小規模事業者持続化補助金|「効果が弱い」と言われるNG例7選と採択される数値化の公式

小規模事業者持続化補助金|「効果が弱い」と言われるNG例7選と採択される数値化の公式

目次

なぜ、あなたの「補助事業の効果」は弱く見えてしまうのか?

商工会で「効果が弱い」と言われる原因は、文章力や熱意の不足ではなく、審査員が点数を付けられる形になっていないことです。補助金は経費の穴埋めではなく投資なので、手段よりリターンを、因果と数字で示す必要があります。ここを押さえるだけで申請の見え方が変わります。たとえば「導入する」だけで終わらせず、何が何時間減り、売上や利益にどう波及するかまで書くのが合格ラインです。

審査員が見ているのは「作文」ではなく「投資のリターン」

審査員は、補助金で実施する補助事業が、今後の経営にどう効くかを見ます。極端に言えば「この計画書にお金を入れたら、売上や利益、継続性がどう改善するか」です。ふわっとした美辞麗句より、測れる指標が強いのです。

たとえば設備導入なら、性能ではなく結果を置きます。

  • 取得方法:現状の作業時間を日報で1週間計測
  • 計算式:削減時間1日30分×稼働日20日=月10時間
  • 結果:月10時間の工数削減、残業抑制や受注枠拡大に接続

多くの人が陥る「手段」と「効果」の混同

「ホームページを作成する」「チラシを配る」「機械を導入する」は行動です。効果は、その行動で何が変わるか。ここがごっちゃになると、申請書は急に弱く見えます。

目安として、効果欄には次の要素を入れると迷いません。

  • 対象:誰の何が変わるか
  • 指標:何で測るか
  • 変化量:どれだけ変えるか
  • 根拠:なぜ言えるか
  • 期限:いつまでに

【徹底添削】持続化補助金でよくある「効果」のNG例7選

ここでは持続化補助金の申請で頻出するNG例を7つに整理し、なぜ減点されるのか、どう直せば採点される文章になるのかをセットで示します。自分の計画書の記載と照合し、該当箇所をその場で書き換えられるように、逆引きで読めるように構成しています。読んでいる途中で「これ自分だ」と気づけるよう、感想文、道具自慢、願望だけなど名前を付けて説明します。

NG1「感想文タイプ」:お客様が笑顔になる、喜ばれる

反論として「顧客満足は大事では?」と思うでしょう。もちろん大事です。ただし効果欄では、満足が事業成果にどうつながるかまで書く必要があります。

直し方の例

  • NG:お客様が笑顔になる
  • OK:リピート率を現状20%から25%へ、3か月で改善する。根拠は会計データの来店回数集計と、常連向け施策の実施計画で示す

NG2「道具自慢タイプ」:最新の機械を導入する

スペックの羅列は読み手の心に刺さりません。設備の性能を、コストや時間の改善に翻訳します。ガチャンと導入して終わり、では弱いのです。

直し方の例

  • 取得方法:現状の外注費と内製工数を月次で整理
  • 計算式:外注費月5万円削減+内製工数月6時間削減
  • 結果:粗利改善と納期短縮、追加受注の余地を説明

NG3「願望だけの皮算用タイプ」:売上が倍増する予定

一般的見解として、根拠のない「倍増」は逆効果になりやすいです。盛るほど良い、ではありません。小規模事業者の申請では、達成可能な積み上げが信頼を生みます。

直し方の例

  • NG:売上が倍増する
  • OK:新規客を月10人増やす。客単価は5,000円、根拠は既存顧客の購入履歴とテスト広告の反応率で示す

NG4「売上だけドン置きタイプ」:途中の階段がない

売上は最終結果です。途中の階段がないと、読み手は置いてきぼりになります。さて、階段とは何か。来店、問い合わせ、見積、成約など、プロセスの指標です。

直し方の例

  • 取得方法:直近3か月の問い合わせ数と成約数を集計
  • 計算式:問い合わせ月40件×成約率20%=成約8件
  • 結果:サイト改善で問い合わせを月50件へ、成約率は同等で成約10件へ

NG5「取組説明9割タイプ」:効果が1行しかない

読む側は「で、結果は?」となります。取組の細部は必要最低限にし、効果を厚く書きます。効果欄は、実施内容の紹介欄ではありません。

直し方のコツ

  • 取組:2行
  • 効果:3行

この比率を意識すると、文章の重心が整います。

NG6「整合性が切れるタイプ」:急なDX、急な新規販路

反論として「新しい挑戦こそ補助金では?」もあります。それでも、強みや体制とつながらない挑戦は弱く見えます。実現可能性の説明がないからです。

直し方の例

  • 担当者、運用頻度、既存顧客の導線を明記
  • 既存実績や試験運用の結果を根拠に置く
  • できる理由を一言で添える

NG7「精神論タイプ」:頑張る、徹底する、強化する

精神論は測れません。測れないものは評価しにくい。これが現実です。対話風に言うなら「何を、どれだけ、いつまでに?」を置くことです。

直し方の例

  • NG:集客を強化する
  • OK:チラシ配布1,000部を月2回実施し、来店を月15件増やす。根拠は過去配布時の反応率1.5%と店舗の受入体制

こう考えれば書ける!効果を数値化する「4ステップ公式」

効果欄はセンスではなく型で書けます。Inputの導入、Processの変化、Outputの現場成果、Outcomeの経営利益を矢印でつなぐと、説得力が一気に上がります。数字は未来の予言ではありません。売上や工数を分解し、達成可能な要素を積み上げて作成します。計算は難しくなく、客数×客単価や工数×回数×単価のように、手元の数字を置くだけで十分でしょう。

公式:Input→Process→Output→Outcomeを矢印でつなぐ

  • Input:何を導入するか
  • Process:業務や販路がどう変わるか
  • Output:現場で起きる成果は何か
  • Outcome:経営にどう効くか

例:予約システム導入

  • Input:予約システムを導入
  • Process:電話対応が減る
  • Output:月20時間の接客時間が増える
  • Outcome:客単価500円改善、回転率向上で売上増

数字は「予言」ではなく「分解」で作る

売上をそのまま置くと弱くなりがちです。分解して、達成できそうな要素にします。

  • 取得方法:現状の客数と客単価をPOSや会計で確認
  • 計算式:売上=客数×客単価
  • 結果:客数を月30人増、客単価を200円増なら、月の売上は30×200+30人分の基本売上の上積み、と説明できる

数字が小さくても構いません。むしろ小さい方が信頼されやすい場面もあります。

【業種別】そのまま使えるKPI(成果指標)リスト

業種や店舗形態で、効果として書きやすい指標は変わります。飲食や小売は回転率や客単価、建設や製造は工数や外注費、サービス業は問い合わせ数や成約率が要点です。自社の課題と施策に近いKPIを選べば、計画書の項目の記載が具体化し、読み手の納得が増します。同じ施策でも、店舗なら来店と購買、BtoBなら見積と成約など、プロセス指標を置くと効果が急に現実的になります。

飲食・小売店舗で使いやすいKPI

  • 回転率:ピーク時間の回転数
  • 客単価:セット比率、追加注文率
  • ロス削減:廃棄率、欠品率
  • リピート:来店回数、会員継続率

例の置き方

  • 取得方法:レジの客数と売上、廃棄記録を1か月集計
  • 計算式:客単価=売上÷客数
  • 結果:客単価を5,000円から5,200円へ、3か月で改善

建設・製造・職人系で使いやすいKPI

  • 工数:作業時間、人工
  • 外注費:外注比率、内製化率
  • 工期:納期短縮、段取り時間
  • 品質:手戻り件数、クレーム件数

例の置き方

  • 取得方法:日報で工程別の作業時間を記録
  • 計算式:削減工数×発生回数×単価
  • 結果:月15時間削減、外注費月3万円削減

サービス業、教室、BtoBで使いやすいKPI

  • 問い合わせ数:フォーム、電話、SNS
  • 成約率:見積数に対する受注率
  • 継続率:解約率、LTV
  • 対応速度:返信時間、初回面談までの日数

例の置き方

  • 取得方法:問い合わせ管理表で月次集計
  • 計算式:成約=問い合わせ×成約率
  • 結果:問い合わせを月40件から50件へ、成約率20%で成約10件へ

説得力を生む「根拠」の材料集

効果の数字が弱く見える最大の理由は根拠不足です。過去実績や小さなテスト結果が最強で、次に予約台帳、作業日報、顧客の声などの一次情報が効きます。データが少ない場合は業界相場や媒体指標など一般データで補い、前提と取得方法を明記して信頼性を確保します。根拠は立派な資料でなくても構いません。日報のメモや予約の断り件数など、現場の記録が強い武器になります。

最強の根拠:自社の過去実績とテスト結果

  • 過去実績:繁忙期の売上推移、客数推移、広告の反応
  • テスト:少額広告のクリック率、試験販売の購入率

書き方の型

  • 取得方法:前年同月の売上と客数を会計から抽出
  • 計算式:前年差分=今年−前年
  • 結果:繁忙期に再現性がある、だから今回もこの範囲で見込む

次に強い根拠:顧客の声、予約台帳、作業日報

「データがない」と感じても、実のところ手元にあります。

  • 予約台帳:断った件数は機会損失の証拠
  • 作業日報:工数削減の根拠
  • 顧客の声:改善点と再来店理由の材料

一般データで補うときの注意点

一般データは補助輪です。引用っぽく並べるだけだと弱くなります。

  • 自社の前提:商圏、客層、単価帯、店舗規模
  • その前提での見込み:だからこの数字にする

この順で書くと、押し付け感が減ります。

提出前に最終確認!「効果を強くする」セルフチェックリスト15

提出前は指標、根拠、整合性の3点を短時間で見直すのが最も安全です。単位の抜け、人や円の桁違い、期限の欠落、課題と施策のズレは失点につながります。チェックリストで弱い効果を消し、経営計画と補助事業計画が一本線で読める状態に整えてから提出しましょう。特に「数字はあるのに根拠がない」「根拠はあるのに整合が切れる」が多いので、最後に必ず往復で確認します。

指標チェック

  • 指標が入っている
  • 単位が明確:円、人、件、時間
  • 期限がある:いつまでに

根拠チェック

  • 根拠の種類が書けている:実績、テスト、台帳、日報
  • 取得方法が言える:どこから集計したか
  • 無理がない:急に倍、急にゼロなどを避ける

整合性チェック

  • 課題と施策がつながる
  • 施策とKPIが直結する
  • 経営計画と補助事業計画の言葉が一致する

表現チェック

  • 手段の説明が長すぎない
  • 精神論が残っていない
  • 効果が1テーマに絞れている

どうしても書けない時の対処法

どうしても書けない時は、商工会や専門家へ丸投げする前に、質問の仕方を変えると前に進みます。「どの指標を入れると説得力が出ますか」「根拠資料として何が必要ですか」と具体に聞けば、改善点が一気に見えます。ホームページや見積、予約台帳など手元資料を持参すると話が早いです。相談は早いほど有利ですが、丸投げではなく、こちらから仮の効果案を1行でも持ち込むと精度が上がります。

商工会で「弱い」と言われた時の質問テンプレ

  • どの指標を入れると、効果が強く見えますか
  • 根拠として、何の資料があるとベストですか
  • 課題と施策のつながりで、弱い箇所はどこですか
  • 記載の順番は、どこを入れ替えると伝わりますか

専門家に頼む前にやる最短の一手

  • 自分の効果案を1行で書く
  • その1行に、指標と期限だけ追加する
  • 根拠を一つだけ添える

この3ステップだけで、相談の質が上がります。

まとめ:あなたの事業価値を「正しく」伝えよう

完璧な未来予測は不要です。小規模事業者でも、因果、数字、根拠がそろえば効果欄の説得力が増し、採択に近づきます。この翻訳スキルは今後の経営計画や他の補助事業にも使える財産です。怖くても一歩ずつ直せば大丈夫。今日のうちにNGを潰し、胸を張って提出しましょう。小さな改善でも、測り方と根拠があれば伝わります。あなたの事業価値を正しく届けるために、今ここで整えましょう。

  • まずはNG例7つに当てはまる箇所を探す
  • 次に4ステップ公式で矢印をつなぐ
  • 最後にチェックリストで指標、根拠、整合を確認

未来は変えられます。焦りを力にして、良い申請に仕上げましょう。

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