ハウスクリーニング業界_成功事例レポート
目次
1. 冒頭概要
- ハウスクリーニング/清掃業は、売上が『稼働可能時間×単価×稼働率』で頭打ちになりやすく、移動時間と手直し(クレーム対応)が粗利を削る労働集約型です。
- 固定費は車両・資機材・管理者人件費、変動費は移動・外注・再訪。人手不足と価格比較で“単価を上げにくい”のが構造課題になります。
- そのため支援制度(補助金/助成金)が効くのは、①販路(予約導線・信頼づくり)②省力化(現場/事務のDX・標準化)③高付加価値化(品質保証・新サービス)です。
- 成功の共通点は『見える化(証跡)→標準化→例外対応に集中』で管理コストを下げ、同じ人数で受注枠を増やすこと。
- もう一つは、単発受注を“定期契約/管理契約”へ寄せ、移動と教育のムダを減らしてLTVを伸ばす設計です。
- 成功パターン総括
- 【管理のDX】現場ログ(時間・写真・チェック)を一元化すると、事務工数▲20〜50%→稼働率+5〜15pt→受注枠が増える。
- 【品質の標準化】チェックリスト/教育を型化すると、手戻り▲10〜25%→移動の二重コストが減り→粗利率+1〜3ptが狙える。
- 【継続化・高付加価値】定期契約や品質保証パッケージ化で、平均単価+10〜20%・継続率+5〜10ptにつながる。
2. 成功事例(A〜H)
A社(埼玉県(首都圏))
| 1. 会社名・個人事業主名 | A社(清掃業/ビル・マンション定期清掃) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 首都圏(埼玉)でビル・マンション等の定期清掃を主力とする清掃会社。案件は管理会社・オーナー・テナントなどBtoB比率が高く、現場は駅前の小規模物件から郊外の中規模物件まで分散する。現場スタッフはパート・アルバイトを含む多様な雇用形態で、『移動→作業→写真→報告→請求』の連携精度が、クレーム率と粗利を左右する。管理者は現場手配、品質確認、顧客対応、報告書作成まで兼務し、繁忙期はバックオフィスがボトルネックになりやすい体質だった。同社は“人手を増やさずに回す”ことが経営テーマになっていた。特に定期清掃は『契約更新=LTV』が利益の源泉だが、一方で品質が揺れると解約・単価下落が起きやすい。そのため、現場品質を担保しながら、管理の省力化で“受注枠”を広げることが求められていた。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 清掃業は、売上が『稼働可能時間×単価×稼働率』で頭打ちになりやすい一方、固定費(車両・資機材・管理者人件費)と変動費(移動・手直し)が膨らみやすい。同社では、現場の開始・終了時刻や作業内容の記録が紙・口頭・写真のバラバラ管理で、①勤怠と出来高の突合に時間がかかる、②写真整理と報告書作成が月末に集中して残業が増える、③作業漏れ・確認漏れがクレームや再訪(移動時間増)につながる、という悪循環があった。さらに、現場ごとの標準時間が見えないため、見積の根拠が弱く価格交渉で不利になり、値下げ受注→薄利→教育に投資できない→品質が揺れる、という“価格競争スパイラル”に陥りやすい。人手不足下で増員が難しい中、管理工数が増え続けると新規受注を抑制せざるを得ず、稼働率(回転)と粗利率の両方が伸びない構造課題を抱えていた。また、現場が増えるほど電話・LINE・紙のやり取りが増え、移動中に連絡が入って対応が遅れると、顧客満足(レスポンス)も落ちる。『管理者が詰まる→現場が待つ→移動が増える→残業が増える』という連鎖を断ち切る必要があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 県の人手不足対応支援を活用し、現場の活動をスマホで一気通貫に記録できる営業活動(現場活動)アプリを導入。成功のポイントは“勤怠打刻だけ”で終わらせず、(1)現場到着〜作業〜完了のタイムスタンプ、(2)写真、(3)チェック項目、(4)コメントを現場で入力し、管理者はダッシュボードで未完了・遅延・品質リスクを当日中に把握できる運用にしたこと。これにより、月末に集中していた報告書作成を『日次で半自動化』し、現場報告→顧客報告→請求のリードタイムを短縮。回収(入金)面でも改善余地が生まれる。加えて、手直しが起きやすい箇所(床材別の薬剤、換気扇の分解範囲等)はチェックリストを標準化し、新人教育の教材として再利用。属人化していた“品質のコツ”を形式知化し、『教育→品質安定→クレーム減→再訪減→稼働率改善』の循環を作った。結果として、管理者の事務工数と確認工数を削り、同じ人数でも受注を増やせる余力を作った。(目標例:事務工数/件 ▲20〜50%、手戻り工数 ▲10〜25%)導入後は、現場完了のタイミングで写真付きの完了報告が自動的に集約され、管理者は“例外対応”に集中できるようになった。さらに、チェックリストは案件タイプ別(共用部清掃、巡回清掃、床面洗浄など)にテンプレ化し、現場指示の漏れを減らした。こうした標準化は、繁忙期のスポット受注にも強く、外注・協力会社に任せる際の品質担保にも転用できる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 成果として、残業時間が月60時間減少、年間売上が約950万円増加という効果が示されている。(KPI:事務工数・稼働率/売上)運用面では、現場別の作業時間が蓄積されることで、見積の精度が上がり、『時間×品質』の説明で単価是正(平均単価 +10〜20%:目標例)にもつなげやすい。今後は、クレーム発生と作業条件(物件タイプ、時間帯、担当者)の関係を分析し、難易度に応じたアサイン・教育設計を行うことで、品質のばらつき低減と粗利率の底上げが期待できる。加えて、可視化により勤怠の透明性が高まることで、スタッフの納得感とモチベーション維持にも寄与する。(目標例:稼働率 +5〜15pt、継続(更新)率 +5〜10pt) |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:埼玉県「中小企業人手不足対応支援事業」(要旨:人手不足対応のための取組支援) 使途:営業活動(現場活動)アプリ導入、現場の記録・報告のデジタル化 採択の論点:管理工数削減→稼働率向上→売上増につながる道筋が明確(残業削減の定量効果も提示)。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(県事例パンフレット) 参照URL 埼玉県 事例パンフレット掲載ページ(清掃業の事例あり):https://www.pref.saitama.lg.jp/a0803/hitoribz-subvention-case-pamphlet.html |
B社(東京都(首都圏))
| 1. 会社名・個人事業主名 | B社(民泊・無人ホテル向け清掃/現場管理DX) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 東京都で民泊・無人ホテル等の宿泊施設向けに清掃・現場管理を提供する清掃/運営支援事業者。宿泊施設は『チェックアウト後の短時間で清掃→検品→消耗品補充→写真報告』が必須で、品質がレビュー(評価)に直結する一方、作業者の入れ替わりや多拠点管理で“属人化”が起きやすい。同社は現場管理ツールと3Dモデル(デジタルツイン)を組み合わせ、遠隔から指示・教育できる仕組みを持つ。清掃サービスに加え、清掃オペレーションのデータ化・販売など複合収益化も志向している。主要顧客は宿泊施設運営者や不動産管理会社でBtoB寄りだが、最終的な評価者は宿泊者(BtoC)であり、品質管理とスピードの両立が競争力になる。案件は短納期・多拠点で、現場の“見える化”ができないと、管理者が増え固定費が膨らむ領域である。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 民泊清掃は価格競争が激しく、清掃単価が上げにくい一方で、移動時間と手直しが粗利を圧迫する。特に“初回清掃(物件の癖を覚えるまで)”は教育コストが高く、経験者に依存すると稼働が詰まり、未経験者に任せると品質が揺れてレビュー悪化→受注減というリスクがある。また、宿泊施設は設備・備品の配置が物件ごとに異なり、紙のマニュアルでは伝達が難しい。結果、現地で迷う時間が増え、チェックアウト〜チェックインのタイトな時間枠に間に合わず、追加要員手配や再訪が発生しやすい。この構造課題を解くには、①教育の高速化、②遠隔での品質担保、③現場作業の標準化、④作業実績データを使った最適化(見積・配置)の4点が必要だった。さらに、宿泊清掃では消耗品補充や備品の位置が少しでもズレるとクレーム化しやすく、『手直し=移動の二重コスト』が発生する。従来の写真共有やチャット連絡では、物件の空間把握が弱く“指示の誤解”が起きやすいことがボトルネックだった。加えて、繁忙期に外注を増やすと品質が落ち、閑散期に教育投資をしても回収できない、という季節性の問題もあった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 小規模事業者持続化補助金(一般型・第11回、採択一覧に掲載)を活用し、『3DVR撮影を活用した高品質民泊清掃及びデータ販売事業』を推進。実装は、清掃・検査・修繕・在庫管理を集約する現場管理プラットフォーム(例:Breezeway)と、3Dモデリング(例:Matterport)を組み合わせ、管理オペレーターが3D上で物件を把握しながら、チェックリストとToDoを遠隔配信する設計。現場スタッフはスマホでチェックリストに沿って作業し、写真とステータスをその場で登録。“どこをどう拭くか”を3D上の位置情報と紐づけることで、未経験者でも習熟が早く、品質のばらつきを抑えられる。加えて、物件オーナー側には『完了報告(証跡)』を即時共有でき、レビュー悪化の要因(忘れ物、補充漏れ)を事前に潰し込む運用にした。(目標例:手戻り工数 ▲10〜25%、移動/巡回時間 ▲20〜40%、継続月数 +1〜3か月)制度活用により、①3DVR撮影機材・制作、②現場管理SaaSの利用/設定、③オーナー向け説明資料や営業導線の整備を同時に行い、『導入→運用→販路』を一気に繋げた点が採択上の論点になりやすい。具体的には、清掃完了報告を“チェックリスト+写真”で証跡化し、オーナー・運営者への説明責任(透明性)を高めることで、法人契約の継続率を上げる。また、3Dモデルを教育に使うことで、現場OJT時間を短縮し、多言語スタッフでも理解しやすい運用(ピクト・写真中心)に寄せられる。結果として『管理者の増員なしで物件数を増やす』=固定費の抑制につながる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 同社は清掃管理物件数が100戸を突破した旨を発信しており、仕組み化がスケールに寄与したと読み取れる。(KPI:稼働率・回転/継続・LTV)データ販売(デジタルツイン等)を組み合わせることで、清掃単価だけに依存しない粗利構造を作れる点も大きい。今後は、物件タイプ別の標準工数とレビュー要因をデータ化し、『価格(単価)×品質保証』のパッケージ化で平均単価の引き上げ(+10〜20%:目標例)を狙える。清掃品質の均一化はレビュー評価の安定化を通じて、施設運営者側の稼働率(予約率)にも影響するため、単なる省力化ではなく“売上を守るDX”として提案できる。(目標例:クレーム件数 ▲10〜25%、稼働率 +5〜15pt) |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:小規模事業者持続化補助金<一般型>(第11回締切分・商工会議所地区) 使途:3DVR撮影を活用した民泊清掃の高品質化、関連する営業導線整備(LP/ブログ等) 採択の論点:DXで品質を均一化→クレーム/手戻り削減→管理者増員なしで物件数拡大、さらにデータ販売で粗利源泉を追加。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(採択一覧PDF/公式サイト/インタビュー) 参照URL 採択一覧PDF(事業名掲載):https://r3.jizokukahojokin.info/doc/saitaku11/r3i_11_kanto.pdf 公式サイト(民泊清掃DX・3D活用の説明):https://www.skewlines.biz/cleaning 公式ニュース(物件数100戸等):https://www.skewlines.biz/news-1 ビジネスインタビュー:https://bs-times.com/vol48/17.html |
C社(北海道)
| 1. 会社名・個人事業主名 | C社(クリーニング業/店舗+集配) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 北海道で複数店舗を展開するクリーニング事業者(店舗受付+集配/外交を併用)。地域密着で固定客を持つ一方、繁忙期は受付・仕分け・配送・請求が錯綜し、『受付待ち』や『伝票処理』がボトルネックになりやすい。同社は、外交(集配)比率が高く、法人・家庭の両方に対応するため、顧客情報・価格表・納期・配送ルート・請求を一元管理する必要があった。IT導入補助金を活用し、訪問型クリーニング業向けの支援システムを導入した。特に集配は、電話注文や定期契約が混在し、顧客台帳が古いと『訪問して不在』が起きて二重の移動コストになる。また、店舗スタッフの採用が難しい中で、受付オペレーションの省力化が必須だった。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | クリーニング(衣類・寝具等)は“作業自体”よりも、受付〜伝票〜仕分け〜納品〜請求の事務が利益を左右する。同社では、得意先の掛売(請求書払い)が増えるほど、①伝票入力・集計の工数、②請求漏れ・単価ミス、③入金消込の遅れ、が増加し、回収サイトが長くなるリスクがあった。また、外交は移動時間が大きく、ルートの組み方が非効率だと稼働率が下がる。現場(配達担当)と店舗(受付・事務)の情報が分断されると、問い合わせ対応が遅れ、顧客満足が下がって解約につながる。価格競争が激しい中、単価を上げにくい業態だからこそ、『事務工数とミスを減らし、回収を早め、同じ人員で処理できる量を増やす』ことが成長の前提だった。さらに、法人取引では『請求書の締め処理』が月末に集中し、締め日〜発行〜送付の遅れがそのまま入金遅れになる。資金繰りがタイトな中小の清掃・クリーニング業では、回収サイト短縮が実質的な利益改善になる。また、紙の伝票は紛失・読みにくさで確認作業が増え、“確認の電話”が増えるほど本来の受付・生産に時間が割けなくなる。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | IT導入補助金を活用し、訪問型クリーニング業支援システムを導入。店舗受付・外交の受注情報を統合し、顧客別の料金・履歴・請求を一元管理できる体制にした。ポイントは、(1)伝票入力の標準化(テンプレ・バーコード等)、(2)請求書発行の自動化、(3)配達ルート/訪問予定の可視化、(4)顧客問い合わせへの即時回答(履歴参照)を、“一つの画面”に集約したこと。これにより、管理者が紙伝票の集計に追われる状態から、例外対応(クレーム・遅延)に集中できる。また、顧客別の受注頻度・単価が見えることで、優良顧客向けに『定期集配+高付加価値メニュー(しみ抜き、保管等)』を提案しやすくなり、LTV(継続)を伸ばす運用設計が可能になる。(目標例:事務工数/件 ▲20〜50%、回収(入金)リードタイム ▲10〜20%)補助金としては、ソフトウェア(受注・顧客・請求管理)に加え、必要に応じてタブレット等を組み合わせ、店舗・外交・事務の“分断”をなくす投資として説明できる。採択の論点は『入力→自動集計→請求→入金確認』の流れで、事務工数削減と回収改善が、売上拡大(受注枠拡大)にどうつながるかを描けること。運用面では、料金表・オプション(しみ抜き等)の登録を先に整備し、現場判断で値付けがブレないようにして粗利率を守る。さらに、受付時に次回提案(保管サービス等)を表示させることで、単発から継続へ誘導する導線も作れる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 導入により、受付〜請求の一気通貫化でミスと手戻りが減り、回収の早期化が期待できる。加えて、外交の訪問予定が見える化されることで、移動のムダを減らし稼働率(回転)改善につながる。(目標例:移動/巡回時間 ▲20〜40%、稼働率 +5〜15pt)今後は、顧客別の収益性を基に“値上げしても離れない顧客”と“低採算顧客”を分け、メニュー整理と価格改定で粗利率を底上げする運用が有効。システム化が進むと、スタッフが変わっても同じ手順で回るため、教育負荷が下がる。(目標例:教育時間 ▲10〜30%)その結果、繁忙期の臨時スタッフ投入でも品質と納期を守りやすく、クレーム減(品質)→継続率向上(LTV)につながる。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:IT導入補助金(取材事例集に掲載) 使途:訪問型クリーニング業支援システム導入(受注・顧客・請求の一元管理) 採択の論点:紙伝票依存による事務工数とミスを削減→回収(入金)早期化→同人員で処理量を増やし売上上限を引き上げる。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(IT導入補助金 取材事例集PDF) 参照URL IT導入補助金 取材事例集(PDF):https://it-shien.smrj.go.jp/case_studies/pdf/jirei_202005.pdf |
D社(徳島県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | D社(清掃・洗浄業/店舗床面洗浄など) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 徳島県で清掃・洗浄サービスを提供する事業者(店舗床面の洗浄など現場作業型)。清掃は労働集約で、作業時間と移動時間がそのまま原価になるため、高圧洗浄機など機器性能が生産性を左右する。同社はスーパーマーケット等の床洗浄を行う中で、従来機器では作業時間が長く、夜間・早朝対応による負担も大きかった。業務改善助成金の事例として、高圧洗浄機の導入による生産性向上が紹介されている。顧客は法人(店舗・施設)で、品質基準が厳しく、作業後の仕上がりが次回契約に直結する。移動を含む現場オペレーションが中心のため、現場ごとの生産性差が大きく出る業態である。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 床洗浄は『閉店後の限られた時間』で終える必要があり、時間内に終わらないと追加人員や延長対応が発生し粗利が崩れる。従来の機器では、汚れ落ちが不十分で再洗浄(手戻り)になったり、洗浄→乾燥→仕上げの工程が長く、現場が押すほどスタッフの拘束時間が増える。また、夜間作業が多いと採用が難しく、欠員が出ると受注を断るしかない。清掃業界の構造課題である『人手不足×時間制約×単価上げにくい』の中で、“設備で時間を買う”投資は、売上上限(稼働可能時間)を引き上げる数少ない手段である。ただし、設備投資は資金負担が重く、補助制度を活用して投資回収を早めることが重要だった。さらに、機器が古いと故障や性能劣化で予定が崩れ、代替機手配や再訪でコストが膨らむ。現場作業の遅れは顧客施設の開店準備にも影響し、信頼毀損につながるため、納期(時間)遵守は清掃品質と同じくらい重要な評価軸になっている。“時間の不確実性”が高いほど、見積では安全側に時間を盛り込み、受注枠が減る—つまり売上上限を自ら下げてしまう、という問題もあった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 業務改善助成金を活用し、高性能の高圧洗浄機を導入。事例では、床洗浄に要する時間が『2時間→20分』に短縮されたとされ、作業工程のボトルネックを機器で解消している。ここで効いたポイントは、①作業時間短縮で夜間拘束を減らし採用難を緩和、②同一人員で回せる現場数を増やし稼働率を上げる、③短時間で終えることで品質(仕上がり)確認の余裕を作りクレームを減らす、の3点。運用としては、短縮された時間を“追加現場”に充てるだけでなく、機器の扱いを標準手順化(ノズル選定、距離、洗剤濃度)し、新人でも同じ品質を再現できるよう教育に落とし込むと効果が持続する。助成金活用の論点としては、賃上げ(最低賃金引上げ)と生産性向上投資をセットで説明しやすい。清掃業は賃金競争が採用に直結するため、機器投資で生産性を上げ、その原資で賃上げし人材確保を図る—というストーリーが組める。実務では、導入前後の作業時間計測(動画・タイムスタンプ)を残し、“どの工程が何分短縮されたか”を可視化しておくと、効果検証と追加投資判断に役立つ。加えて、機器導入と同時に“案件タイプ別の標準工数表”を作り、見積の根拠を強化することで、値下げ要請に対しても『工数と品質の説明』で交渉力を高められる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 時間短縮により、稼働率(回転)を上げながら、スタッフの負担を下げる両立が可能になる。(KPI:稼働率・回転/工数/品質)目標例としては、移動・現場作業時間 ▲20〜40%、稼働率 +5〜15pt、手戻り工数 ▲10〜25%。今後は、短縮効果を根拠に“夜間対応プレミアム”や“短時間高品質”の価格設計を行い、平均単価 +10〜20%(目標例)と粗利率 +1〜3pt(目標例)を狙う余地がある。また、短縮された時間を“残業削減”に充てれば、健康面・定着面でも効果が出る。(目標例:残業 ▲10〜30%)定着率が上がれば採用コストが下がり、現場品質も安定するため、長期的にはLTVにも効く。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:業務改善助成金(厚生労働省) 使途:高圧洗浄機の導入(作業時間短縮・生産性向上) 採択の論点:生産性向上で賃上げ原資を作る→採用・定着改善→受注枠維持/拡大につなげる。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(助成金事例PDF) 参照URL 業務改善助成金 事例(徳島PDF):https://joseikin.mhlw.go.jp/seido/jirei/pdf/toku.pdf |
E社(千葉県(首都圏))
| 1. 会社名・個人事業主名 | E社(施設清掃/サービスエリア等) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 千葉県内のサービスエリア等で清掃業務を担う事業者(施設清掃・環境整備)。清掃は高齢者を含む多様な人材が従事しやすい一方、床清掃やゴミ回収など身体負荷の高い作業も多く、“安全に働ける現場設計”が採用・定着に直結する。同社は厚生労働省のエイジフレンドリー補助金を活用し、高齢者を含む従業員が安全に作業できる環境改善に取り組んだ事例として紹介されている。顧客は施設運営者でBtoB寄りだが、最終的な評価は利用者の体感(清潔感・臭い・滑りやすさ)で決まるため、品質のばらつきが許されにくい領域である。現場は不特定多数が利用する公共性の高い空間で、季節・天候で汚れ方が変わるため、経験に頼らず判断できるチェック項目(床の水分、臭気、トイレ備品残量等)を持つことが重要だった。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 施設清掃は、ピーク時間帯(利用者が多い時間)を避けて作業する必要があり、早朝・夜間のシフトになりやすい。人手不足下では、体力負担が大きい作業ほど担い手が減り、欠員が出ると品質が落ちる。品質が落ちるとクレーム対応で再訪が増え、移動・工数が増えてさらに人手が足りなくなる。特に高齢者雇用を進める場合、転倒や腰痛などの労災リスクが高い作業が残ると、『安全対策→教育→作業標準化』が追いつかず、現場に不安が広がり定着率が下がる。清掃業では採用広告よりも、実は“働きやすさ(安全・負荷)”が採用競争力の源泉であり、補助制度を使って先に安全投資を行うことが、結果的に稼働率と品質を守る施策になる。また、清掃は『見えにくい価値』であるため、単価交渉では価格が下がりやすい。だからこそ、事故防止や衛生管理の“見える化”で付加価値を説明できる状態を作る必要があった。安全対策の遅れは、採用難だけでなく、保険料や補償、現場停止などの重大リスクも孕む。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | エイジフレンドリー補助金を活用し、転倒防止や身体負担軽減につながる設備・備品を導入し、作業手順の見直しと教育をセットで実施。例えば、滑りにくい床材・マット、手すり、軽量清掃機器、照度改善、姿勢負担を下げる道具などを組み合わせることで、“危ない作業”を“安全に再現できる作業”へ置き換える。成功のポイントは、設備を入れて終わりではなく、(1)ヒヤリハットの収集、(2)危険工程の特定、(3)対策後の再教育、(4)巡回点検の標準化、という運用サイクルを回すこと。これにより、事故リスクを下げつつ、作業スピードも安定し、欠員時でも品質を落としにくい体制になる。(目標例:手戻り工数 ▲10〜25%、稼働率 +5〜15pt)補助金の採択上は、対象者(高齢者等)の就労継続を支える投資であること、具体的にどの危険がどの程度下がるか(転倒リスク、腰部負担等)を説明できることがポイントになる。清掃業は“人材が設備”なので、設備投資=人材投資として位置づけられる。運用面では、作業前後のストレッチや声かけ、危険箇所の写真共有など、小さな標準化を積み上げて事故を減らす。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 安全投資は短期的にはコストだが、労災・離職の抑制を通じて中長期の利益に効く。(KPI:品質(クレーム)/工数/定着)目標例として、クレーム件数 ▲10〜25%、継続(更新)率 +5〜10pt、教育にかかる時間 ▲10〜30%。今後は、作業負荷が下がった分を“高付加価値清掃(抗菌、部分洗浄、定期点検)”に振り向け、平均単価 +10〜20%(目標例)とLTVの伸長を狙うことができる。結果として欠員が減り、急な穴埋めの外注費や残業が抑えられる。(目標例:残業 ▲10〜30%、外注費 ▲5〜15%)安全と品質の両立ができると、管理会社・施設側との長期契約が取りやすくなり、単発受注中心から『定期契約+追加メニュー』へLTV型の収益構造に転換しやすい。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:エイジフレンドリー補助金(厚生労働省) 使途:転倒防止・身体負担軽減のための設備/備品導入と教育 採択の論点:安全投資で就労継続を支援→欠員・事故を減らし品質と稼働率を守る。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(千葉労働局の事例PDF) 参照URL 千葉労働局:エイジフレンドリー補助金 事例PDF:https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/content/contents/001090066.pdf |
F社(岐阜県(地域連携))
| 1. 会社名・個人事業主名 | F社(家事支援・ハウスクリーニング/高齢者向け) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 岐阜県大垣市周辺で、家事支援・ハウスクリーニング等の生活支援サービスを提供する小規模事業者(NPO)。高齢化が進む地域では『掃除ができない/家事が重い』という潜在需要が増える一方、サービスの存在が知られないと、利用者は行政・包括支援センターや近所の口コミに頼りがちで、新規獲得(リード)が伸びにくい。同社は商工会議所の支援事例として、販路開拓の取り組みが紹介されている。単発の掃除だけでなく、定期訪問や見守りと組み合わせた継続型サービスに発展させやすい領域である。提供形態は訪問・現場型で、顧客宅の状況が毎回異なるため、作業の見積・範囲合意(どこまでやるか)が重要になる。同社は地域の生活課題に接続した事業であり、地域連携が成果を左右する。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | ハウスクリーニングはBtoC寄りで、価格比較が起きやすい。また、信頼が重要なサービスのため、無名だと問い合わせまでの心理的ハードルが高い。地域の高齢者向けでは、ネット検索だけでなく、家族(遠方の子世代)や支援者(ケアマネ等)が意思決定に関与するため、『誰に何を訴求するか』が曖昧だと広告費が無駄になりやすい。さらに、単発受注だけだと移動時間が粗利を圧迫し、売上が“稼働時間”に縛られる。本来は、定期契約(LTV)で移動をまとめ、作業計画を平準化し、稼働率を上げる必要がある。しかし、定期契約にするには“安心材料(実績・口コミ・手順)”が要るが、小規模事業者ほど情報発信の体制が弱く、獲得が頭打ちになりやすい構造課題があった。加えて、高齢者向けは『支払い方法』『日時調整』『鍵の受け渡し』など周辺業務が多く、オペレーションが未整備だと事務工数が膨らむ。価格を上げにくい中で、事務工数が増えると粗利が削られるため、受注後の運用(予約・顧客管理・標準手順)が重要だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 商工会議所の伴走支援のもと、(補助金活用:要確認)ホームページやチラシ等の販促物を整備し、『高齢者の暮らしを支える家事支援』という文脈でサービスを再定義。単なる“掃除代行”ではなく、①片付け・掃除、②見守り、③軽作業、④相談窓口、を束ねて提案することで、価格比較から“安心のパッケージ比較”に持ち込む設計にした点がポイント。運用では、問い合わせ導線を「電話」だけにせず、家族向けにWebから依頼しやすくし、初回はスポット、2回目以降は定期(隔週・月1)への提案を標準化。また、地域の支援者(ケアマネ、包括支援センター等)に説明しやすい資料(サービス範囲、料金、対応可能時間)を用意し、紹介チャネルを作ることで広告依存を下げる。(目標例:成約(受注)率 +5〜15pt、継続月数 +1〜3か月)補助金としては、小規模事業者持続化補助金での『チラシ制作・配布』『Webサイト/LP制作』『広告出稿』が典型で、採択の論点は『地域の需要(高齢化)→販路(家族/支援者)→受注→継続化』の因果を描けること。特に“継続化”をKPIに置くと、単なる広告ではなく経営改善として説得力が出る。また、サービス品質を担保するため、作業前後の写真共有やチェック項目を定型化し、家族に『どこをどう改善したか』を見せる運用にすると、継続提案が通りやすい。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 情報発信の整備により、信頼性が上がり、紹介・検索からの新規獲得が増える。(KPI:新規獲得(リード)/成約率/継続・LTV)目標例として、問い合わせ数 +10〜30%、成約率 +5〜15pt、継続率 +5〜10pt。今後は、地域の医療・介護事業者と連携し『退院後の生活支援』『空き家の定期管理』など周辺領域に広げると、継続契約比率が上がり、移動のムダが減って粗利率改善(+1〜3pt:目標例)につながる。地域連携が強まるほど、紹介が増え広告費が相対的に下がり、LTVが伸びる“守りと攻めの両方”に効く。さらに、定期契約が増えるとルートを組みやすくなり、1日あたり訪問件数が増えるため、稼働率(回転)改善にもつながる。(目標例:稼働率 +5〜15pt、移動/巡回時間 ▲20〜40%) |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:(要確認)補助金を活用した販路開拓(HP作成、チラシ作成等)と紹介されている。 制度候補:小規模事業者持続化補助金(販路開拓:HP/チラシ/広告) 使途:Web・紙媒体での訴求、紹介者(支援者)向け資料整備 採択の論点:地域課題(高齢化)に対し、販路(家族/支援者)を設計→受注→定期化(LTV)で経営改善につなげる。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(商工会議所の支援事例) 参照URL 大垣商工会議所 支援事例(ページ内:清爽力):https://www.ogaki-cci.or.jp/ (サイト内検索で「清爽力」「支援事例」) |
G社(千葉県(首都圏))
| 1. 会社名・個人事業主名 | G社(ビル・マンション清掃/多国籍人材) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | 千葉県(市川市)を拠点に、関東近郊のビル・マンション清掃を行う清掃会社。従業員の半数が外国人という多様な労働力で現場を回しており、言語・文化差を前提に『簡単で誤解が少ない運用』が必要になる。現場は分散し、出退勤・作業状況・移動の把握が難しいため、デスクレスワーカー向けアプリ(cyzen)を導入して可視化を進めた導入事例が公開されている。主要顧客は法人・管理会社でBtoB寄りだが、現場品質の評価は入居者や利用者の体感(臭い、見た目、共用部の清潔感)で決まる。同社のような多国籍体制では、教育の省力化と品質の均一化が事業拡大の前提になる。アプリ導入は、言語の壁を越えて同じ手順で働ける環境づくりとして有効で、人材制約(採用難)を構造的に緩和する打ち手になり得る。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 多拠点清掃では、勤怠の不透明さが“品質の不透明さ”に直結する。誰が何時に現場に入り、どの範囲を清掃し、どの写真が証跡かが曖昧だと、顧客への説明ができず、クレーム時に再訪せざるを得ない。また、外国人スタッフ比率が高い場合、口頭指示や紙マニュアルは誤解が起きやすく、指示の伝達ミスが手戻り工数を増やす。さらに、現場が増えると管理者は“確認”に追われ、現場改善や提案活動(高付加価値化)に時間を割けなくなる。清掃業は単価が上げにくい構造上、『透明性の担保(証跡)→品質安定→継続→受注増』の循環を作れるかが競争力になる。また、勤怠が曖昧だと“請求根拠”も弱くなり、追加作業(臨時清掃)を提案しても『本当にやったのか』と疑われると単価が取れない。結果として、付加価値提案がしにくく、価格競争に巻き込まれやすい。『見える化=信頼』を作れないことが、平均単価と継続の上限になっていた。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | cyzenの出退勤打刻、活動の自動記録、リアルタイム状況可視化などを活用し、現場ごとの開始・終了・移動を“自動でログ化”する運用に転換。成功のポイントは、GPS等で勤怠を厳格化すること自体ではなく、①顧客への説明資料(いつ・どこで・誰が・何を)を作れる状態にする、②管理者が例外(遅延・未完了)だけを見る運用にする、③多言語でも理解できるUIで指示の誤解を減らす、の3点。これにより、現場の透明性が上がり、スタッフの意識も改善したとされる。運用としては、チェック項目を案件タイプ別にテンプレ化し、写真の撮影角度・枚数を標準化して品質を揃える。(目標例:事務工数/件 ▲20〜50%、手戻り工数 ▲10〜25%)データが取れるようになった後は、現場別に“標準時間”を設定し、遅延が出た場合は原因(移動、備品不足、手直し)をタグ付けして改善につなげる。こうした改善サイクルが回ると、管理者の役割が『監視』から『改善』に移り、現場提案(ワックス、空調清掃等)の営業余力が生まれる。(目標例:平均単価 +10〜20%)具体的には、現場写真を“良い例/悪い例”として蓄積し、教育を動画・画像中心にすることで、OJT依存を下げられる。この仕組みは、協力会社や外注を使う場合にも転用でき、品質担保コストを下げる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 導入により、出退勤確認が容易になり作業の透明性が向上した旨が示されている。(KPI:工数/品質/回収(説明責任))透明性が上がると、管理会社・オーナーへの報告がスムーズになり、継続契約の更新率向上(+5〜10pt:目標例)につながる。今後は、活動ログを分析し、ルートの最適化や作業標準時間の整備を進めると、移動/巡回時間 ▲20〜40%(目標例)、稼働率 +5〜15pt(目標例)を狙える。加えて、外国人スタッフの定着が進むと採用・教育コストが下がり、繁忙期の受注枠を広げやすくなる。(目標例:継続月数 +1〜3か月、稼働率 +5〜15pt)報告のスピードが上がることで請求発行も早まり、回収(入金)のリードタイム短縮にも波及しやすい。(目標例:回収リードタイム ▲10〜20%) |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用(記事上で補助金言及なし) 投資内容:デスクレスワーカー向け業務支援アプリ(出退勤・活動管理・可視化) ※補助金を使うなら:IT導入補助金(業務効率化)や自治体DX助成の対象になり得る(要件要確認)。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(導入事例/プレスリリース) 参照URL 導入事例(cyzen):https://www.cyzen.cloud/casestudy/miyago PR TIMES(導入事例公開のニュース):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000207.000042959.html |
H社(首都圏(所在地の明記なし))
| 1. 会社名・個人事業主名 | H社(ハウスクリーニング/訪問型BtoC) |
| 2. 切り口 |
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| 3. 会社概要 | ハウスクリーニング(訪問型)のBtoCサービス事業者。依頼はエアコン・水回り・入退去清掃など季節波動が大きく、繁忙期は電話が鳴り続けて“予約受付”がボトルネックになりやすい。同社は予約システム(Airリザーブ)を導入し、電話予約とカレンダー管理、リソース管理を整備した導入事例が公開されている。訪問型は移動時間が原価に直結するため、予約の取り方(時間枠・エリア)を設計できるかが粗利を左右する。顧客は家庭・個人が中心で、口コミや比較サイトで選ばれるため、予約体験(レスポンスの早さ、希望日時が取れるか)がそのまま成約率に影響する。予約が整うと、広告やSEOの投資効果(CVR)が上がりやすい。訪問型の“移動が原価”という構造に対して、予約データを使ったエリア最適化は最も効く改善領域の一つ。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | ハウスクリーニングは単価が案件内容で大きく変わり、見積・日程調整・訪問時間の確定までに複数回のやり取りが発生しがちで、受付工数が増えるほど機会損失(電話に出られず取り逃す)が起きる。また、スタッフ・機材(高圧洗浄機、養生材等)の空き状況を考慮せず予約を入れると、当日の段取り変更や移動のムダが発生し、稼働率が落ちる。さらに、キャンセルや日程変更が多いと、スキマ時間が増えて売上が頭打ちになる。清掃業の構造課題である『人手不足×季節波動×移動コスト』の中で、予約業務を省力化し、かつ“取りたい予約だけ取る”設計ができないと、広告でリードを増やしても利益が増えないという問題があった。特にエアコン清掃は6〜8月に集中し、『電話がつながらない=失注』が起きやすい。失注は売上機会だけでなく、リピートの芽(LTV)も失う。また、予約が詰まりすぎると品質が落ち、低評価口コミが増えて中長期のリードが減るため、“受け過ぎない”コントロールも重要だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 予約システム導入で、電話予約を受けつつ、管理画面の予約カレンダーで一元管理。スタッフや設備などのリソースの空き状況を登録し、予約受付時に自動で空き確認できる運用にした。成功のポイントは、単にカレンダーを置くのではなく、(1)メニュー別の所要時間(エアコン、換気扇、水回り等)、(2)必要機材、(3)対応可能エリア、を“予約枠のルール”として登録し、段取り崩れを予防したこと。これにより、受付担当の判断負荷が下がり、繁忙期でも取り逃しを減らせる。また、予約データが残ることで、繁忙期の需要予測ができ、閑散期に広告費を抑えたり、リピーター向けの定期提案(半年に1回のエアコン清掃等)を打ちやすくなる。(目標例:成約率 +5〜15pt、キャンセル率 ▲5〜10pt、事務工数/件 ▲20〜50%)さらに、電話で受けた予約も同じカレンダーに入力することで、『電話対応ができる人しか把握できない』状態をなくし、チームでの引き継ぎを容易にした。受付の標準化は、アルバイト採用でも回るオペレーションになり、固定費を増やさず繁忙期対応ができる。運用のコツとしては、予約枠にバッファ(移動時間)を組み込み、同一エリアでの連続作業を優先するルールを作ること。これにより、当日の遅延連鎖を防ぎ、品質(手戻り)も守れる。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 予約の一元化により、段取りミスや二重予約を防ぎ、稼働率(回転)を上げやすい。(KPI:新規獲得(リード)→成約率/稼働率/工数)目標例として、稼働率 +5〜15pt、移動/巡回時間 ▲20〜40%、平均単価 +10〜20%。今後は、予約データを基に“エリア別に曜日固定の巡回枠”を作るなど、移動のムダを削る設計に踏み込むと、粗利率の改善(+1〜3pt:目標例)が狙える。予約体験が良くなると、口コミ・紹介が増え、獲得単価(CPA)も下がる方向に働く。(目標例:広告費/獲得 ▲5〜15%)結果として、受注数を増やしながら、品質を落とさずに回せるため、継続・LTV(定期清掃)への提案余力が生まれる。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用(導入事例上で補助金言及なし) 投資内容:予約システム導入(カレンダー・リソース管理) ※補助金を使うなら:IT導入補助金(予約/顧客管理)や持続化補助金(予約導線整備+広告)と相性が良い。 |
| 8. リンク先(出典) | 本文下のURL参照(予約システム導入事例) 参照URL 予約システム導入事例(Airリザーブ):https://airregi.jp/reserve/case/98/ |
3. 補足・参考情報欄
- 関連補助金(国・自治体の典型)
- 小規模事業者持続化補助金:Web/LP・チラシ・広告・新サービスの販路開拓(“継続化”KPIを置くと強い)。
- IT導入補助金:予約/顧客管理、見積・請求、現場写真台帳、勤怠・活動管理などの業務効率化。
- 業務改善助成金:生産性向上設備(高圧洗浄機等)+賃上げのセットで説明しやすい。
- エイジフレンドリー補助金:転倒防止・身体負担軽減など、安全投資=定着投資として有効。
- 自治体DX助成(東京都・各県等):現場管理SaaS、モバイル端末、業務プロセスの再設計支援(公募要件は都度確認)。
- DX参考サイト/ツール(予約/CRM/見積・請求/現場管理)
- 予約:Airリザーブ、RESERVA、STORES予約(比較検討のたたき台)。
- 現場管理:Breezeway等のチェックリスト型、写真報告型ツール(民泊/施設で相性◎)。
- 勤怠・活動可視化:cyzen等のデスクレスワーカー向けアプリ。
- 見積・請求:クラウド会計/請求書サービス(freee、マネーフォワード等)+現場写真台帳の連携。
- LINE運用:公式アカウントで見積相談→予約→リピート配信(定期清掃の提案)
- 支援機関(商工会/商工会議所/よろず等)
- 商工会・商工会議所:持続化補助金の事業計画、販促物の設計、紹介チャネルづくり。
- よろず支援拠点:価格設計、導線改善、SNS/Googleビジネスプロフィール改善。
- 自治体の産業振興公社:DX助成・設備投資助成の情報、専門家派遣。
- 労働局:業務改善助成金、エイジフレンドリー補助金など助成金の相談窓口。
