ガソリンスタンド業界_成功事例レポート

ガソリンスタンド業界_成功事例レポート

目次

1. 冒頭概要

ガソリンスタンド業界の売上上限は、概ね「給油数量 × 1L当たり粗利」に加え、「洗車・コーティング・タイヤ・整備・車検・レンタカー・カーリースなど油外収益」で決まる。ところが、燃費改善、EV化、価格比較の容易化、セルフ化の進展により、燃料粗利だけで固定費を吸収するモデルは年々厳しくなっている。固定費は、危険物設備の維持更新、人員配置、安全管理、敷地・照明・洗車設備などが重く、特に地方店では「地域インフラである一方、単体採算は弱い」という構造矛盾を抱えやすい。

このため、成功している中小SSは、単に「ガソリンを安く売る店」から脱し、①洗車・コーティング・タイヤ・整備で平均単価と粗利率を上げる、②会員化・サブスク化・アプリ化でLTVを高める、③コインランドリー・カフェ・レンタカー・EV関連などで来店理由を増やす、④省人化・無人化・導線改善で人時生産性を高める、という方向に舵を切っている。補助金・助成金が効きやすいのは、まさにこの「販路開拓」「省力化」「高付加価値化」「新事業進出」の4領域である。対象補助金の大枠は、ユーザー提供の「補助金リスト.docx」にある経産省系と首都圏自治体系を優先した。

成功パターンを総括すると、次の3点に集約できる。

  • 洗車・整備・コーティングを“待ち時間消費”から“指名来店商品”に変えると、来店頻度・平均単価・粗利率が同時に動く。
  • 会員制・サブスク・アプリ決済を入れると、単発客が継続客に変わり、LTVと稼働率の安定化が進む。
  • GSの立地・顧客接点・既存顧客台帳を活かして新サービスを重ねると、新規獲得コストを抑えながら新事業を立ち上げやすい。

2. 成功事例(A〜I)

A社(東京都・洗車サブスク特化型)

1. 会社名・個人事業主名A社
2. 切り口CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/広告宣伝(デジタル)/ITツール活用(集客、広告宣伝)/ITツール活用(業務効率化、自動化)/新規事業・多角化/生産性向上
3. 会社概要東京都多摩エリアでサービスステーションを運営しながら、洗車を独立採算の成長事業として再設計した事例。燃料販売を主軸にしつつも、将来のEV化と給油需要の減少を見越し、早い段階から「油外収益の中で何を伸ばすか」を洗車に定めた。従来のGS内サービスとしての洗車ではなく、スマホ完結・定額・高頻度利用を前提にした“来店型サブスクサービス”へ組み替えた点が特徴である。
4. 当初の課題・挑戦業界全体で、給油は価格比較の対象になりやすく、粗利が薄い。一方で洗車は粗利を取りやすいが、多くの店舗では「ついで利用」にとどまり、販促・会員管理・決済導線が弱く、常連化しにくい。さらに、有人前提だと受付や説明の工数がかかり、人手不足下では拡大余地が限られる。A社はこの構造を踏まえ、洗車を“単発メニュー”のまま売るのではなく、月額制で利用障壁を下げ、来店回数を増やし、周辺売上へ波及させるモデルに挑戦した。課題は、①単発売上の減少リスクをどう吸収するか、②サブスク会員をどう安定獲得するか、③現場オペレーションを省人化しても顧客満足を落とさないか、の3点だった。
5. 取組み・成功のポイントA社は月額1,980円の洗車サブスクを核に、ホームページ最適化、SNS広告、スマホ決済、無人運営システムを順次実装した。重要なのは、値下げではなく「頻繁に洗いたい顧客にとっての利便性」を商品価値にした点である。利用のたびに都度決済させるのではなく、月額固定で心理的コストを下げることで来店頻度を上げ、その結果として洗車品質の体感、アップセル余地、会員継続が生まれる構図をつくった。また、集客→決済→洗車体験までをスマホ中心にしたことで、受付・精算・案内の工数を圧縮し、人手不足局面でも伸ばせるモデルに転換した。これは「新規獲得(デジタル集客)」「継続・LTV(サブスク)」「工数削減(無人化)」を一気通貫でつないだ好例である。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量面では、月額1,980円モデルを確立し、FC店では初月会員70名・LTV換算700万円、別の新店では事前登録400名超、開業約2か月半で会員数700名突破が公表されている。加えて、外部紹介記事では洗車粗利2.7倍とされている。定性面では、洗車がGSの補助メニューではなく独立成長事業として認知され、無人化とドミナント展開まで進んだ点が大きい。今後は会員維持率、ARPU、会員からコーティング等への送客率が主要KPIになる。
7. 補助金・助成金の活用未活用(確認できた範囲では補助金活用の明示なし)。ただし、今後の横展開ではデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)(要確認)や東京都のマルチエネルギー化支援の活用余地が大きい。使途例は会員管理、予約・決済、遠隔監視、販促LP改善。採択論点は「省人化とLTV向上を同時に実現し、労働生産性を高める計画」である。
8. リンク先(出典)https://www.tamashin.jp/business/support/bluegreen/data/g2023_2.pdfhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000107290.htmlhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000107290.htmlhttps://kuruma-biz.funaisoken.co.jp/blogs/column/column-20050

B社(千葉県・複合型次世代SS)

1. 会社名・個人事業主名B社
2. 切り口新規事業・多角化/店舗体験・動線/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/接客・サービス/広告宣伝(デジタル)/補助金活用
3. 会社概要千葉県で複数のSSを運営する中小企業が、佐倉市で大型複合拠点を立ち上げた事例。給油、コインランドリー、カフェ、コーティング、ドライブスルー洗車を一体化し、「車を洗う」「衣類を洗う」「待ち時間を過ごす」を同一敷地で完結させる設計にした。従来のGSは滞在価値が低く、来店目的が給油に偏りやすいが、B社は来店理由を複線化し、目的来店とついで利用の双方を狙う構成へ転換した。
4. 当初の課題・挑戦ガソリン需要の長期減少に対し、油外収益を増やしたいSSは多いが、単にランドリーやカフェを足しても、動線が分断されると相乗効果は出にくい。B社の挑戦は、「別業態の寄せ集め」ではなく、「洗う」をテーマにした一体設計で顧客体験を束ねることにあった。課題は、①初期投資が大きい、②新業態の立上げノウハウが不足する、③給油客をどう他サービスへ送客するか、④逆にランドリー客をカーケア客へ転換できるか、である。価格競争から離れ、高付加価値型の来店拠点へ変わるには、敷地設計・看板・待機導線・滞在導線を同時に作り込む必要があった。
5. 取組み・成功のポイントB社は、SS・ランドリー・カフェ・キーパープロショップ・サブスク洗車を一体化したWASH TERRACEを整備した。ポイントは「油外売上の積み上げ」よりも、「来店理由の束ね方」にある。布団洗いやシューズ洗濯のために来た客にカフェ滞在を促し、車整備や洗車待ちの客にはランドリーやカフェの利用価値を提示することで、滞在時間を売上に変える構造を作った。また、サブスク洗車を入れることで、単発の給油客を継続来店客へ変える土台も設けた。これは平均単価だけでなく、来店頻度、家族利用、口コミ、周辺商圏での想起率を上げやすい。設備投資型だが、無形の価値は「敷地の再編集」による競争回避である。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量面では、申請支援会社の事例紹介で事業再構築補助金8,000万円級の申請を支援したとされ、企業公式でも県内17店舗目のSSを核にした大型複合店舗として公表されている。定性面では、従来のSSに不足しがちな“滞在価値”を加え、給油単価依存から脱却する布石を打てた点が重要である。数値が未公表のためKPIは目標例となるが、洗車会員化率+10〜20%、油外売上比率+5〜15pt、客単価+10〜20%が妥当な管理指標になる。
7. 補助金・助成金の活用活用済。制度名は事業再構築補助金(要確認)。使途は、コインランドリー設備、カフェ設備、コーティング設備、ドライブスルー洗車機、複合店舗の立上げ費用。採択の論点は「ガソリン需要減少という外部環境に対し、既存顧客接点と敷地を活かした新分野展開で売上構造を転換すること」にある。
8. リンク先(出典)https://planbase.co.jp/cases/135/https://www.yabusaki-kk.com/news/20230721https://fysyukarigaoka-ss.yabusaki-kk.com/

C社(埼玉県・フィルム施工への事業再構築)

1. 会社名・個人事業主名C社
2. 切り口新規事業・多角化/補助金活用/接客・サービス/ブランディング/価格戦略・値上げコミュニケーション
3. 会社概要埼玉県川口市で地域密着型のSSを運営する中小企業が、フィルム施工サービスへ事業再構築した事例。既存の給油・洗車・軽整備だけでは単価上昇余地が限られる中、より高単価で専門性を訴求できるサービスへ踏み出した。ガソリンスタンドは「クルマの相談窓口」という信頼を持つが、その信頼を高粗利メニューへ接続できるかどうかで収益構造は大きく変わる。
4. 当初の課題・挑戦地域密着型SSは来店頻度こそあるものの、給油価格競争に巻き込まれやすく、洗車も単価競争になりやすい。そこでC社は、来店客との接点を活かしながら、比較的高単価で提案型販売に向くフィルム施工へ進出したと考えられる。課題は、①専門技術の習得、②作業品質の平準化、③「給油の店」から「車をキレイに・快適にする店」への認知転換、④施工メニュー販売時の説明品質である。単にメニューを足すだけでは売れず、既存客の悩み(暑さ対策、プライバシー、見た目改善)に結び付けて提案する必要がある。
5. 取組み・成功のポイント公式採択一覧から読み取れる成功要因は、既存の地域顧客基盤を活かしつつ、新たな高付加価値メニューを導入した点である。SS来店客は車に関する困りごとを相談しやすいため、フィルム施工は「新規顧客獲得」だけでなく「既存顧客単価アップ」に効く。洗車・コーティング・車内快適性提案とセットで提案すれば、単品販売より受注率を高めやすい。また、作業単価が高く、価格訴求より品質訴求がしやすいため、粗利率改善にも寄与しやすい。設備投資型の再構築だが、本質は“高単価商品を売れる接客導線づくり”にある。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量値は未公表のため目標例になるが、平均単価+10〜20%、粗利率+1〜3pt、施工受注率+5〜15ptが現実的な管理レンジである。定性面では、SSの役割を「燃料供給」から「カーライフの価値提供」へ広げ、価格競争の土俵をずらせる点が大きい。今後は施工品質レビュー、再施工率、コーティング・洗車とのセット販売比率が重要KPIとなる。
7. 補助金・助成金の活用活用済。制度名は事業再構築補助金。使途は、フィルム施工に必要な施工設備・作業環境整備・販促整備等と考えられる。採択の論点は「地域密着型GSの顧客接点を活かし、高付加価値サービスへ進出して収益構造を転換すること」である。
8. リンク先(出典)https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/tokubetsu_all11.pdf(「有限会社町田鉱油/地域密着型ガソリンスタンドがフィルム施工サービスで事業再構築」を参照) / https://www.navitime.co.jp/poi?spot=01376-19103000036

D社(千葉県・会員洗車とキャッシュレス強化)

1. 会社名・個人事業主名D社
2. 切り口CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/ITツール活用(集客、広告宣伝)/ITツール活用(業務効率化、自動化)/接客・サービス
3. 会社概要千葉県内で多数のSSを展開する中堅規模の地域企業が、会員洗車・アプリ決済・クーポン配信を活用して、カーケア売上の継続課金化を進めている事例。給油だけに依存せず、洗車・コーティング・車検・整備などを組み合わせてカーライフ全体の接点を持つ戦略に特徴がある。
4. 当初の課題・挑戦多店舗展開型のSSは、店舗ごとの品質差や販促差が出やすく、洗車は「機械があるだけ」で終わるとリピート化しにくい。しかも都度払い中心だと、雨・季節・気分で来店頻度がぶれやすい。D社の課題は、①来店頻度の平準化、②キャッシュレス対応による受付負荷低減、③店舗ごとの販促運用の標準化、④クーポンや会員施策による再来店促進だった。
5. 取組み・成功のポイントD社は、定額洗車チケットやサブスク型洗車、キャッシュレス決済、クーポン配信を組み合わせ、都度払い型の洗車を会員型へ寄せている。これにより、顧客は「汚れたら行く」ではなく「使えるから行く」行動に変わる。店舗側も来店履歴や利用傾向を踏まえた再来店促進がしやすくなり、クーポン設計次第で閑散時間の稼働率も調整できる。さらに、洗車の受付や精算がデジタル化されることで、スタッフは高付加価値商材の提案や接客に時間を振り向けやすくなる。つまり、LTVと工数削減の両立である。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量値は未公表だが、会員モデルでは継続率+5〜10pt、来店頻度+10〜20%、事務工数▲20〜30%が目標レンジとして妥当である。定性面では、多店舗でも運用を標準化しやすく、洗車を安売り商品ではなく関係維持商品に変えられる。今後は会員継続率、アプリ経由売上比率、洗車からコーティングへのアップセル率を追うとよい。
7. 補助金・助成金の活用未活用(確認できた範囲では補助金活用の明示なし)。今後はデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)(要確認)の対象になりやすい。使途例は会員管理アプリ、クーポン配信、POS・決済連携、顧客台帳一元化。採択論点は「多店舗SSの生産性向上と顧客継続率改善」である。
8. リンク先(出典)https://www.horienet.com/nisseki_reon/corporate.phphttps://washpass.jp/61611/0001https://washwalletapp.com/shop/130685_192821/index.html

E社(愛媛県・手洗い洗車強化)

1. 会社名・個人事業主名E社
2. 切り口補助金活用/店舗体験・動線/接客・サービス/販路開拓・営業活動(EC・越境EC・卸・代理店)/価格戦略・値上げコミュニケーション
3. 会社概要愛媛県でガソリンスタンドを営む中小企業が、手洗い洗車を主力の油外収益として磨き込み、補助金を使って動線改善を行った事例。業界ではセルフ化が進む一方、手洗い洗車は品質差が出やすく、価格競争を避けやすい領域である。同社は、地域内での差別化余地を“設備更新”ではなく“作業動線と見せ方”に求めた。
4. 当初の課題・挑戦ガソリン需要減少に加え、オイルやタイヤ交換売上も落ち込む中で、同社は収益率を高めるために手洗い洗車とコーティングに力を入れていた。しかし、冬の繁忙期には灯油販売スペースが洗車スペースの近くにあり、作業効率が悪く、洗車台数を伸ばしにくかった。つまりボトルネックは集客より“処理能力”にあった。せっかく需要があっても、動線が悪ければ売上は取り切れない。さらに、国道沿いの立地を活かしたアピールも十分ではなかった。
5. 取組み・成功のポイント同社は小規模事業者持続化補助金を活用し、灯油計量器をガソリン給油スペース近くへ移設して、手洗い洗車スペースを拡充した。重要なのは、単なる設備移設ではなく「強みの商品に作業面積を再配分した」点である。洗車スペース確保により、夕方の通行量が多い時間帯にデモンストレーションが可能となり、通行客への視認性も高まった。さらに、2人対応が必要だった作業を1人で回しやすくなり、作業効率と接客対応力が改善した。これは工数削減と販路開拓を同時に実現した好例である。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量面では、50万円の補助を受け、手洗い洗車スペースを十分に確保した結果、町外客や手洗い洗車にこだわるリピーターが増え、売上向上につながったと報じられている。作業面では2人対応が1人で可能になり、工数削減効果も出た。定性面では、手洗い洗車の“見える化”により品質訴求がしやすくなった。今後は、手洗い洗車受注件数、1人当たり処理台数、町外客比率、コーティング併売率が主要KPIになる。
7. 補助金・助成金の活用活用済。制度名は小規模事業者持続化補助金。使途は、灯油計量器の移設、手洗い洗車スペース拡充、販促演出。採択の論点は「強みである手洗い洗車の販路開拓と作業効率改善を同時に実現する計画」である。
8. リンク先(出典)https://www.shokokai.or.jp/shokokai/pdf/201707/58-59_%E5%95%867_%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91.pdf

F社(鳥取県・レンタカー新規事業)

1. 会社名・個人事業主名F社
2. 切り口新規事業・多角化/PR・広報/広告宣伝(デジタル)/地域連携/接客・サービス
3. 会社概要鳥取県の町内でガソリンスタンドを営む中小企業が、個人向けレンタカー事業へ進出した事例。地方SSは人口減少・燃料需要減少の影響を受けやすいが、一方で公共交通が薄い地域では移動ニーズそのものは消えない。同社は、地域の交通課題と自社の車両・整備知見を重ね合わせて新サービス化した。
4. 当初の課題・挑戦原油価格の乱高下が続く中、油外商品の売上比率を高める必要があった。また、設備更新の必要がある業種でありながら、十分な収益力がないと投資を回し続けられない。地方では「給油需要は減るが移動需要は残る」というねじれがあるため、ガソリン販売だけで地域ニーズに応えるのは難しくなる。同社は町の公共交通総合計画を補完する形で、夜間対応も含む個人向けレンタカー事業を開始した。単なる新事業ではなく、“地域の困りごと解決”に乗せた点が重要である。
5. 取組み・成功のポイント商工会支援のもと、現状分析、ニーズ調査、市場環境分析、鳥取県版経営革新計画の策定、町報・商工会だより・ホームページでのPR支援を受けながら事業を立ち上げた。強かったのは、既存SSの認知と信頼を下敷きにしたこと、軽トラックやワンボックスなど用途別車種を揃えたこと、そして行政の移動課題解決と接続したことである。これにより、新規顧客獲得コストを抑えながら、既存事業との相乗効果を生みやすくした。車両管理や整備ノウハウがあるSSは、レンタカー事業との親和性が高い。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量面では、売上計画比106.2%を達成し、新規顧客が増加したと報告されている。定性面では、既存給油事業との相乗効果が生まれ、知名度と収益力が向上し、町に不可欠な事業として認知された。今後はレンタカー稼働率、給油・整備への送客率、観光・地域交通連携による利用件数が主要KPIになる。
7. 補助金・助成金の活用未活用(確認できた範囲では補助金交付の明示なし)。主軸は経営革新支援とPR支援。今後の横展開では新事業進出補助金(要確認)や自治体系の観光・地域交通連携支援が候補。使途例は予約導線、車両管理、専用LP、案内導線整備。採択論点は「地域交通課題を補完する新サービスで売上構造を転換すること」。
8. リンク先(出典)https://www.tori-skr.jp/sienjirei/H2907.pdf

G社(兵庫県・事業承継後の整備強化)

1. 会社名・個人事業主名G社
2. 切り口事業承継/新規事業・多角化/人材活用・採用・育成/生産性向上/標準化・マニュアル化
3. 会社概要兵庫県でガソリンスタンド、自動車整備業、自動車賃貸業を営む中小企業が、事業承継後に整備工場改修と新規設備投資を行い、レンタカー・カーリースへ広げた事例。SSは事業承継局面で設備老朽化、顧客離れ、後継者の経営感覚不足が同時に噴出しやすい。同社は承継を“守りの引継ぎ”ではなく、収益構造見直しの起点にした。
4. 当初の課題・挑戦事業承継後の企業は、既存顧客との信頼関係を維持しつつ、新しい収益源も作らなければならない。特にSSでは、過去の値引き慣行や薄利構造を引きずると、設備更新の原資が出ず、承継後に一気に苦しくなる。同社も資金調達が課題で、整備工場改修や設備投資を進めたくても、金融機関融資の条件が厳しかった。そこで、整備部門強化を軸にレンタカー・カーリースへ広げ、既存顧客のカーライフ全体を押さえる方向へ進んだ。
5. 取組み・成功のポイント同社は商工会を通じてマル経融資を活用し、融資手続支援に加えて、事業計画・資金繰り計画、労務助言、専門家紹介まで受けた。成功要因は、事業承継を単なる名義変更で終わらせず、数字を読む経営・利益とキャッシュフロー重視へ切り替えた点にある。整備部門を強化すると、車検・修理・レンタカー・リースとの相互送客が可能になり、単発の給油売上に依存しにくくなる。また、継続的な支援で新事業導入時の顧客離れリスクを抑えられた。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定性面では、整備部門強化と新事業進出により事業の幅が広がり、売上回復と財務基盤の安定化につながったと報告されている。地域におけるサービス拡充や雇用創出にも寄与した。数値未公表のため目標例となるが、整備売上比率+5〜10pt、リース・レンタカー継続月数+1〜3か月、資金繰り安全月数の改善が妥当な管理指標である。
7. 補助金・助成金の活用未活用(確認できた範囲では補助金交付の明示なし。主な資金手当はマル経融資)。ただし支援機関から補助金・助成金の提案は受けている。今後の候補は事業承継・M&A補助金(要確認)や省力化投資補助金。使途例は整備機器、顧客管理、見積・請求一元化、後継者育成。採択論点は「承継後の収益基盤強化と地域サービス維持」である。
8. リンク先(出典)https://www.shokokai.or.jp/jigyou/finance/marukei_case_study.pdf(P5「有限会社橋詰信石油」を参照)

H社(三重県・EVレンタカーへの転換)

1. 会社名・個人事業主名H社
2. 切り口新規事業・多角化/脱炭素/補助金活用/ブランディング/地域連携
3. 会社概要三重県伊勢市で長く地域密着経営を続けるガソリンスタンドが、EV専門レンタカー事業へ進出した事例。SS業界はEV化を脅威として捉えがちだが、同社は「給油が減る前に、EV利用を地域で支える側へ回る」という発想で新事業を立ち上げた。観光地立地も活かしやすく、脱炭素と観光利便性を結びつけやすい。
4. 当初の課題・挑戦カーボンニュートラルの進展は、従来型SSにとって長期的な需要減少圧力となる。そこでH社は、従来の燃料小売の延長ではなく、EVを観光・移動サービスとして提供する方向へ舵を切った。課題は、①EV利用の認知不足、②観光客・地域客双方にとっての使いやすさ、③既存SSブランドとの整合、④「環境配慮」を売上に変える商品設計である。
5. 取組み・成功のポイント同社は事業再構築補助金のSS関連採択事例として、地域初のEVカーレンタルに取り組んだ。既存の車両管理、顧客対応、立地、観光案内の接点を活かし、「EVを借りる」だけでなく地元案内まで含めた体験設計にしている点が強い。GSは旅先での給油起点になりやすいが、EV化局面では“移動起点”へ役割をずらせる。これは脱炭素を理念で終わらせず、観光・地域交通・新規売上へ接続した好例である。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量値は未公表だが、レンタル稼働率+10〜20%、観光客比率+5〜10pt、関連売上比率+5〜15ptが管理レンジとなる。定性面では、脱炭素対応を地域価値として打ち出し、既存SSの将来不安に対する先手を打てた点が大きい。今後はEV利用件数、観光送客数、口コミ件数、既存SS利用客からの転換率が主要KPIとなる。
7. 補助金・助成金の活用活用済。制度名は事業再構築補助金。使途はEVレンタカー導入、関連設備、事業立上げ。採択の論点は「カーボンニュートラル対応を新需要創出へつなげ、地域発展にも資する新分野展開」である。
8. リンク先(出典)https://simaseki.com/wp-content/uploads/2022/12/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%86%8D%E6%A7%8B%E7%AF%89%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91-%EF%BC%B3%EF%BC%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E6%A1%88%E4%BB%B6%E4%B8%80%E8%A6%A7-%E7%AC%AC1%E5%9B%9E%EF%BD%9E%E7%AC%AC6%E5%9B%9E%E5%85%AC%E5%8B%9F%E5%88%86%E3%81%BE%E3%81%A7.pdfhttps://carrental-aby.com/https://www.chubu.meti.go.jp/d51sekiyu/challenges/data/abuyone/zirei_abuyone_1.pdf

I社(三重県・地域連携型グランピング転換)

1. 会社名・個人事業主名I社
2. 切り口新規事業・多角化/地域連携/ブランディング/補助金活用/PR・広報
3. 会社概要三重県志摩市で複数SSを運営する中小企業が、不採算スタンド撤退後に体験型グランピング施設へ転換した事例。いわゆる“GSの本業強化”からは離れるが、ガソリンスタンド業界が保有する立地資産・顧客接点・地域信頼を別需要へ転換した代表例として示唆が大きい。
4. 当初の課題・挑戦地方のSSでは、人口減少、需要減、設備更新負担が重なり、不採算拠点の維持が困難になる。撤退はやむを得なくても、更地化して終われば収益機会は消える。I社は、志摩のロケーション価値と、地域の漁師・農家・猟師といったプレーヤーを巻き込み、一次産業体験を核にした新たな収益源へ転換した。課題は、①SS顧客基盤と新業態の接続、②地域資源の編集、③観光体験としての見せ方、④季節変動への対応である。
5. 取組み・成功のポイント事業再構築補助金の採択事例では、地域企業・個人と連携し、アクティビティ主体の体験型グランピング施設を運営するとされる。重要なのは、地域資源を単独消費するのではなく、漁師・農家・猟師と組んで“地域でしか体験できない価値”に再編集している点である。ガソリンスタンド業は本来、地域インフラとして住民接点が強い。この信頼やネットワークは、異業種転換でも武器になる。GSが撤退局面に入っても、「土地・接点・信頼」を別事業に転用できれば再生余地はある。
6. 成果・今後の展望(定性+定量)定量値は未公表だが、宿泊稼働率+5〜15pt、客単価+10〜20%、地域連携先数の増加が管理KPIになる。定性面では、単なる撤退ではなく地域資源型事業へ転換し、観光・教育・地域連携を束ねた点が強い。将来的にはリピート率、口コミ、体験プログラム単価が重要指標となる。
7. 補助金・助成金の活用活用済。制度名は事業再構築補助金。使途は宿泊設備、体験提供に必要な施設整備、立上げ関連費。採択の論点は「不採算SSの撤退を契機に、地域連携型の新分野へ転換して地域発展へつなげること」である。
8. リンク先(出典)https://simaseki.com/wp-content/uploads/2022/12/%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E5%86%8D%E6%A7%8B%E7%AF%89%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91-%EF%BC%B3%EF%BC%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E6%A1%88%E4%BB%B6%E4%B8%80%E8%A6%A7-%E7%AC%AC1%E5%9B%9E%EF%BD%9E%E7%AC%AC6%E5%9B%9E%E5%85%AC%E5%8B%9F%E5%88%86%E3%81%BE%E3%81%A7.pdfhttps://info.gbiz.go.jp/hojin/ichiran?hojinBango=3190002010348

3. 補足・参考情報

関連補助金

DX参考サイト

支援機関

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