【不採択の共通点】良い事業計画でも落ちる理由|内容以前にある「4つの壁」と提出前チェック

【不採択の共通点】良い事業計画でも落ちる理由|内容以前にある「4つの壁」と提出前チェック

補助金の申請書が不採択になると、「事業が否定されたのか」と胸がざわつきます。ですが実のところ、落ちる理由の多くは内容の前にあります。形式不備、論理破綻、制度別トラップ、読み手配慮不足。この記事では、その4つの壁を具体的にほどき、提出直前でも救える不備と不足をゼロに近づけます。

目次

第1の壁【形式不備】門前払いされる「うっかりミス」の共通点

結論から言うと、形式不備は最も悔しい不採択です。審査以前に書類が揃わない、期限が切れている、閲覧できないだけで機械的に弾かれます。ここは努力でなく手順で防げます。まずは提出完了までを点検しましょう。

電子申請(jGrants)の「一時保存」と「ファイル名」の罠

よくあるのが、一時保存で止まり申請完了したつもりになるケースです。提出ボタン後の受付番号や送信完了画面まで確認します。次にファイル名。機種依存文字、長すぎる名称、パスワード付きPDFで審査側が開けないと不備扱いになり得ます。

添付書類の「3ヶ月ルール」と「整合性」

履歴事項全部証明書や印鑑証明書は発行から3か月以内を求められることがあります。さらに整合性も重要です。申請書の住所表記と添付の住所が表記ゆれしている、決算書が途中で抜けている。こうした小さなズレが不採択の理由になり得ます。

東京都・公社系特有の「納税・実態」への厳しさ

自治体系では、都税の未納がないこと、都内での実質的な事業活動の実態など、要件の証明が厳格な場合があります。たとえばシェアオフィスの契約形態や活動実態の説明不足で要件不適合になることも。公募要領の提出書類一覧は最優先で確認します。

第2の壁【論理破綻】「事業計画」になっていない作文の共通点

形式を通っても、計画が作文だと不採択になります。審査は熱意より、課題と施策の対応、実現可能性、数値の根拠を見ます。やりたいことの羅列ではなく、誰の何をどう改善し、生産性や売上にどう効くかを一本線で示します。

主語が「自社」のみのWants(願望)型計画

「この設備が欲しい」「このシステムを入れたい」だけだと、審査員は首をかしげます。補助金は投資です。自社の都合より、市場や顧客の課題に対し、どう価値を出すかが要点。自社の事情は背景として短く、効果の説明を具体的に厚くします。

課題と解決策の「ねじれ現象」

人手不足が課題と書きつつ、施策が集客ツール導入だけ、などが典型です。課題と施策が対応していないと論理破綻に見えます。複数人で分担して書いた時や、ベンダー資料を継ぎ接ぎした時に起きがちなので、最後に一人が全体を通読して整えます。

根拠なき「右肩上がり」の数値計画

数字は取得方法、計算式、結果の順で示すと強くなります。例として、客単価は過去の請求書から平均を算出、客数は既存顧客数と成約率から推定、売上は客単価×客数で算出。こうした根拠がないと、鉛筆なめなめの数字に見えて不採択の可能性が上がります。

第3の壁【制度別トラップ】補助金ごとの「地雷」を踏んでいる

同じ申請でも制度で落とし穴が違います。共通点を押さえたうえで、対象制度の公募要領に沿って要件と計画のズレを潰すのが近道です。特に経産省系は要件や加点、自治体系は実態証明が効きやすいです。

ものづくり・省力化補助金の「技術・計算」偏重

専門用語を並べすぎると、審査員が理解できず評価が伸びません。さらに省力化効果の計算を独自解釈すると、公募要領の定義とズレて要件未達になり得ます。計算の前提、算出式、結果を本文で明示し、第三者が追える形にします。

新事業進出系の「リソース不足」判定

壮大な計画でも、体制や資金、人員が伴わないと実現性が低いと判断されます。現状の自社リソース、外部協力、スケジュールを具体的に書き、段階計画に落とすのが有効です。背伸びより、実現できる道筋の提示が採択に近づきます。

IT導入補助金の「ベンダー丸投げ」による事故

ベンダー任せは便利ですが、要件設定や加点の取りこぼしが起きやすいです。たとえば労働生産性向上の目標設定のミス、必要書類の不足など。最終責任は申請者側なので、申請内容の記載と添付書類を自社で読める状態にしておきましょう。

第4の壁【読み手配慮】審査員は「疲れた人間」である

審査員は短時間で大量の申請書類を読み、採点します。読みやすさは美文ではなく、理解コストを下げる工夫です。結論が見えない長文、要点不明の文章はそれだけで不利。見出し、箇条書き、図表で伝達効率を上げます。

結論ファーストと「見出し・図解」の有無

各項目は最初の一文で結論を出し、その後に根拠と具体例を置きます。文章が詰まっていると読む気が削がれるため、段落を短くし、箇条書きで要点を整理。図表も有効です。たとえば現状と改善後の生産性の比較表は一目で伝わります。

審査項目(採点表)への「アンサー」になっているか

審査は自由作文ではなく、設問への回答です。革新性、実現性、波及効果など、評価軸に対して明確に答えているかを確認します。書きたいことではなく、問われていることに答える。これだけで記載のズレが減り、評価の可能性が上がります。

【対策】不採択を回避する「提出前3つのアクション」

不採択回避は気合ではなく手順です。提出前に、第三者チェック、加点の回収、チェックリストの機械的確認を行うと、内容以前のミスが激減します。時間がない時ほど、この3点を先にやると安全でしょう。

第三者(素人+玄人)によるダブルチェック

素人チェックは、意味が通じるかの確認です。業界外の社員でも理解できるかを見る。玄人チェックは、要件適合と不足の指摘です。両方を通すと、読み手配慮と制度要件の穴が同時に埋まります。ふっと肩の力が抜ける感覚が出ます。

公募要領の「加点項目」をすべて拾う

加点は合否を分けることがあります。取得方法は、公募要領の加点一覧をコピーし、要件、提出物、期限を列にして管理します。計算は単純で、該当する加点数を数えるだけ。結果として、取りこぼしが減り、採択ラインに届く可能性が上がります。

最終確認は「チェックリスト」で機械的に

最後は感覚ではなくチェックリストです。形式不備、要件、整合性、読み手配慮を順に確認します。疲れている時ほど人はミスします。チェックは機械的に、淡々と。カチッと揃った提出物は、審査側にも安心感を与えます。

まとめ:不採択の共通点は「能力」ではなく「準備と視点」

不採択の理由は、事業の価値ではなく準備不足に潜むことが多いです。4つの壁を越えれば、少なくとも内容で勝負する土俵に立てます。次はあなたの事業を、審査員に伝わる言葉へ翻訳して届けましょう。きっと前に進めます。

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