会社。戸建住宅や小規模建物を中心に、現地調査、見積、施工管理、アフターフォローまでを一貫して行う。従来は紹介や地域広告に依存していたが、顧客が施工後の色味や外観を事前に確認したいというニーズが強まり、提案段階の見える化が重要になっていた。
当初の課題・挑戦外壁塗装は顧客にとって高額で、施工後の色味をやり直しにくい工事である。そのため、見積金額だけで比較されると、品質や提案力を伝えにくい。特にカラー選定では、カタログの小さな色見本と実際の外壁面積で印象が変わりやすく、顧客の不安が成約率低下や打ち合わせ長期化につながっていた。さらに、価格比較サイト経由の問い合わせでは相見積もりが前提となり、担当者が丁寧に説明しても「結局いくら安いか」で判断されやすい。A社は、施工品質ではなく提案体験そのものを差別化し、受注率と平均単価を高める必要があった。
取組み・成功のポイント取り組みの中心は、AIを活用した塗装・外装工事向けカラーシミュレーションの導入・開発である。顧客宅の写真を使い、外壁・屋根・付帯部の色を画面上で比較できるようにすることで、完成後のイメージを商談段階で共有した。これにより、営業担当者の説明力に依存していた提案を、視覚的に伝わる提案へ変えた点が大きい。単なるIT導入ではなく、「色選びの不安を減らす」「高耐久塗料や意匠性の高い仕様を提案しやすくする」「家族内の意思決定を早める」という成約プロセスに直結させたことが成功要因である。KPIとしては、新規獲得よりも成約率、平均単価、商談期間の短縮に効く施策と整理できる。
成果・今後の展望定性的には、見積比較から提案比較へ商談の軸を移しやすくなり、価格だけでなく完成イメージ、耐久性、色の満足度を説明しやすくなった。定量面では、成約率+5〜15pt、平均単価+10〜20%、商談期間▲10〜25%を目標例として設定できる。今後は、施工後写真、塗料別の耐久データ、近隣施工事例を蓄積し、カラー提案から保証・定期点検までを一体化することで、紹介率とLTV改善にもつなげられる。
補助金・助成金活用済。事業再構築補助金を活用し、AIを活用した塗装・外装工事向けカラーシミュレーションシステムの開発・運営に投資。採択の論点は、既存の施工請負から、提案支援システムを組み合わせた新サービスへ展開し、成約率・平均単価・新規売上比率の改善につなげる道筋を示せる点。
リンク先https://local-mp.co.jp/subsidy/cases/jigyou-saikouchiku-13-240/

神奈川の外壁提案支援会社:カラーシミュレーションで塗装業者の成約率を高めた例

項目内容
会社名・個人事業主名B社
切り口新商品・新サービス、ITツール活用(集客、広告宣伝)、データ活用、販路開拓・営業活動(EC・越境EC・卸・代理店)、ブランディング/リブランディング
会社概要横浜市を拠点に、外壁・屋根のカラーシミュレーションシステムを開発・提供する企業。塗装工事業者やリフォーム事業者が、施主に対して施工後の外観イメージを提示できるツールを提供している。自社が直接塗装工事を請け負う形ではなく、塗装業者の営業・提案プロセスを支援するBtoB型の事業である。
当初の課題・挑戦外壁塗装では、施主が「色を変えたい」と思っていても、施工後のイメージが分からないため無難な色を選びがちである。塗装業者側も、色見本帳や過去写真だけでは提案力に限界があり、高付加価値な仕様を説明しにくかった。結果として、差別化できる施工力があっても、商談では価格比較に巻き込まれやすい。B社はこの構造課題に対し、塗装業者が元請けとして提案力を高められるツールを提供することで、塗装業界全体の営業プロセスを変える余地を見出した。
取組み・成功のポイント建物画像をもとに、外壁や屋根の塗装後イメージを視覚的に確認できるカラーシミュレーションシステムを開発した。J-Net21では、同システムが建物外壁工事用に開発され、塗装工事業者が元請けになり得る構造改革にも期待される取組として紹介されている。公式サイトでも、リフォーム業者・塗装業者向けのカラーシミュレーションアプリとして、テレワークやリモート営業にも使えることが示されている。提案をデジタル化したことで、営業担当者の経験差を補い、施主の意思決定を早める仕組みになった。
成果・今後の展望定性的には、塗装業者が「施工後のイメージ」を商談前半で共有できるようになり、価格以外の判断材料を提示しやすくなった。定量面では、導入先の塗装業者において成約率+5〜15pt、平均単価+10〜20%、色決め打ち合わせ時間▲20〜40%を目標例として設定できる。今後は、写真診断、劣化診断、塗料提案、保証提案まで連携させることで、塗装業者のCRMやLTV改善にも展開できる。
補助金・助成金未活用。公表情報上、経済産業省系補助金や自治体系補助金の活用は確認できない。今後活用するなら、IT導入補助金は販売側ではなく導入事業者側の活用余地があり、開発投資では東京都中小企業振興公社の新製品・新技術開発系助成金などが候補になる。
リンク先https://j-net21.smrj.go.jp/special/news/ffsr280000002h6h.html
https://www.i-locus.com/color/

東京の建築塗装会社:女性職人の採用・育成で現場人材を広げた例

項目内容
会社名・個人事業主名C社
切り口人材活用・採用・育成、ブランディング/リブランディング、PR・広報/メディア露出、標準化・マニュアル化、接客・サービス
会社概要東京都内で長年にわたり建築塗装を手掛ける企業。公共・民間の建築物を対象に、外壁、内装、改修、メンテナンスなどの塗装工事を行う。塗装業界は男性職人中心のイメージが強いが、同社は女性職人の採用・育成に取り組み、東京都の女性活躍推進関連でも紹介されている。
当初の課題・挑戦建築塗装業では、技能人材の高齢化と若手採用難が大きな制約になる。案件を獲得できても、施工人員が足りなければ売上を伸ばせず、外注依存が強まると粗利率も下がる。また、現場環境が「男性中心」「体力仕事」というイメージのままだと、採用母集団が狭くなり、若手や女性が応募しにくい。C社の課題は、単に求人広告を増やすことではなく、働く人の幅を広げ、定着しやすい現場環境と育成ルートを作ることだった。
取組み・成功のポイント女性職人の採用に取り組み、現場で働き続けられる環境整備や社内外への発信を行った。J-Net21では、同社が2015年にはゼロだった女性職人を、2023年には職人全体の23.6%まで増やしたことが紹介されている。成功要因は、採用広報だけでなく、職人像そのものを更新した点にある。塗装品質、現場マナー、顧客対応、整理整頓、教育体制を見える化することで、未経験者や女性でも技能を積み上げやすい環境を作った。これは採用KPIだけでなく、現場品質、手戻り削減、顧客満足にも効く施策である。
成果・今後の展望定性的には、人材不足に対して採用対象を広げ、企業ブランドを高める効果があった。定量面では、女性職人比率が0%から23.6%に上昇したことが公表情報で確認できる。今後は、現場教育の標準化、技能評価制度、SNS・採用ページの整備により、応募数+10〜30%、定着率+5〜10pt、手戻り工数▲10〜25%を目標にできる。人材戦略を施工能力の拡大と粗利率維持に接続できる点が、塗装工事業にとって参考になる。
補助金・助成金未活用。公表情報上、経済産業省系補助金や自治体系補助金の活用は確認できない。今後活用するなら、採用広報サイトや教育動画制作は小規模事業者持続化補助金、技能教育のデジタル化はIT導入補助金や自治体系DX補助金の検討余地がある。ただし厚労省系助成金は本記事の対象外とする。
リンク先https://j-net21.smrj.go.jp/news/biufem000001p2mx.html

埼玉の自動車板金塗装業:塗装ブース導入で品質と作業効率を高めた例

項目内容
会社名・個人事業主名D社
切り口補助金活用、生産性向上、品質・安全・認証(HACCP/ISO等)、設備投資、販路開拓・営業活動(EC・越境EC・卸・代理店)、価格戦略・値上げコミュニケーション
会社概要埼玉県で自動車板金塗装を行う中小企業。事故修理、外装補修、塗装、仕上げを中心に、個人顧客や法人車両の修理需要に対応する。自動車板金塗装は、塗装品質、乾燥時間、作業環境、納期対応が収益性を大きく左右するため、設備の性能差がそのまま受注力と粗利率に影響しやすい。
当初の課題・挑戦従来設備では、高級車や仕上がり品質を重視する顧客への対応に限界があり、作業効率や品質安定にも課題があった。板金塗装では、粉じん、温度、乾燥条件、作業導線が仕上がりに影響するため、職人の技術だけでは品質を均一化しにくい。また、短納期ニーズが強まるなかで、乾燥待ちや塗装待ちがボトルネックになると、稼働率が下がり、案件を受けきれない。D社は、単なる設備更新ではなく、高付加価値車両への対応と生産性改善を同時に狙う必要があった。
取組み・成功のポイントものづくり補助金を活用し、塗装ブースを導入した。採択事例では、最新設備による高品質な塗装環境を構築し、作業効率と品質向上を実現したこと、高級車の修理需要に対応して新たな市場開拓を推進したことが示されている。成功のポイントは、設備投資を「きれいに塗れる」だけで終わらせず、受注できる案件単価、作業時間、品質の安定、新規顧客層に結びつけた点である。KPIとしては、稼働率、平均単価、手戻り工数、粗利率に効く。
成果・今後の展望定性的には、高品質な塗装が求められる案件への対応力が上がり、価格競争から抜け出しやすくなった。定量面では、採択支援事例で受給総額1,000万円とされており、目標例として稼働率+5〜15pt、平均単価+10〜20%、手戻り工数▲10〜25%、粗利率+1〜3ptが設定できる。今後は、施工前後写真、車種別作業時間、塗料別原価をデータ化することで、見積精度と回収期間管理をさらに高められる。
補助金・助成金活用済。ものづくり補助金(低感染リスク型ビジネス枠)を活用し、塗装ブースを導入。採択の論点は、高品質塗装環境の構築により、高級車修理需要への対応、作業効率改善、品質安定を通じて平均単価・稼働率・粗利率を改善する道筋を示せる点。
リンク先https://s-roots.com/works/ものづくり補助金活用事例|埼玉県|自動車板金/

千葉の自動車塗装業:塗装ブース整備でスピード修理対応を強化した例

項目内容
会社名・個人事業主名E社
切り口補助金活用、生産性向上、品質・安全・認証(HACCP/ISO等)、標準化・マニュアル化、販路開拓・営業活動(EC・越境EC・卸・代理店)
会社概要千葉県内で自動車修理・塗装関連サービスを行う小規模事業者。地域の個人顧客や法人車両の補修需要に対応し、愛車の修理、外装補修、塗装を行う。自動車塗装は、設備環境と職人技術の両方が必要であり、短納期対応と仕上がり品質の両立が顧客満足を左右する。
当初の課題・挑戦自動車塗装では、受注があっても塗装ブースや乾燥工程が詰まると納期が遅れ、顧客満足や紹介に影響する。また、作業環境が整っていない場合、仕上がりのばらつき、再塗装、手戻りが発生しやすい。地域密着型の修理業では、広告費を大きくかけるよりも、既存顧客の満足度と口コミを高めることが重要である。E社は、スピード修理対応を強化し、地域顧客から選ばれる理由を明確にする必要があった。
取組み・成功のポイント小規模事業者持続化補助金の採択者一覧に「塗装ブースの整備による愛車のスピード修理対応化事業」として掲載されている。これは、販路開拓型の補助金でありながら、単なる広告宣伝ではなく、顧客価値を高める設備整備を通じて受注機会を広げる点が特徴である。スピード修理を打ち出すには、工程の標準化、見積から入庫までの導線、作業写真の管理、納期説明の整備が欠かせない。設備投資と営業訴求を一体にしたことが、再現しやすい成功ポイントである。
成果・今後の展望定性的には、短納期対応を訴求しやすくなり、地域の修理需要を取り込みやすくなる。定量面では、稼働率+5〜15pt、納期短縮▲10〜25%、手戻り工数▲10〜25%、紹介件数+10〜20%を目標例として設定できる。今後は、施工前後写真をWebサイトやGoogleビジネスプロフィールに掲載し、地域検索からの問い合わせ増加につなげることで、設備投資の効果を販路開拓にも広げられる。
補助金・助成金活用済。小規模事業者持続化補助金を活用し、塗装ブースの整備によるスピード修理対応化を実施。採択の論点は、設備整備を通じて納期短縮・顧客満足・地域販路開拓を実現し、売上増加につなげる道筋を示せる点。
リンク先https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r1h/1-7/doc/令和元年補正一般型採択者一覧7.pdf

埼玉・川口周辺の外壁塗装店:地域密着と施工事例発信で問い合わせを増やした例

項目内容
会社名・個人事業主名F社
切り口広告宣伝(デジタル)、口コミ・紹介プログラム、コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用、接客・サービス、ブランディング/リブランディング
会社概要埼玉県川口市、さいたま市、戸田市、蕨市周辺で外壁塗装、屋根塗装、雨漏り補修、防水工事を展開する地域密着型の塗装専門店。公式サイトでは施工実績や補助金関連の施工事例を発信しており、地域名、工事内容、悩み別の導線を整えている。
当初の課題・挑戦外壁塗装は地域内に競合が多く、価格比較だけで選ばれやすい。特に戸建住宅向けでは、顧客が塗装の品質差を判断しにくく、口コミ、施工実績、保証、担当者の説明が意思決定に影響する。F社のような地域密着型店舗では、広域広告で大量集客するよりも、対象地域を絞り、施工事例と顧客不安への回答を積み上げることが重要になる。課題は、現場での実績をWeb上で見える化し、問い合わせ前の不安を減らすことだった。
取組み・成功のポイント公式サイトで施工事例、補助金カテゴリ、地域別サービスを整理し、見込み客が自分の状況に近い事例を探せる導線を作っている。外壁塗装では「同じ地域で施工しているか」「補助金や助成金を使えるか」「雨漏りや防水も相談できるか」が問い合わせ前の判断材料になる。F社の取組は、広告費を増やす前に、施工実績を資産化して検索流入と信頼形成につなげている点が参考になる。KPIとしては、新規獲得、問い合わせ率、成約率、紹介率に効く。
成果・今後の展望定性的には、地域名と施工内容を組み合わせた検索で見つけられやすくなり、問い合わせ前の比較検討に入りやすくなる。定量面では、問い合わせ率+5〜15%、成約率+5〜10pt、紹介件数+10〜20%、広告依存度▲10〜20%を目標例として設定できる。今後は、施工事例ごとに「課題」「提案」「使用塗料」「工期」「保証」「補助金の有無」を統一フォーマット化すると、SEOと営業資料の両方で使いやすくなる。
補助金・助成金未活用。公表情報上、自社の経済産業省系補助金活用は確認できない。顧客向けには自治体の住宅改修・省エネ改修系制度との接続余地がある。自社で活用するなら、小規模事業者持続化補助金で施工事例ページ、地域LP、Google広告、チラシ制作、写真撮影などを組み合わせる方法が考えられる。
リンク先https://pro-paint.jp/works/works_subsidy/補助金/

茨城の工業塗装会社:IoTと塗装設備高度化で多品種少量に対応した例

項目内容
会社名・個人事業主名G社
切り口ITツール活用(業務効率化、自動化)、データ活用、補助金活用、生産性向上、品質・安全・認証(HACCP/ISO等)、標準化・マニュアル化
会社概要茨城県で工業製品の塗装を行う中小企業。社会インフラ関連設備や制御盤など、多品種少量型の工業塗装に対応する。工業塗装は、色、膜厚、乾燥条件、前処理、検査など管理項目が多く、熟練技能者の経験に依存しやすい。
当初の課題・挑戦多品種少量生産では、案件ごとに仕様が変わり、標準化しにくい。熟練者がいるうちは品質を保てても、技能承継が進まないと、作業品質のばらつきや教育期間の長期化が課題になる。また、遠隔地の塗装工場運営では、現場の状態を把握しにくく、品質管理と納期管理の両立が難しい。G社は、熟練者の経験を属人的なノウハウのままにせず、データ化して再現できる仕組みに変える必要があった。
取組み・成功のポイントJ-Net21では、同社がIoTを活用した遠隔地塗装工場運営に取り組み、経済産業省のものづくり補助金を活用して塗装設備の高度化を進めたことが紹介されている。ポイントは、IoTを単なる監視ツールとして入れたのではなく、塗装プロセス、設備稼働、品質管理、技能伝承に結びつけた点である。現場データを蓄積すれば、膜厚や乾燥条件のばらつき、手戻り、設備停止の原因を分析しやすくなる。KPIとしては、手戻り工数、稼働率、品質クレーム、教育期間に効く。
成果・今後の展望定性的には、熟練者に依存していた工業塗装の運用を、データと設備によって標準化しやすくなった。J-Net21では、作業員の多能工化や産業廃棄物の大幅削減といった成果が紹介されている。定量面では、手戻り工数▲10〜25%、稼働率+5〜15pt、廃棄ロス▲10〜30%、教育期間▲10〜25%を目標例として設定できる。今後は、顧客別の品質データを営業資料化し、高品質・短納期案件の受注単価向上にもつなげられる。
補助金・助成金活用済。ものづくり補助金を活用し、塗装設備の高度化を実施。採択の論点は、多品種少量型の工業塗装において、IoT・設備高度化・技能データ化により品質安定、稼働率改善、廃棄削減を実現する道筋を示せる点。
リンク先https://j-net21.smrj.go.jp/special/productivity/180704.html

大阪の熱処理・塗装加工会社:電子帳票とRPAで現場負担を減らした例

項目内容
会社名・個人事業主名H社
切り口ITツール活用(業務効率化、自動化)、データ活用、補助金活用、標準化・マニュアル化、生産性向上、品質・安全・認証(HACCP/ISO等)
会社概要熱処理と塗装加工を行う製造業系の中小企業。金属加工や表面処理に近い領域で、製造現場の品質管理、点検、帳票作成、履歴管理が重要になる。塗装工事業そのものではないが、塗装加工現場のDX事例として、建築塗装・工業塗装・板金塗装の現場管理にも応用しやすい。
当初の課題・挑戦現場帳票が紙中心の場合、点検記録、加工履歴、品質記録、再入力作業に時間がかかる。塗装現場でも、施工写真、下地処理、塗布回数、検査結果、顧客報告書を紙やExcelで別々に管理すると、抜け漏れや転記ミスが起きやすい。H社も、現場で手袋を使う作業環境や高熱設備の近くで電子機器を使いにくい制約があり、単純にタブレットを配るだけでは定着しない課題があった。
取組み・成功のポイントIT導入補助金を活用し、使い勝手のよい現場帳票システムとRPAを導入した。生産性向上事例では、まず設備点検チェックから使い始めるなど、現場負担をかけすぎない導入ステップを組んだことが紹介されている。成功要因は、最初から全業務をデジタル化せず、現場が困っている点検・記録・再入力から始めた点である。塗装工事業でも、現場写真台帳、見積書、報告書、請求書を一気に変えるより、まず写真・点検・完了報告の標準化から始める方が定着しやすい。
成果・今後の展望定性的には、手書き帳票や再入力の負担が減り、データ分析や改善活動に時間を使いやすくなった。定量面では、事務工数▲20〜50%、記入ミス▲10〜30%、報告書作成時間▲20〜40%、品質確認の抜け漏れ▲10〜25%を目標例として設定できる。今後は、工程別の作業時間や不具合理由を分析し、原価管理や見積精度の改善につなげることで、粗利率+1〜3ptも狙える。
補助金・助成金活用済。IT導入補助金を活用し、現場帳票システムとRPAを導入。採択の論点は、手書き帳票・再入力・点検記録の非効率を、電子帳票と自動化により削減し、事務工数・品質管理・データ活用を改善する道筋を示せる点。
リンク先https://seisansei.smrj.go.jp/case/20220627.html

補足・参考情報

関連補助金

  • 小規模事業者持続化補助金
    外壁塗装店、地域密着型塗装会社、個人事業主の販路開拓に向く。LP制作、施工事例ページ、Google広告、チラシ、看板、商談ツールなどと相性がよい。
    https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/shinsei.html
  • ものづくり補助金
    塗装ブース、検査設備、乾燥設備、工業塗装の高度化、板金塗装の生産性向上、新サービス開発に向く。設備投資の目的を、品質・納期・単価・稼働率の改善に結びつける必要がある。
    https://portal.monodukuri-hojo.jp/
  • IT導入補助金
    見積、請求、顧客管理、現場写真台帳、工程管理、電子帳票、会計連携などに向く。塗装工事業では、現場と事務の二重入力削減、報告書作成時間の短縮が採択論点になりやすい。
    https://it-shien.smrj.go.jp/
  • 省力化投資補助金
    カタログ型または一般型の対象設備・システムに該当する場合、現場作業やバックオフィスの省力化投資で検討余地がある。塗装工事業では、現場管理、搬送、検査、事務処理の省力化と接続しやすい。
    https://shoryokuka.smrj.go.jp/
  • 東京都中小企業振興公社 助成金
    都内事業者の場合、新製品・新技術開発、設備投資、経営基盤強化、市場開拓などの助成金を検討できる。塗装関連では、遮熱塗料、特殊塗装、カラー提案システム、現場DXなどのテーマと相性がある。
    https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html

塗装工事業では、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、自治体の設備投資・販路開拓系補助金などが検討候補になります。特に、販路開拓、設備投資、現場DX、省力化、高付加価値化に結びつく取組は、補助金活用と相性があります。

DX参考サイト

  • ANDPAD
    施工管理、写真、図面、チャット、工程、原価管理などを一元化できる建設業向けクラウド。塗装工事業では、現場写真、協力業者連絡、完了報告、粗利管理に活用しやすい。
    https://andpad.jp/
  • 現場Plus
    工程表、写真、図面、掲示板、トーク、入退場管理などを備えた施工管理アプリ。小規模な塗装会社でも、現場ごとの情報共有や協力業者連絡の標準化に使いやすい。
    https://archi.fukuicompu.co.jp/products/genba/
  • カラーエクスプレス
    建物画像やインテリア画像をもとに、塗装後のカラーシミュレーションができる塗装業者・リフォーム業者向けアプリ。成約率や平均単価改善の提案ツールとして使える。
    https://www.i-locus.com/color/
  • i-Reporter
    紙帳票を電子化する現場帳票ツール。塗装工事業では、点検表、施工チェックリスト、完了報告書、品質記録、写真台帳の標準化に活用できる。
    https://cimtops-support.com/i-Reporter/ja/
  • DroneDeploy
    ドローン画像を使ったマッピング、3Dモデル作成、建設・点検分野でのデータ活用に使える。屋根・外壁点検、面積把握、施工前後記録の高度化に応用余地がある。
    https://www.dronedeploy.com/ja-jp/

支援機関

  • ミラサポplus
    中小企業向け補助金・支援策の入口として活用できる。塗装工事業でも、販路開拓、設備投資、IT導入の制度確認に向く。
    https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/
  • 中小機構 J-Net21
    中小企業の経営事例、補助金活用事例、生産性向上事例を確認できる。塗装業界のDX、IoT、女性活躍、設備投資の参考事例探しに使える。
    https://j-net21.smrj.go.jp/
  • 商工会・商工会議所
    小規模事業者持続化補助金では事業支援計画書の発行などで関わるため、地域の塗装会社は早めに相談しておきたい。
    https://www.jcci.or.jp/
  • 東京都中小企業振興公社
    都内の塗装工事業者が、設備投資、製品開発、市場開拓、経営改善の助成金を検討する際の支援機関。
    https://www.tokyo-kosha.or.jp/
  • よろず支援拠点
    販路開拓、価格設定、資金繰り、補助金申請前の事業計画整理などを無料相談できる。塗装工事業では、商圏設計、Web集客、単価改善の壁打ちに使いやすい。
    https://yorozu.smrj.go.jp/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次