映像・動画制作業界の成功事例

映像・動画制作業界_成功事例レポート

作成日:2025-12-27 対象:映像・動画制作業界

目次

1. 冒頭概要

映像・動画制作は「人時(撮影・編集・進行)」が売上上限になりやすく、案件が増えるほど管理・調整コストが固定費化し、粗利が溶けやすい業態です。

固定費は人件費+編集環境(機材/ソフト)+拠点費。採用難の中で属人化が進むと、稼働率が下がり、納期遅延や品質事故が利益を直撃します。

競争は価格比較されやすく、差別化の軸は①成果に直結する“導線設計”(広告・EC・採用など)②工程の標準化/DXで回転を上げる③新サービス化(ライブ配信、生成AI、撮影自動化等)に移りつつあります。

支援制度(持続化・IT導入・ものづくり等)が効くのは、販路(リード獲得/単価)と省力化(工数/手戻り/稼働率)を“因果で示せる”投資領域です。

成功パターン総括:

  • ①案件IDで見積→工数→請求→回収をつなぎ粗利率を守る
  • ②制作工程を標準化/設備化して稼働率を上げる
  • ③導線(LP/広告/配信KPI)まで含めて提案し平均単価・LTVを押し上げる。

2. 成功事例(A〜H)

A事例:A社(SNS動画広告・運用型制作)((非公開/首都圏中心))

1. 会社名・個人事業主名A社
2. 切り口「データ活用」、「ITツール活用(業務効率化、自動化)」、「標準化・マニュアル化」、「生産性向上」、「OEM/ODM・B2B化」
3. 会社概要A社は、企業のSNS動画広告(企画〜撮影〜編集〜配信・分析)を一気通貫で支援する動画制作・運用型スタジオ。案件はBtoB中心で、代理店・ブランドからの短納期案件と、月次で改善を回す継続案件が混在する。制作工程は「人」の比率が高く、工数・外注費・キャスティング費が案件ごとに変動するため、粗利が設計どおりに残るかが経営の生命線になりやすい。 特徴は、企画提案と制作だけでなく、配信後の数値(再生維持率・クリック率・CV)を踏まえて次回案を出す“運用型”であること。そのため、制作の稼働だけでなく、管理・分析・外注連携まで含めたプロジェクト運用が増え、バックオフィスが弱いと成長にブレーキが掛かる。
4. 当初の課題・挑戦動画制作は受託比率が高く、売上は“制作枠(人時)”で上限が決まりやすい一方、固定費(人件費+編集環境)と外注費が膨らむと利益が消える。A社では案件管理をスプレッドシート中心で運用していたため、①案件別の原価(外注・稼働工数)の入力が担当者裁量に依存し赤字案件の検知が遅れる、②請求・支払の突合が手作業で請求漏れ/二重計上リスクがある、③プロデューサーが“制作と管理”を兼務し、稼働が増えるほど管理工数も増える—という構造課題を抱えていた。 特に広告案件は、制作費のほかに媒体費・キャスティング費・スタジオ費など立替が生じ、回収(入金)までのサイトが長いと資金繰りリスクも増える。また、動画は修正が発生しやすく、仕様が曖昧なまま走ると“追加工数=利益の溶け”になる。A社は売上成長に比べて管理基盤の整備が遅れ、利益・品質・コンプライアンス(改ざん/漏れ)を同時に守る仕組みが必要になっていた。 もう一つの盲点は“見積と実績の乖離”で、広告運用では撮影後に追加パターン制作や縦横比違いなどの追加作業が発生しやすい。見積段階で単価・工数の前提が揃っていないと、追加分を請求できず、平均単価が下がる。また外部委託が増えるほど検収・支払確認が増え、制作以外の事務が膨らむため、成長のたびに採用が必要になる構造だった。
5. 取組み・成功のポイント効いた施策は「案件単位で、見積→工数→外注→請求→入金を“同一ID”でつなげて、数字の改ざん余地と確認作業を消す」こと。具体的には、①工数管理を案件WBSに合わせて標準化(撮影/編集/修正/納品/レポート)し、入力粒度を統一、②販売・請求プロセスをクラウド化して承認フローを固定化、③会計と連動させて“予算超過アラート”を設計、④外部クリエイター管理(発注〜検収〜支払)を台帳化して、制作プロデューサーの事務負担を分離した。運用面では、週次で「赤字予兆(工数超過/外注超過)」を見える化し、早期に仕様調整・追加見積を打つルールに落とし込んだ。 ここで重要なのは、ツール導入だけでなく、(a)原価の編集権限を制御し、(b)承認ログを残し、(c)案件の粒度を揃えることで、数字の一貫性を担保した点。さらに、制作現場に負担をかけないよう“入力は最小・可視化は最大”を設計思想にし、プロデューサーが見るべきKPI(工数超過・外注超過・請求未発行・入金遅延)をダッシュボード化した。 併せて、見積作成時点で“含まれる作業範囲”をテンプレ化し、追加依頼はオプションメニューとして再見積する運用に変更。これにより、受注率を落とさずに平均単価を守る(または上げる)ことが可能になる。最後に、入金管理を案件単位で追えるようにして、回収遅延の早期アラート→督促テンプレ→次回取引条件(前受け/分割)まで、回収KPIを運用に組み込んだ。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:案件別の原価と進捗が同じ画面で追えるようになり、“売上は伸びているのに利益が残らない”状態の原因が特定しやすくなった。定量:導入事例では、請求書チェックにかかる時間がゼロになった旨が示されている。目標例:赤字案件比率▲20〜40%、粗利率+1〜3pt、事務工数(分/件)▲20〜50%。 定性面では、プロデューサーが“制作の感覚”ではなく“数字”で追加提案や仕様調整を判断でき、受注後の炎上を抑制できる。目標例としては、平均単価+10〜20%(運用込みパッケージ化)、継続(更新)率+5〜10pt(運用レポートによる改善提案)が現実的な射程になる。 さらに、案件別に“勝ちパターン(利益が残る条件)”が蓄積されるため、営業段階で断る案件/伸ばす案件の判断が速くなる。結果として、稼働率(回転)を上げながら粗利を守る運用に移行できる。
7. 補助金・助成金の活用未活用
8. リンク先(出典)https://www.freee.co.jp/cases/onemedia/(導入事例:freee)
https://www.onemedia.jp/(企業公式) ※導入事例内リンク

B事例:B社(ライブ配信・ウェビナー運用)((首都圏想定))

1. 会社名・個人事業主名B社
2. 切り口「新商品・新サービス」、「ITツール活用(業務効率化、自動化)」、「生産性向上」、「標準化・マニュアル化」
3. 会社概要B社は少人数で、映像制作・配信(YouTube広告など)に加え、ライブ配信やZoomウェビナーの撮影〜音声〜配信オペレーションまで現場対応する受託型スタジオ。案件は単発が多いが、イベント主催者や企業の定期配信が乗ると継続(LTV)化しやすい。一方で機材投資(カメラ/スイッチャー/音声/照明)と現場稼働の比率が高く、経理・購買・請求を一人で回す体制だと、“バックオフィスがボトルネック”になりやすい。 仕事の性質上、現場の移動・設営・撤収が多く、1案件あたりの“拘束時間”が長い。そのため、同じ売上でも移動や準備が増えると稼働率が落ち、利益が残らない。小規模事業者ほど、制作の腕はあっても事務処理が後回しになりやすく、請求・回収の遅れが資金ショートの引き金になる。
4. 当初の課題・挑戦ライブ配信は当日トラブルが許されず、準備・機材調達・予備機確保などの段取りが増える。にもかかわらず、売上は現場稼働の枠で決まり、事務負担が増えるほど可処分時間が減り、機会損失につながる。B社では、①消耗品〜機材までEC購入が多く、領収書回収・仕訳が分散しやすい、②少人数ゆえ入金管理・請求書発行が遅れると資金繰りに直撃する、③外部パートナー(カメラ/音声/配信)への支払管理が煩雑—という“回収サイトと事務工数”の課題が顕在化していた。 また、ライブ配信は機材が高額で、故障・追加購入の判断が多い。数字がタイムリーに見えないと、投資の回収見込み(稼働率×単価)が読めず、値付けが“なんとなく”になり、単価が下がる。さらに、外部パートナーへの支払が遅れると、繁忙期に手配できず品質が落ちる—という“人材調達”の課題にも波及する。 現場では、見積作成が遅れると機材手配が後ろ倒しになり、直前の追加購入やレンタルで原価が跳ねる。また、請求・入金の遅れは、次の機材投資や外注支払に直結し、機材のアップデートが止まると品質が落ちて受注率が下がる。つまり、バックオフィスの遅れが、品質(クレーム)と新規獲得(リード)に波及する構造だった。
5. 取組み・成功のポイント施策は「購買→明細→証憑→会計を自動連携し、現場稼働を増やしても事務が増えない状態」を作った点。①事業用カード決済を徹底し、ECアカウントにも登録して明細を自動取り込み、②スマホで領収書を即時アップ→経費計上を当日化、③見積・請求のテンプレを固定し、配信パッケージ(機材一式+現場オペ+アーカイブ編集)を“商品化”して作業を標準化した。運用では、月次の損益確認を早め、機材投資の回収見込み(稼働率×単価)を案件別に見える化して、値付けの根拠を作った。 ポイントは、経理自動化を“節税”ではなく“稼働率を上げるための時間創出”として位置づけたこと。現場の合間でもスマホで処理できる運用にし、証憑を溜めない。加えて、配信パッケージのメニュー化で見積作成を短時間化し、料金表を持つことで値引き交渉を減らし、平均単価を守る設計にした。 もう一段踏み込んで、案件の“標準見積”を3段階(ライト/スタンダード/プレミアム)に分け、現場オペ人数・機材構成・納品物(アーカイブ編集・字幕)を明確化した。これにより、見積の作成時間を短縮しつつ、上位プランへのアップセル(平均単価向上)を狙える。入金面では、請求書発行と同時に入金予定日を登録し、遅れが出たら自動でリマインドが飛ぶ運用(督促)を用意して回収サイトを短縮する。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:経費明細の自動連携により、日々の入力作業が減り、制作・配信の準備に集中しやすくなった。定量:導入事例では、カード決済額が月平均20〜30万円という運用実態が示されている。目標例:事務工数(分/件)▲20〜50%、回収遅延件数▲30〜50%、稼働率+5〜15pt。 定性:事務が軽くなるほど、現場準備・トラブル対応・次回提案に時間を回せるため、品質(クレーム/手戻り)と継続受注が伸びやすい。目標例:移動/巡回時間▲20〜40%(配信拠点固定化・段取り標準化)、平均単価+10〜20%(パッケージ化)、継続月数+1〜3か月(定期配信の運用契約)。 こうした整備は、制作会社の“守り”に見えるが、実際は攻めのKPI(受注量)を増やすための土台。目標例として、見積作成時間▲30〜60%、請求漏れ0件化、稼働率+5〜15ptが現実的。高額機材を必要なタイミングで購入できるようになると、画質・音質の向上が差別化となり、受注率+5〜10ptにも効く。
7. 補助金・助成金の活用未活用
8. リンク先(出典)https://www.freee.co.jp/cases/nakayoshi-shoukai/(導入事例:freee)

C事例:C社(中堅映像制作・多案件並行)(東京都)

1. 会社名・個人事業主名C社
2. 切り口「ITツール活用(業務効率化、自動化)」、「標準化・マニュアル化」、「生産性向上」、「補助金活用」、「情報セキュリティ・プライバシー」
3. 会社概要C社は中堅規模の映像制作会社で、撮影・編集・MA・納品までを複数チームで並行運用する。プロジェクト型のため、案件ごとに外部スタッフやクライアントとの共有が発生し、ファイル容量も大きい。この業態は、①情報共有の遅れ=手戻り、②検索できない=探す時間の増加、③ツール乱立=教育コスト増、がそのまま固定費化しやすい。 例えば、クライアント確認用の映像ファイルは容量が大きく、受け渡し手段がバラつくと、アップロード待ち・誤送信・版違いが頻発する。また、現場はフリーランスや協力会社との連携が前提で、セキュアな外部共有を“最小手数で回す”必要がある。こうした連携コストを下げないと、案件数が増えても管理負荷が先に限界に達し、売上上限を押し下げてしまう。
4. 当初の課題・挑戦映像制作は“納期が最優先”になりやすく、現場が各自使いやすいツールを選ぶと、組織としては統制が効かない状態になりやすい。C社でも、メール/チャット/ファイル共有/予定管理が社員ごとにバラつき、①案件の最新資料がどこにあるか分からない、②確認連絡が重複し会議が増える、③外部共有の権限管理が属人的で情報漏えいリスクがある、という“分散コスト”が累積していた。さらに、リモート・分散制作が増えると、移動時間は減る一方で、オンラインでの連携コストが増え、稼働率が下がる—という逆転現象が起こり得る。 映像制作では、手戻りの多くが『認識のズレ』と『資料の最新版が共有されていない』ことから起きる。ツールが統一されていないと、(a)誰に聞けばよいか分からない、(b)決定事項が残らない、(c)権限が不明で共有が止まる、という“摩擦”が増える。その結果、進捗確認の会議が増え、現場の稼働(編集・撮影)を削ってしまう。さらに情報管理が甘いと、機密素材の漏えい・誤送信が発生し、信用毀損コストが非常に大きい。 特に編集データは版管理が重要で、古い素材を使ってしまうと手戻りが発生し、修正回数が増えて納期リスクが高まる。また、クライアント側の担当が複数いると、誰が最終承認者か分からず、承認待ちで止まることも多い。この“承認・確認の停滞”は、制作会社の稼働率を下げる最大要因の一つだった。
5. 取組み・成功のポイント施策は、業務基盤をMicrosoft 365に統一し「連絡・資料・進捗の置き場を一本化」したこと。①Teamsを案件チームの基本チャネルにして、議事録・決定事項をスレッドに残す、②SharePoint/OneDriveで素材・台本・絵コンテ・納品データの版管理を標準化、③アクセス権限を“案件単位”で設計し、外部共有は期限付きリンク+閲覧権限に統一、④教育(操作手順・命名規則・格納ルール)を整備し属人運用をなくした。運用では、制作フローの節目(企画確定/初稿/最終)で必ず格納場所を更新するチェックリストを回し、手戻りの原因を“情報の欠落”から断つ設計にした。 施策の肝は、統一しただけでなく『運用ルールを先に決めてから展開した』点。たとえば、案件フォルダ構成(01_企画/02_台本/03_素材/04_編集/05_納品)や命名規則(案件ID_日付_版)を固定し、“迷わず格納できる”状態を作った。また、Teamsの会議録・決定事項テンプレを定め、レビュー依頼→確認→修正→承認のフローをスレッドで追えるようにした。これにより、進捗確認のための会議を減らし、会議は意思決定に限定できる。 さらに、外部共有の運用(ゲスト招待・リンク共有)を“例外なく同じ手順”に統一し、制作現場が都度悩まない状態を作った。セキュリティ面では、多要素認証・端末管理なども含めて“外部との共有が増えるほど安全になる”設計に寄せ、クライアントの審査・要件(情報管理)にも対応できるようにした。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:情報共有の起点が一本化され、確認のための往復連絡や“探す時間”が減りやすい。セキュアな共有設計で外部連携の不安も下がる。目標例:会議時間▲10〜30%、資料探索時間▲20〜40%、手戻り工数▲10〜25%、稼働率+5〜15pt。(出典ページは定量数値を限定的に掲載しているため、KPIは目標例として提示) 定性:資料とコミュニケーションが一体化すると、担当交代や外部連携でも情報が途切れにくく、品質(手戻り・クレーム)に効く。目標例:制作リードタイム▲10〜25%、レビュー回数▲10〜20%、入金遅延の原因(請求漏れ等)▲10〜30%。加えて、ツール統一は採用・育成の観点でも効き、新人立上げ期間▲10〜20%を狙える。
7. 補助金・助成金の活用活用済:IT導入補助金

使途(具体):Microsoft 365(Teams/SharePoint/OneDrive等)の導入費・初期設定・移行支援(要件整理、権限設計、教育)

採択の論点:分散していた業務基盤を統一し、コミュニケーション/資料管理の工数削減→生産性KPI改善を示せる点が採択論点。
8. リンク先(出典)https://www.kacoms.co.jp/case/tvc/(導入事例:IT導入補助金×Microsoft 365)

D事例:D社(商品撮影の標準化・設備化)(東京都)

1. 会社名・個人事業主名D社
2. 切り口「新商品・新サービス」、「ITツール活用(業務効率化、自動化)」、「標準化・マニュアル化」、「生産性向上」、「補助金活用」、「品質・安全・認証(HACCP/ISO等)」
3. 会社概要D社は、商品撮影・広告用動画など“定型ショット”が多い領域を主戦場にする映像制作会社。クライアントはEC/D2C/メーカーなどBtoB寄りで、同一フォーマットの撮影を大量に回すほど収益性が上がる。しかし現場は熟練カメラマンの手作業比率が高く、採用難・人件費上昇の中で、撮影品質の再現性と回転(稼働率)を同時に上げる必要があった。 典型案件は、EC用の360度ビュー、商品特徴を15〜30秒で伝えるショート動画、カラバリ展開など。需要は増えるが、単価は下がりやすく、量を回して利益を出すには“撮影の回転”が鍵になる。しかし人材採用が難しく、熟練者依存のままでは売上上限が低い。そこでD社は、設備投資で撮影工程を半自動化し、同品質を繰り返し生産できる体制に挑んだ。
4. 当初の課題・挑戦業界構造として、撮影は“人の腕”に依存しやすく、単価を上げるほどスケジュール制約が強くなる。D社では、①同じ商品でも担当者によって画角・動きが微妙に違い、クライアントの修正要望が発生(手戻り工数↑)、②繁忙期は外部スタッフ手配が必要で外注費が膨らむ(粗利↓)、③少人数で回すため、撮影の準備・セッティングがボトルネックになり稼働率が頭打ち—という課題があった。さらに、ECのショート動画需要が拡大する一方、競合も増えて価格競争に陥りやすく、“品質の均一性”を武器に差別化しないと単価が守れない状況だった。 さらに、クライアント側の社内承認が遅いと、撮影日がズレてスタジオ稼働が空くなど、稼働率が不安定になる。準備〜撮影〜編集が連鎖しているため、前工程が遅れると後工程も待ちになり、固定費が無駄に発生する。また、撮影の“再現性”が低いと、追加撮影や差し替え時に同じ画が撮れず、クレームや再編集が発生し品質コストが増える。 さらに映像の市場は“ショート化”が進み、同じ商品でも複数媒体(TikTok/YouTube/EC)向けに縦横サイズや尺違いが求められる。撮影素材が揃っていないと編集で対応できず追加撮影になり、移動・設営コストが跳ねる。撮影段階で必要素材を取り切る設計ができていないと、品質コストが増え、納期遅延で信用を失う。
5. 取組み・成功のポイント解は「撮影工程を、ロボットアーム+プリセット(定型動作)で“再現可能な工程”に変える」こと。①小型ロボットアームを撮影ブースに固定し、回転・ズーム・移動を数値で制御、②商品カテゴリ別に“ショットライブラリ(速度・角度・照明)”を作り、③撮影前にクライアントとプリセットを合意→現場は再生するだけにする、④撮影データは命名規則と自動アップロードで編集工程へ渡す。運用面では、1案件ごとに“撮影条件カード”を残し、次回の追加撮影を同条件で再現できるようにして継続受注(LTV)を取りにいく。安全面(可動部の挟み込み等)は安全柵・停止設計・作業手順を整備し、品質・安全の管理項目として標準化した。 実務上は、プリセットを増やすほど運用が複雑になるため、『最頻出ショットから先に標準化→段階的に拡張』が重要。D社は、まず売上上位カテゴリのショットを10〜20パターンに絞り、照明・背景・カメラ設定・ロボット動作をセットで管理した。加えて、撮影後の編集工程に渡す際に“必要素材が揃っているか”を自動チェックする運用(チェックリスト+格納ルール)を入れ、編集側の待ち時間を減らした。 また、営業面では『ロボット撮影=安い』に見えないよう、品質規格(同一条件での再現、色・照度の基準)を提示し、ブランド側のガイドライン遵守を価値として訴求した。これにより、単なる省力化ではなく“品質保証付きの撮影サービス”として単価を守る戦略にした。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:撮影品質が“個人の勘”から“再現可能な工程”へ移り、修正対応の発生源(画角ブレ等)を潰しやすい。目標例:撮影準備〜撮影時間▲20〜40%、手戻り工数▲10〜25%、稼働率+5〜15pt、平均単価+10〜20%。量産案件では、同一フォーマットの追加撮影を短納期で回せるため、継続(更新)率+5〜10ptも狙える。 定性:標準化が進むほど、外注に頼らず社内で回せるため粗利が安定し、繁忙期も品質を維持しやすい。目標例:外注比率▲10〜30%、粗利率+1〜3pt、撮影枠あたり処理件数+10〜30%。継続案件では、撮影条件カードの蓄積が資産となり、追加発注の受注率+5〜15ptも期待できる。 量産案件での安定運用ができると、撮影枠のスケジューリングが読みやすくなり、繁忙期の機会損失が減る。結果として、受注量(処理件数)を増やしながら、品質(クレーム)と粗利を同時に改善できる。
7. 補助金・助成金の活用活用済:ものづくり補助金(要確認:第18次採択一覧より)

使途(具体):撮影用小型ロボットアーム、制御ソフト開発、スタジオ治具・安全柵、撮影プリセット作成・検証費

採択の論点:人手依存の撮影工程を設備×ソフトで標準化し、工数削減と品質均一化→単価/稼働率の改善ストーリーを描ける点。
8. リンク先(出典)https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/18th/saitaku18ji_20240626.pdf(採択一覧PDF) ※P5付近「映像制作DX-撮影用小型ロボットアーム…」の行

E事例:E社(生成AI×3DCGで制作工数を圧縮)(東京都)

1. 会社名・個人事業主名E社
2. 切り口「AI活用」、「新商品・新サービス」、「データ活用」、「標準化・マニュアル化」、「生産性向上」、「補助金活用」
3. 会社概要E社は、広告・ゲーム・メタバース等向けに3DCG/映像素材を制作するデジタルプロダクション。この領域は人材が希少で採用難が続き、工程も細分化されるため、固定費(人件費)と外注費が膨らみやすい。一方でクライアントは“短納期・低コスト”を求め、見積比較で価格競争になりやすい。したがって、品質を落とさずに制作工数(人時)を下げ、受注できる幅(対応量)を広げることが売上上限を押し上げる鍵になる。 また、制作物の用途が多様化(SNS短尺、ゲーム内素材、XR/AR用)しており、案件が細切れになるほど制作進行の摩擦が増える。単発受託の積み上げだけでは売上上限が低いため、E社は“ツール(ソフト)として提供する”方向も視野に入れ、自社の生産性向上と新規収益源(ライセンス/保守)を同時に狙う設計を取った。
4. 当初の課題・挑戦3DCG制作は、モデリング・テクスチャ・リギング・ライティングなど工程が多く、手戻りも起きやすい。E社では、①案件ごとにアセット(素材)を作り直しており再利用が効かない、②修正指示が曖昧だと“やり直し”が発生し、納期遅延→受注機会損失につながる、③熟練者の稼働が逼迫すると外注に頼り粗利が下がる—という典型課題があった。さらに、生成AIの普及でクライアント側の期待値が上がり、提案段階で“試作(プロトタイプ)”を求められることが増え、試作に時間がかかる会社ほど受注率が落ちる構造になっていた。 さらに、生成AI活用は『品質の揺れ』『権利面の不安』があるため、単に使うだけでは商用案件に耐えない。現場でルールが無いと、担当者ごとにプロンプトがバラバラになり再現性が下がる。また、社内外のチェック(クライアント承認)で“やり直し”が増えると、結局工数削減にならない。E社は、AIで短縮できる領域と、人が担保すべき領域を切り分け、品質保証のプロセスを先に設計する必要があった。 また、AI活用が進むとクライアント側から『このテイストで10案出して』のように要求水準が上がり、提案量が増えるほど工数が膨らむ“提案地獄”になりやすい。提案工程を短縮できないと、新規獲得が伸びるほど現場が疲弊し、採用難の中で成長が止まる。
5. 取組み・成功のポイント施策は「画像生成AIを制作工程の前半(試作・素材生成)に組み込み、3DCG工程の“置き換え可能部分”を明確化してソフト化した」点。①スタイルガイド(質感・色・トーン)を定義し、AI出力の品質基準を先に固定、②社内の過去アセットを整理して学習/参照用のデータセットを整備、③AI→人のチェック→3DCG最終仕上げというHuman-in-the-loopにして、クレーム要因(著作権・不自然さ)を潰す、④見積は“AI工程で短縮できる時間”を明示し、短納期対応を商品化して単価を守る。運用面では、生成物のメタ情報(プロンプト・版・使用可否)を台帳化し、再利用率を上げて“作り捨て”から脱却した。 提案時は、AI工程で削減できる工数(例:テクスチャ案出し、背景素材生成、バリエーション生成)を明示し、短納期案件の価格を守る(値引きの代わりに納期短縮を提供)形にした。加えて、プロンプト・参照画像・採用/不採用理由を残してナレッジ化し、新人でも一定品質の試作を出せるようにして採用難を補う。最終的に、成果物だけでなくプロセス(ログ)を残すことで、クライアント説明と品質保証が容易になり、クレームリスクを下げた。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:試作の立ち上がりが速くなり、提案段階での比較優位(スピード)を作りやすい。熟練者は“最後の品質保証”に集中でき、外注依存を減らしやすい。目標例:制作工数(人時)▲20〜50%、納期短縮▲20〜40%、受注率+5〜15pt、粗利率+1〜3pt。AI利用は品質ばらつきが出やすいため、台帳化と基準化を同時にやることがKPI改善の前提になる。 定性:試作が速い会社は提案回数を増やせるため、新規獲得(リード→受注)に直接効く。目標例:提案用プロトタイプ作成時間▲30〜60%、提案数+10〜30%、受注率+5〜15pt。また、将来的にソフト提供(サブスク)に展開できれば、継続収益(LTV)が積み上がり、売上の季節変動を抑えられる。
7. 補助金・助成金の活用活用済:ものづくり補助金(要確認:第15次採択一覧より)

使途(具体):画像生成AIを用いた3DCG制作工程置換ソフトの開発費、データ整備、検証環境(GPU等)

採択の論点:制作工数の大幅削減(人時削減)と、納期短縮→受注率/粗利改善の因果を明確にできる点。
8. リンク先(出典)https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/15th/saitaku15ji.pdf(採択一覧PDF) ※P15付近「画像生成AIによる3DCG制作工程…」の行

F事例:F社(社会課題×映像で差別化・販路開拓)(東京都)

1. 会社名・個人事業主名F社
2. 切り口「新商品・新サービス」、「広告宣伝(デジタル)」、「PR・広報/メディア露出」、「補助金活用」、「OEM/ODM・B2B化」
3. 会社概要F社は、NPO・自治体・社会課題領域の企業などに向けて、啓発動画・採用/寄付募集動画・事業説明動画を制作する小規模プロダクション。映像は“成果が見えにくい”と言われやすく、比較対象が増えると価格競争に陥る。そのため、F社のように社会課題テーマで差別化する場合でも、価値を言語化し、指標(問い合わせ数、寄付・応募のCV)まで含めて提案できないと、単価が上がらず売上上限が早期に来る。 受託の性質上、案件ごとにテーマ理解と関係者調整が必要で、制作に入る前の“企画設計”に時間が掛かる。ここを有償化(企画費)できないと、受注前の工数が膨らみ利益が削られる。したがって、営業段階で『何を作れば、どのKPIが動くのか』を示し、比較軸を“価格”から“成果”へずらすことが重要となる。
4. 当初の課題・挑戦社会課題領域は、意思決定者が分散(理事・担当者・行政)し、合意形成に時間がかかるため、制作側の営業工数が増えがち。また、予算規模が読みづらく、入金サイトも長くなりやすい。F社では、①紹介中心で新規リードが安定しない、②“何が強みか”がサイト上で伝わらず、相見積に巻き込まれる、③制作後の効果測定(再生→問い合わせ→応募)まで設計できず、成果が示せないため継続(LTV)化しにくい、という課題があった。結果として、営業の波が大きく、稼働率が安定しない=固定費回収が難しい、という構造問題に直結していた。 加えて、社会課題領域はターゲットがニッチで、広告で一気に獲得しづらい。PR(メディア露出)やコミュニティ連携が効く一方、短期で成果が出にくく、制作会社側も提案の型が無いと疲弊する。また、補助金・委託事業では書類(仕様書・実績報告)が多く、事務工数が増える。F社は、販路開拓と同時に、提案〜制作〜報告の標準化を進めないと、売上が増えても回らない状態だった。 さらに、社会課題のテーマは炎上リスクもあるため、表現チェック(コンプラ・権利・当事者配慮)の工程が増える。ここを後工程でやると修正が大きくなり、手戻り工数が跳ねる。最初に企画設計とチェック観点を入れ、工程を前倒しで潰す必要があった。
5. 取組み・成功のポイント持続化補助金の“販路開拓”目的に合わせ、営業の入口を作り直した。①社会課題別に『目的→ターゲット→KPI(寄付/応募/説明会申込)』を整理したLPを用意し、制作メニューをパッケージ化(企画設計+撮影+編集+運用レポート)して比較軸を主導、②過去案件を『課題→施策→成果』の形式で事例化し、ショーリール動画と合わせて“何ができるか”を一目で伝える、③SNS/動画広告でリード獲得し、問い合わせ後はヒアリングシートで目的/KPIを先に合意して、ブレによる手戻りを削減、④納品後は視聴データと導線(LP/フォーム)を簡易分析し、次回改善提案を出して継続契約へつなげた。 実装としては、LPに“成果の考え方”を載せた点が効く。例:寄付募集なら『視聴→LPクリック→寄付完了』、採用なら『視聴→応募フォーム→面談』など、動画単体ではなく導線全体を設計することを明示し、単価の根拠にした。さらに、問い合わせ獲得後は、初回ヒアリングで目的・KPI・期間・運用体制をテンプレ化して確認し、“後出し仕様”を抑え、修正回数をコントロールする。納品後のレポートもフォーマット化し、次回提案の土台を作ることでLTV化を狙った。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:紹介依存から脱し、問い合わせ導線が“自走”しやすくなる。目的とKPIを先に合意することで、修正回数の抑制と単価防衛に効く。目標例:新規リード+20〜50%、受注率+5〜15pt、平均単価+10〜20%、回収遅延件数▲10〜30%。社会課題領域は継続(LTV)化の余地が大きく、運用レポートを付けることで継続月数+1〜3か月を狙える。 定性:成果の指標が明確になるほど、クライアント側の社内説明が通りやすく、受注率が上がる。目標例:修正回数▲10〜20%、制作リードタイム▲10〜25%、継続月数+1〜3か月。また、社会課題領域は紹介が起きやすいため、事例が蓄積すると紹介比率+10〜20%も狙える。
7. 補助金・助成金の活用活用済:小規模事業者持続化補助金<一般型>(第10回・商工会地区 採択一覧より)

使途(具体):LP/ポートフォリオサイト制作、事例動画(ショーリール)制作、SNS広告(Meta/YouTube)+問い合わせ導線整備、展示会出展(例:コンテンツ系)

採択の論点:“社会課題×映像”という新サービスの需要を仮説→LP・事例・広告でリードを取り、受注率/単価の改善に結びつける道筋を示す点。
8. リンク先(出典)https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r1h/doc/saitaku/10/%E4%BB%A4%E5%92%8C%E5%85%83%E5%B9%B4%E8%A3%9C%E6%AD%A3%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%9E%8B%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E8%80%85%E4%B8%80%E8%A6%A710.pdf(採択一覧PDF) ※P12 L735付近「東京都…社会課題をダイレクトに解決する映像制作事業」

G事例:G社(地域連携×ライブコマース)(神奈川県)

1. 会社名・個人事業主名G社
2. 切り口「新商品・新サービス」、「事業連携」、「広告宣伝(デジタル)」、「ITツール活用(集客、広告宣伝)」、「補助金活用」、「生産性向上」
3. 会社概要G社は、ライブ配信を用いた販売促進(ライブコマース)を企画・制作・運用する映像制作事業者。自治体や地場産業(観光・特産品・伝統工芸など)と、配信者(ライバー)・EC事業者をつなぎ、“配信で売る”までを一括で設計する点が特徴で、地域連携色が強い。単発の配信代行に留まると価格競争になるため、購買までの導線設計と運用改善で継続(LTV)を作る必要がある。 収益モデルは、(1)配信制作費(企画・撮影・運用)+(2)成果連動(売上シェア)+(3)継続運用(毎月レポート)を組み合わせる形が取りやすい。単発の撮影代行だけだと差別化が難しいため、G社は“売れる仕組み”まで含めて提供し、平均単価と継続率を上げる戦略を取った。
4. 当初の課題・挑戦ライブコマースは、集客(視聴者数)が取れないと成果が出ない一方、広告費や配信者手配など先行コストが発生する。また、自治体案件は意思決定が遅く、企画〜実行までのリードタイムが長い。G社では、①配信品質(映像・音声)が案件ごとにブレるとクレームや離脱率が上がる、②配信後に“売上に効いた要因”が分析できず改善が回らない、③地域側(生産者)にEC運用ノウハウがなく、在庫・発送の詰まりで機会損失が起きる—という課題があった。結果として、単発で終わりやすく、紹介が繋がっても収益が積み上がりにくい構造になっていた。 さらに、地域側は商品力があっても、配信に慣れておらず、当日の説明が弱いと購入率が下がる。配信者任せにするとブランド毀損リスクもある。また、成果を示せないと翌年度予算が付かず、自治体案件が継続しない。G社は、品質の標準化だけでなく、成果指標を自治体のKPI(地域産品売上、来訪意向、事業者参加数など)に翻訳して示す必要があった。 ライブ配信は、当日のオペレーションが属人化すると再現できず、地域を横展開できない。特に自治体案件は年度ごとに担当が替わるため、資料・運用手順が残っていないと継続が途切れる。G社は、地域側の“担当者交代”に耐える標準化が必須だった。
5. 取組み・成功のポイント持続化補助金を活用し、成果が再現できる“型”を作った。①配信機材を自社標準セット化して、最低品質(音声/照明/回線)を担保、②自治体・地場産業向けに『目的→KPI(視聴/クリック/購入)→運用設計』の提案テンプレを用意し、③配信前に商品ページ(LP/購入導線)と在庫・発送体制をチェックして“売れる条件”を先に整える、④配信後は視聴維持率・クリック率・購入率をレポート化し、次回は“構成/オファー/配信者選定”をABで改善する。運用面では、地域側の担当者向けに簡易マニュアル(撮影素材提供、当日のコメント例、発送締め)を整備し、連携コストを下げた。 実務では、配信の脚本(台本)と商品説明の要点を事前に作り込み、当日のコメント例、FAQ、クーポン設計など“売るための運用パーツ”をセット化した。また、配信者の選定を“フォロワー数”ではなく“視聴者属性と購買力”で評価し、少人数でも購入率が高い配信者を組み合わせてROIを改善した。運用データはダッシュボード化し、次回は構成要素(尺、導線、オファー)を1つずつ変えて改善し、再現性を高めた。 さらに、地域事業者向けに“配信用の商品シート”(特徴、価格、推しポイント、在庫、配送条件)を整備し、配信者が迷わず紹介できる状態を作った。これにより、当日の説明品質が上がり、購入率の改善につながる。また、複数地域案件を並行するため、タスク管理と素材共有の仕組みを整え、制作側の工数(事務)も圧縮した。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:配信品質の標準化とKPIレポートにより、自治体側が“次回も頼む理由”を作りやすい。地域生産者にとっても、販路拡大の学習効果が残る。目標例:視聴→購入CVR+5〜15pt、平均客単価+10〜20%、継続(更新)率+5〜10pt、移動/巡回時間▲20〜40%(リモート運用比率増)。 定量が開示されていないため目標例:配信視聴維持率+5〜15pt、クリック率+1〜3pt、購入率+0.5〜2pt、平均客単価+10〜20%。定性:自治体側に“効果の説明材料”が残るため、翌年度も継続しやすく、制作会社側はLTVが積み上がる。 加えて、成果データが蓄積されると、地域ごとの“売れる構成”が見えてくるため、提案の精度が上がり、受注率も改善する。目標例:受注率+5〜15pt、継続(更新)率+5〜10pt。地域連携型は横展開が効くため、再現できる型ができるほど売上上限を押し上げられる。
7. 補助金・助成金の活用活用済:小規模事業者持続化補助金<一般型>(第10回・商工会地区 採択一覧より)

使途(具体):ライブ配信機材(カメラ/スイッチャー/音声/照明)、配信スタジオ簡易整備、自治体・地場産業向け提案資料/LP、広告配信・運用費

採択の論点:地域連携型の新サービス(自治体×地場産業×配信者)を明確にし、集客→購買CVまでの導線を作ることで売上と継続受注を伸ばす点。
8. リンク先(出典)https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r1h/doc/saitaku/10/%E4%BB%A4%E5%92%8C%E5%85%83%E5%B9%B4%E8%A3%9C%E6%AD%A3%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%9E%8B%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E8%80%85%E4%B8%80%E8%A6%A710.pdf(採択一覧PDF) ※P12 L761付近「神奈川県…自治体×地場産業×ライバー…ライブコマース」

H事例:H社(大規模制作の進行DX)((首都圏/大手))

1. 会社名・個人事業主名H社
2. 切り口「ITツール活用(業務効率化、自動化)」、「標準化・マニュアル化」、「生産性向上」、「データ活用」、「人材活用・採用・育成」
3. 会社概要H社は多数の制作部門・開発部門を抱える映像コミュニケーション企業で、案件数・関係者数が多い。映像制作は、制作進行・素材管理・確認フローが複雑で、関係者が増えるほど“進捗確認の会議”が増え、本来の制作時間が削られる。加えて、属人化した進行は引継ぎコストが高く、採用難の中で人材の負荷集中が離職要因になりやすい。 映像制作のボトルネックは、カメラや編集だけでなく、依頼の整理・素材の受け渡し・確認・承認の“進行”にあることが多い。ここが属人化すると、経験者が辞めた瞬間に案件が止まり、品質と納期に直結する。H社は規模が大きい分、部門間の連携コストが固定費として膨らみやすく、進行のDXが経営課題になっていた。
4. 当初の課題・挑戦業界構造として、制作進行は「見えない仕事」が多く、トラブルが起きて初めてコスト化する。H社でも、①タスク・担当・期限が個人の頭の中にあり、進捗確認のための会議が週5時間以上発生、②部門横断の依頼がメール/口頭に散らばり、抜け漏れが手戻りにつながる, ③誰が忙しいか見えず、負荷が偏ってボトルネックが固定化—という課題があった。これらは“制作そのもの”ではないのに固定費として積み上がり、稼働率を下げ、結果的に納期遅延や品質低下を招く。 また、制作はマルチタスクで割り込みが多く、状況が見えないと“急ぎ案件”ばかりが優先され、重要だが急ぎでない改善が進まない。負荷の偏りは残業や離職につながり、採用難の時代には致命傷となる。H社は、進捗確認の会議を減らすだけでなく、仕事量を可視化して分担し、個人の抱え込みをなくす必要があった。 映像制作は、制作物が目に見えるため『編集が遅い』など表層の問題に目が行きがちだが、実際には『依頼の情報が揃っていない』『承認者が不明』『素材が散在』といった進行上の摩擦が遅延の原因になる。摩擦が増えると、制作側は余裕を持たせるためにバッファを積み、見積が高くなり受注率が下がる。この悪循環を断つには、状況共有をリアルタイム化し、遅れを早期に発見して打ち手を打てる仕組みが必要だった。
5. 取組み・成功のポイント施策は、Backlogでタスク・進捗・資料を一元化し、会議を“進捗確認”から“意思決定”に寄せたこと。①案件をプロジェクト化し、課題(タスク)に担当・期限・チェックリストを付けて標準化、②課題更新と通知で状況共有し、会議前に論点が揃うようにする、③API等を活用して個人の負荷(予測/実績)を可視化し、ワークシェア(分担)を促進、④小さく始めて現場の“使いやすい”を起点に全社へ展開した。運用では、週次の振り返りをBacklog上のデータで行い、遅延の原因(依頼の曖昧さ/承認待ち/外部待ち)を分類して、プロセス改善につなげた。 特に効いたのは、(a)タスクの粒度を揃え、(b)担当・期限・完了条件を明確にし、(c)更新を文化にした点。“更新しないと状況が分からない”仕組みにすると、自然にコミュニケーションがツール上へ移る。加えて、週次の振り返りで“遅延の型”を分類し、例えば『承認待ちが多い→承認フローを短縮』のように、プロセス改善へ落とし込んだ。これにより、単なるタスク管理ではなく、品質(手戻り)と稼働率の改善に結びつけた。 加えて、テンプレ(標準タスクセット)を用意し、案件立上げ時に自動で課題が生成されるようにして、“毎回ゼロから作らない”運用にした。運用責任者(推進役)を置き、ルール逸脱が起きたらフォローすることで、ツールが形骸化しないようにした。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性:情報がオープンになり、担当者に聞かないと分からない状態が減る。引継ぎも容易になり、属人化が崩れる。定量:導入事例では、進捗確認だけの定例会議が週5時間以上→ほぼ0になったとされる。目標例:事務工数(分/件)▲20〜50%、手戻り工数▲10〜25%、稼働率+5〜15pt。 定性:会議が減るだけでなく、担当変更時の引継ぎが楽になり、採用・育成のコスト低減にも効く。目標例:新人立上げ期間▲10〜20%、クレーム/手戻り▲10〜25%、残業時間▲10〜20%。大規模制作ほど、こうした“見える化”が利益の源泉になる。 さらに、負荷の見える化で“助けを求めやすい”文化ができると、属人化が解消し、品質事故のリスクが下がる。目標例:ボトルネック工程の待ち時間▲10〜30%、制作リードタイム▲10〜25%。結果として、同じ人数でも処理できる案件数が増え、売上上限を引き上げられる。
7. 補助金・助成金の活用未活用
8. リンク先(出典)https://backlog.com/ja/customers/case-study-imagicalab/(公式導入事例:Backlog)
https://nulab.com/ja/press/pr-1908-backlog-use-case-of-imagicalab/(プレス:導入背景)

3. 補足・参考情報欄

関連補助金

  • 小規模事業者持続化補助金(販路開拓:LP/広告/展示会/ショーリール制作など)
  • IT導入補助金(会計・工数・販売・案件管理・グループウェア:見積/請求/進行の一体化など)
  • ものづくり補助金(撮影設備の自動化、編集工程の省力化、AI/ソフト開発、品質規格化)
  • 事業再構築補助金/中小企業新事業進出補助金(要件確認)(新サービス:配信スタジオ、XR/AR、サブスク提供など)
  • 東京都・神奈川県等の中小企業向けDX/設備助成(年度・公募回で要件変動)

DX参考サイト

  • Microsoft 365(Teams/SharePoint/OneDrive):共同編集・版管理・外部共有(公式)
  • Backlog(ヌーラボ):制作進行・タスク管理(公式)
  • freee(会計/人事/工数/販売):原価・請求・工数連動(公式)
  • Google Workspace:共有ドライブ/Meet(公式)
  • Adobe Creative Cloud / Frame.io:レビュー・承認フロー(公式)

支援機関(相談・伴走)

  • 商工会/商工会議所(持続化補助金の相談・事業計画ブラッシュアップ)
  • よろず支援拠点(販路・価格設計・DXの無料相談)
  • 各都道府県の産業振興公社(DX助成、専門家派遣、設備投資支援)
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