ソフトウェア開発・アプリ開発業界_成功事例レポート
目次
1. 冒頭概要(5行程度)
- 売上上限は「エンジニア稼働(人月)×単価」に縛られやすく、受託比率が高いほど稼働の波・検収遅れ・値下げ圧力が直撃する。固定費(人件費・外注費・クラウド費)が先行し、採用難で供給制約も強い。
- 一方で顧客は「納期遵守・品質(手戻り抑制)・運用までの一気通貫・情報セキュリティ」を重視し、提案力/業務理解が差別化軸になる。
- 支援制度(持続化/IT導入/ものづくり/再構築/都道府県助成)は、①販路(リード獲得・信頼形成)②省力化(標準化・自動化・品質)③高付加価値化(自社SaaS化・新サービス)に効く。
- 成功パターン①:受託の“都度見積り”を、テンプレ化+運用設計まで含む「再現可能な提案」に変え、成約率(+5〜15pt:目標例)と粗利率(+1〜3pt:目標例)を押し上げる。
- 成功パターン②:内部DX(工数・品質の見える化、AI/自動化)で手戻り工数(▲10〜25%:目標例)と事務工数(▲20〜50%:目標例)を削減し、稼働率(+5〜15pt:目標例)を確保する。
- 成功パターン③:特定業界の課題をプロダクト化(クラウド/サブスク)して継続課金へ移行し、継続率(+5〜10pt:目標例)とLTVを伸ばす。
2. 成功事例(8件)
【成功事例A】(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | A社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/AI活用/データ活用/ITツール活用(業務効率化、自動化)/生産性向上 |
| 3. 会社概要 | 東京都の従業員10〜30名規模の受託開発(業務アプリ・Webシステム)企業。案件は既存顧客からの追加開発が中心で、見積・請求・問い合わせ対応などバックオフィスがエンジニアの稼働を圧迫していた。顧客は中小企業が多く「短納期・低コスト・運用まで」を求めるため、利益は“作る前”の設計品質と段取りで決まりやすい。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 受託開発は稼働が売上上限になり、受注が増えるほど事務処理(見積・請求・返金・問い合わせ)が積み上がる構造。特に会計処理の“例外”対応が多く、担当者の属人判断に依存して処理遅延が発生していた。遅延は入金・返金の滞留だけでなく、顧客信頼低下→追加発注の減少に直結する。一方、専任の管理部門を増やすと固定費が増え、稼働率が下がる。そこで「例外処理の原因をデータで特定し、AIで判断支援する」こと、さらに社内で作った仕組みを外販可能な形にして“稼働以外の売上”を作ることが挑戦だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①返金・会計の処理フローを分解し、迷いやすい判断点(例外パターン)をデータで洗い出した。②AIを使って申請情報の不足・不整合を自動検知し、担当者が確認すべき箇所だけに集中できる画面に整理。③処理ログを蓄積し「どの例外がどれだけ時間を食うか」を見える化し、ルール化できる領域は自動化、ルール化できない領域はチェックリスト化して標準化した。④社内ツールを“外部に提供できる仕様”へ整え、受託の合間でも販売可能なプロダクトの芽を作った。結果として、工数削減=稼働の余白が生まれ、提案・設計など高単価工程へ人を回せる状態を作れた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 会計返金処理の所要時間が「1時間→5分」に短縮(事務工数▲約92%)。定性面でも“例外対応のストレス”が減り、バックオフィス起点の遅延が減少。今後は、処理データを活かして顧客別の例外発生率を予防的に下げる運用提案(品質/手戻り抑制)に広げ、受託の平均単価(+10〜20%:目標例)と粗利率(+1〜3pt:目標例)を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用(自社投資) |
| 8. リンク先(出典) | https://www.tokyo-cci.or.jp/digital-support/column/column_40.html |
【成功事例B】(茨城県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | B社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/ITツール活用(業務効率化、自動化)/データ活用/情報セキュリティ・プライバシー/補助金活用/事業連携 |
| 3. 会社概要 | 茨城県の小規模ソフトウェア開発会社。介護・医療領域の業務理解を強みに、現場の紙運用を置き換える業務システムを受託してきた。収益はプロジェクト型で、検収・改修が続くと工数超過で粗利が削られる。そこで、業界課題が共通な介護事業者向けに、記録・閲覧・共有を一体化したパッケージ(自社サービス)に寄せて継続課金へ移行する方針を採った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 介護現場は多忙でITリテラシーが幅広く、入力負荷が高いと定着しない。紙の記録は閲覧・共有・監査対応が非効率だが、現場の抵抗感が強い。受託開発のままでは、顧客ごとに仕様がブレて保守負荷が増え、回収サイトも長くなりやすい。そこで「誰でも使えるUI」「現場導線に合わせた入力最小化」「セキュリティ/個人情報の取り扱い」を満たしたプロダクトにする必要があった。また、開発資金を自己資金だけで賄うとスピードが落ち、競合SaaSとの差が広がるため、自治体補助金を活用して初期投資を前倒しすることが挑戦だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①記録作業を“現場の一連動作”として観察し、入力項目を最小化した画面設計に再構成。②事業所内の共有・監査対応に必要な閲覧権限やログ管理を組み込み、個人情報の取り扱いを標準仕様として実装。③自治体補助金でプロトタイプの開発・検証を加速し、支援機関(支援センター)と連携して介護事業所の声を反映させた。④導入後の運用(現場定着)まで含む支援手順を整え、開発→導入→運用の“型”を作って再現性を高めた。これにより、都度開発から「プロダクト+導入支援」という高付加価値の提供に移行できる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:紙記録の転記・探し物が減り、情報共有の遅れが改善。定量面:事務工数(記録・共有・監査準備)を▲20〜50%(目標例)削減し、導入企業の継続率(+5〜10pt:目標例)を狙える状態を構築。今後は、介護事業者の業務データを活かしたレポート機能で付加価値を上げ、平均単価(+10〜20%:目標例)とLTVを伸ばす。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:自治体補助金(例:新製品等開発事業費補助金)でプロトタイプ開発・検証(要確認)。使途:介護記録システムの要件定義〜試作、現場検証、UI改善。採択の論点:現場の事務工数削減(▲20〜50%:目標例)と定着率向上を、運用設計まで含めて示した点。 |
| 8. リンク先(出典) | https://mirasapo-plus.go.jp/hint/18178/ |
【成功事例C】(埼玉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | C社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/広告宣伝(デジタル)/コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用/データ活用/補助金活用 |
| 3. 会社概要 | 埼玉県のWeb制作・情報発信を起点にした小規模開発会社。受託制作は単発で売上が読みにくく、顧客ごとに仕様が違うため学習コストが増えやすい。そこで自社の健康情報発信で蓄積した知見を活かし、“スキマ時間の休憩”を促す健康増進アプリをプロダクトとして提供する計画へ転換した。BtoC(個人)と、空き時間を埋めたい事業者(店舗/施設等)をつなぐ二面市場型を想定。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | BtoCアプリは開発だけでなく、継続利用(LTV)を生む運用が難所になる。健康領域は競合が多く、広告単価が上がりやすい一方で、初回利用だけでは収益化しにくい。さらに、供給側(休憩できる場所を提供する事業者)が増えないと体験価値が上がらず、需要側の継続も伸びない。受託中心の会社がプロダクト事業に挑戦するには、①集客と継続(リテンション)をデータで回し、②プロダクト改善を短サイクルで行い、③資金繰り(開発費先行)を補助金で補完する必要があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①アプリを“休憩のインフラ”として位置づけ、利用シーン(短時間・気軽)に特化したUI/導線を設計。②利用ログ(時間帯、場所、再訪)をKPIとして追い、継続率を左右する体験ボトルネックを特定して改善する運用を前提化。③SNSでの体験共有やレビュー導線を用意し、UGCでの獲得コスト低減を狙う。④補助金で開発・検証・初期マーケを同時に前進させ、受託依存からの脱却を図った。結果として「開発=納品」で終わらず、運用でLTVを作るプロダクト型の経営へ移行できる設計になった。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:ユーザーの“気分転換の場所探し”を短時間化し、事業者側は空き時間の機会損失を減らす。定量面:継続(更新)率+5〜10pt、継続月数+1〜3か月(いずれも目標例)を指標化。今後は法人向けに福利厚生パッケージ(BtoB)を展開し、平均単価(+10〜20%:目標例)と継続課金を伸ばす。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(第13回公募)。使途:アプリ開発、UX検証、初期獲得のデジタル施策(LP/広告・計測基盤)。採択の論点:受託からプロダクトへ転換し、健康意識の高まりを機会に新市場を開くことでLTVを作る計画。 |
| 8. リンク先(出典) | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/plan/jyoho_tsushin_13.pdf |
【成功事例D】(千葉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | D社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/標準化・マニュアル化/生産性向上/補助金活用 |
| 3. 会社概要 | 千葉県の受託ソフトウェア開発会社。ITシステム分野で顧客と良好な関係を築いていたが、売上はプロジェクト依存で稼働の波が大きく、案件ごとに仕様が異なるため保守負荷が増えやすかった。そこで、産業車両の業務効率向上に資する高付加価値ソフトを自社開発し、クラウドサービスとして提供するサブスクリプション型へ転換を図った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 受託は「人月×単価」構造で、景気や顧客都合で発注が止まると稼働率が急落する。さらに、要件が固まらないまま開発を始めると手戻りが増え、粗利が削られる。産業車両向けのプロダクト化は、①ドメイン知識(現場課題)を機能へ落とし込む、②保守・運用を前提に標準仕様を固める、③サブスクとして価値が伝わる価格設計にする、という三つの壁がある。協力企業との連携で現場要件を早く集めつつ、補助金を活用して開発費を前倒しし、短期間で“売れるプロダクト”まで持っていくことが挑戦だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①受託で蓄積したノウハウを共通機能として抽出し、産業車両の業務フローに沿った標準機能に再設計。②現場で必須の操作を最短手数にすることで定着率を上げ、運用支援をテンプレ化(導入手順・設定・教育)してスケール可能にした。③クラウド提供によりバージョン管理と改善を一本化し、保守工数を抑えながら継続課金の基盤を構築。④プロダクト提供により、受託の“納品”ではなく、継続利用で価値を出す運用KPI(利用率・更新率)を中心に事業を回す形へ転換した。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:顧客は産業車両の業務効率が上がり、管理の属人化が減る。定量面:継続(更新)率+5〜10pt、稼働率+5〜15pt(いずれも目標例)をKPIとして設定し、受託依存の売上変動を平準化。今後は顧客データを活かした追加モジュール(アップセル)で平均単価+10〜20%(目標例)を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(第13回公募)。使途:自社ソフトの開発、クラウド基盤、導入テンプレ/マニュアル整備。採択の論点:受託の不安定収益から脱却し、サブスク型で継続収益を作る道筋(更新率・LTVの設計)を示した点。 |
| 8. リンク先(出典) | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/plan/jyoho_tsushin_13.pdf |
【成功事例E】(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | E社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/情報セキュリティ・プライバシー/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/ITツール活用(集客、広告宣伝)/補助金活用 |
| 3. 会社概要 | 東京都の中小ソフトウェア企業。業務系/WEB系の受託を基盤としつつ、特定業界の業務フローを“プラットフォーム化”して提供する方向へ事業転換を進めた。ターゲットは自費診療を行うクリニックで、予約・診療・決済・処方箋発行・配送までを一気通貫で支えるオンライン診療システムを開発し、継続課金で提供する計画。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 医療領域は個人情報の取り扱いが厳しく、セキュリティ不備は即時に信頼失墜につながる。一方、クリニック側はIT担当が薄く、導入・運用の負担が高いと継続利用されない。受託開発では仕様が顧客ごとに分岐しやすく保守が重くなるため、プロダクト化するには“標準業務”の設計が必須だった。また、オンライン診療は競合も増え、導入意思決定は「導入後に売上と運用がどう変わるか」で判断される。そこで、システム提供だけでなく、予約〜決済までの導線を短縮して成約(受診)率や継続率を上げるKPI設計が挑戦だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①診察予約〜オンライン診療〜決済〜処方箋発行〜薬配送までをワンストップ化し、クリニックの“ツール分断”を解消。②患者側は操作ステップを減らし、離脱要因(入力・決済の詰まり)を抑える。③運用側は顧客管理・ステータス管理を標準搭載し、スタッフの事務負荷を下げる。④セキュリティ/プライバシー要件を標準仕様として組み込み、信頼獲得の前提条件を満たした。⑤補助金で開発・検証・初期販売を同時に進め、受託依存の収益構造から“継続課金”へ移行する速度を上げた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:クリニックは患者対応〜決済〜配送の運用が一元化し、スタッフの手戻りが減る。定量面:成約(受診)率+5〜15pt、事務工数▲20〜50%(いずれも目標例)をKPI化。今後は導入業態を拡大し、継続(更新)率+5〜10pt(目標例)とLTVの向上を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(第13回公募)。使途:オンライン診療プラットフォームの開発、セキュリティ対策、初期販路開拓(提案資料/LP)。採択の論点:業務一気通貫化による事務工数削減と、継続課金モデルでの収益安定化を示した点。 |
| 8. リンク先(出典) | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/plan/jyoho_tsushin_13.pdf / https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/tokubetsu_kanto13.pdf(該当行:関東・東京都・新宿区) |
【成功事例F】(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | F社 |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用/PR・広報/メディア露出/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/補助金活用 |
| 3. 会社概要 | 東京都の小規模IT企業。特定領域(音楽/ライブ等)の業界ネットワークと編集・発信の強みを持つ一方、従来の収益は広告や制作案件など変動が大きかった。そこで、ジャズライブの予約・レビューを統合するプラットフォームを企画し、ライブ体験の情報非対称(席の空き、口コミ、良い公演の見つけにくさ)を解消して継続利用を生むモデルへ転換した。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | プラットフォーム事業は“最初の流動性”が最大の壁で、ユーザーが少ないとレビューが集まらず、レビューが少ないと予約が増えない。さらにライブ領域はリアルの運営が分散しており、予約導線がバラバラで手間がかかる。単にアプリを作るだけでは、ユーザー獲得コストが膨らみ、LTVが立たない。そこで、①業界ネットワークを活かして店舗/主催者側の参加を増やし、②レビュー・ポイントなどで投稿を促し、③継続利用を“仕組み”で作る必要があった。補助金で初期開発とプロモーションを同時に進め、短期間で参加者を集めることが挑戦だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①ライブ予約・レビュー・ポイント還元を一体化し、ユーザーの行動(予約→参加→投稿)を循環させる設計にした。②レビューはUGCとして資産化し、SEO/検索流入で獲得効率を上げる。③主催者側には集客/予約管理の手間削減を提供し、参加メリットを明確化。④コミュニティ運用(SNS・メディア露出)で“熱量”の高い層に刺さる導線を作り、獲得単価を抑える。⑤補助金で初期構築・運用体制を整え、プロダクトの改善サイクル(データ→改善)を回せる基盤を先に作った。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:ユーザーは公演の比較・意思決定が容易になり、主催者は予約管理の負荷が軽減。定量面:新規獲得(リード)+10〜30%(目標例)、継続月数+1〜3か月(目標例)をKPI化。今後は有料会員(サブスク)や主催者向け有料機能で平均単価+10〜20%(目標例)とLTVの拡大を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(第13回公募)。使途:予約・レビューシステム開発、ポイント機能、プロモーション(PR/SNS)。採択の論点:業界のデジタル化を推進し、UGC資産で獲得効率とLTVを同時に伸ばす計画。 |
| 8. リンク先(出典) | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/plan/jyoho_tsushin_13.pdf / https://jazin.net/ |
【成功事例G】(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | G社 |
| 2. 切り口 | 新規事業・多角化/海外展開/インバウンド対応/事業連携/データ活用/補助金活用 |
| 3. 会社概要 | 東京都の中小ソフトウェア企業。受託開発では国内市場の競争激化・単価下落の影響を受けやすく、売上の波も大きかった。そこで、中小企業の海外販路開拓ニーズに着目し、海外テストマーケティングに必要な関係事業者(現地パートナー等)をマッチングする仕組みをプラットフォームとして運営する新規事業へ進出した。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 海外販路開拓はニーズは強いが、個社単独で現地の協力者(市場調査、販促、物流、現地小売等)を見つけるコストが高く、失敗確率も高い。結果として、多くの中小企業は“最初の一歩”を踏み出せない。一方、マッチングプラットフォームは、供給側(支援者)と需要側(中小企業)の両方が揃わないと価値が成立しない。初期は手作業の運営が多くなり、工数が膨らみやすい。そこで、①マッチング精度を上げるデータ設計、②支援者の品質担保、③継続収益(利用料・サブスク)を作る料金設計、を同時に成立させる必要があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①海外進出プロセスを“テストマーケティング”に絞って標準化し、必要な支援カテゴリをテンプレ化(要件のブレを減らす)。②マッチングに必要な入力項目を設計し、案件データを蓄積して精度を上げる運用にした。③支援事業者をネットワーク化し、評価・実績データを活かして品質のばらつきを抑える。④補助金でプラットフォーム開発と初期ネットワーク形成を前倒しし、“手作業運営”からシステム運営へ移行する速度を上げた。結果として、単発の受託ではなく、継続利用される仕組み(LTV)に転換できる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性面:海外進出の第一歩(現地パートナー探索)が短縮され、中小企業の挑戦コストが下がる。定量面:成約(マッチング成立)率+5〜15pt、事務工数(案件調整)▲20〜50%(いずれも目標例)をKPI化。今後は提携先を拡大し、紹介プログラムで獲得効率を上げ、平均単価+10〜20%(目標例)を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(第13回公募)。使途:マッチングシステム開発、データ基盤、初期の関係事業者ネットワーク形成。採択の論点:海外販路開拓のボトルネック(関係事業者探索)を解消し、成約率と工数削減の両面でKPI改善を示した点。 |
| 8. リンク先(出典) | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/plan/jyoho_tsushin_13.pdf |
【成功事例H】(地方(首都圏外))
| 1. 会社名・個人事業主名 | H社 |
| 2. 切り口 | 人材活用・採用・育成/PR・広報/メディア露出/標準化・マニュアル化/生産性向上 |
| 3. 会社概要 | 地方都市の中堅ソフトウェア開発会社(従業員10名弱〜)。受託開発を主力とし、エンジニア採用が成長の上限を決める典型的な構造に直面していた。案件は増えても人が増えず、採用が遅れると稼働率が上がりすぎて品質(手戻り)リスクが高まる。そこで外部の人材支援制度を活用し、即戦力人材を獲得しつつ、社内の開発運用を標準化して“少人数でも回る体制”を整える方針を採った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 地方では母集団形成が難しく、採用活動をしても応募が集まりにくい。受託開発は納期が厳しく、採用・育成に時間を割けないため、現場は慢性的にひっ迫しやすい。ひっ迫はレビュー不足や属人実装を生み、手戻りが増えて粗利が削られる。加えて、採用単価が上がると固定費が増え、受注が落ちた局面で利益が吹き飛ぶ。そこで「採用のチャネルを変える(外部ネットワーク活用)」「入社後すぐ戦力化できる標準工程」「育成の仕組み」を同時に整え、稼働率を維持しながら品質を落とさない体制にする必要があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ①外部のプロ人材マッチング支援を使い、求めるスキル要件を明確化して採用の的中率を上げた。②採用と同時に、開発プロセス(要件定義→設計→実装→レビュー→テスト)を再整理し、ドキュメント雛形・チェックリスト・レビュー基準を整備。③プロ人材には“火消し”ではなく、標準化・育成(勉強会、レビュー同席)に役割を寄せ、社内にノウハウを残す設計にした。④結果として、属人化で発生していた手戻りを抑え、納期リスクを下げながら受注を積み増せる状態を作った。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | プロ人材制度の活用を通じて採用6名、総従業員8名へ増加(記事記載)。定性面でも採用の“時間当たり成果”が上がり、開発標準化で品質のばらつきを抑制。今後は手戻り工数▲10〜25%(目標例)をKPIに置き、レビュー工程の定着と教育コンテンツ整備で、稼働率+5〜15pt(目標例)を狙う。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用(補助金ではなく、人材支援施策の活用が中心) |
| 8. リンク先(出典) | https://j-net21.smrj.go.jp/special/venture/20180817.html |
3. 補足・参考情報
関連補助金
- 小規模事業者持続化補助金(販路開拓・広報・展示会・LP等):https://r6.jizokukahojokin.info/
- IT導入補助金(業務効率化、SaaS/クラウド導入):https://it-shien.smrj.go.jp/
- ものづくり補助金(新製品・新サービスの開発、試作、システム構築):https://portal.monodukuri-hojo.jp/
- 事業再構築補助金(新分野展開・事業転換・業態転換):https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
- 東京都中小企業振興公社(助成金・販路支援・DX支援 等):https://www.tokyo-kosha.or.jp/
DX参考サイト
- HubSpot(CRM/マーケ/セールス):https://www.hubspot.jp/
- kintone(業務アプリ・簡易ワークフロー):https://kintone.cybozu.co.jp/
- Backlog(開発タスク・課題管理):https://backlog.com/ja/
- Notion(ドキュメント・ナレッジ管理):https://www.notion.so/ja-jp
- Google Analytics(計測・改善):https://analytics.google.com/
支援機関
- よろず支援拠点(経営相談・IT/販路等):https://yorozu.smrj.go.jp/
- 中小機構(支援施策・ハンズオン):https://www.smrj.go.jp/
- 商工会議所(地域の経営支援):https://www.jcci.or.jp/
- 東京商工会議所(DX・経営相談):https://www.tokyo-cci.or.jp/
- 東京都中小企業振興公社(創業/DX/助成金):https://www.tokyo-kosha.or.jp/
