通所リハビリテーション(デイケア)業界_成功事例レポート
目次
1. 冒頭概要
通所リハ(デイケア)は「定員×提供時間×稼働日数」が売上上限になりやすく、売上を伸ばすには①稼働率(定員充足)②加算算定(単価)③回転(短時間化/枠設計)④キャンセル/送迎ロスの低減が必須です。一方で固定費は人件費比率が高く、リハ職(PT/OT/ST)確保や送迎要員不足で“提供枠を増やせない”構造になりがちです。さらに、記録・計画書・LIFE提出など事務負担が大きく、現場時間(直接ケア/訓練)の圧迫→品質低下→紹介減→稼働率低下の悪循環が起きます。
支援制度が効きやすい領域は、(1) 省力化=記録/請求/情報共有の一元化、送迎ルート最適化、標準化(マニュアル) (2) 高付加価値化=評価の可視化(科学的介護)、専門性のパッケージ化、加算取得 (3) 販路=医療機関連携・ケアマネ連携の導線、紹介の仕組み化(CRM)です。特にIT導入補助金等は「業務工数→可処分時間→サービス品質→稼働率/単価」までの因果を描けると採択ロジックに乗りやすい傾向があります。
成功パターン総括(KPIが動く“型”)
- 記録/請求/利用者情報を“1つに集約”すると、事務工数が▲20〜50% → 空いた時間を訓練・家族説明・連携に再配分でき、稼働率(+5〜15pt)とLTV(継続月数+1〜3か月)が伸びる。
- “評価の標準化・可視化(AI/データ)”で説明力が上がると、家族・ケアマネの納得感が増え、紹介(リード)と継続(LTV)が改善しやすい(紹介比率↑、解約率↓)。
- “サービス拡張(訪問・短時間・専門特化)”を既存顧客データと同じ基盤で運用すると、二重入力を消しつつクロスセルが可能になり、稼働率と単価を同時に押し上げられる。
2. 成功事例(A〜H:8件)
事例A(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | A社 |
| 2. 切り口 | データ活用/AI活用/品質・安全・認証(HACCP/ISO等)/標準化・マニュアル化/接客・サービス |
| 3. 会社概要 | 都市部の住宅地で、短時間〜通常時間の通所リハ相当サービスを提供するデイケア事業者。利用者のADL維持・向上を主目的に、定期的な体力測定と個別訓練計画の更新を行う。売上は「枠(定員)×稼働」の制約を受けやすく、増枠よりも“離脱抑制と紹介”が成長の中心。スタッフは専門職比率が高い一方、経験差が評価のブレを生み、サービス品質の再現性が課題になりやすい。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 3か月ごとの体力測定で、測定者によって数値がぶれる(声かけや手順の差)→評価結果の信憑性が揺らぎ、利用者・家族への説明力が弱くなる。デイケアは「成果が見えにくい」と継続理由が作りにくく、LTV(継続)と紹介に直撃する。さらに、評価のばらつきは訓練計画のPDCAを遅らせ、現場の納得感も下げる(品質の構造課題)。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | モーションAIで測定手順・判定を標準化し、評価の再現性を担保。ポイントは「AIで置き換える範囲」を“測定のばらつきが出る工程”に絞ったこと。運用面では、(1) 測定→即時フィードバック→家族説明までを同一導線に組み込み、(2) 職員の経験差が出にくい声かけ・判定を仕組みに寄せた。結果として品質KPI(測定信頼性/説明の納得度)→継続・紹介KPIへ因果をつないだ。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:職員が成果を“客観的に”捉えられ、モチベーションと説明力が向上。利用者へのフィードバックが速くなり、家族の安心感も上がる。定量(目標例):継続月数+1〜3か月、紹介比率+5〜10pt、手戻り(評価修正)工数▲10〜25%。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済(要確認):IT導入補助金(通常枠)/使途:タブレット・計測機器連携、モーションAI利用料、初期設定。採択論点:評価標準化→説明力向上→継続/紹介→稼働率改善のKPI道筋を示す。 |
| 8. リンク先(出典) | https://rehab.cloud/cases/6293/ |
事例B(東京都)
| 1. 会社名・個人事業主名 | B社 |
| 2. 切り口 | 新規事業・多角化/ITツール活用(業務効率化、自動化)/在庫・サプライチェーン最適化/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/接客・サービス |
| 3. 会社概要 | 筋力トレーニング特化の通所サービスを基盤に、在宅側の課題に対応するため訪問看護(訪問リハ相当の関わり)へサービスを拡張した事業者。退院直後や体調悪化時に訪問で支え、回復後に通所へ戻す循環を狙う。多角化は売上機会を増やす一方、記録・請求・利用者情報がサービスごとに分断すると、二重入力とミスが固定費化しやすい。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 訪問看護を始める際、既存ソフトが新サービスに対応せず、利用者情報の管理方法がネックに。通所と訪問を同じ職員で回すには、情報共有の遅延がそのまま品質低下・クレーム・リスクに繋がる。加えて、入金管理が弱いと回収遅延が起き、キャッシュが細い事業者ほど投資判断が鈍る(回収の構造課題)。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 通所と訪問を同一プラットフォームで運用し、利用者情報・記録・請求・入金管理を一元化。運用の肝は、(1) 食事/入浴等の定型記録はタブレットで即時入力し、(2) 家族向けメッセージ等“温度感が価値になる領域”は手書きを残すハイブリッド設計にしたこと。効率化で生まれた時間を、訪問×通所の連携(状態変化時の切替)に再配分し、LTVを伸ばす設計にした。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:二重登録・更新が不要になり、情報共有がスムーズ。請求〜入金管理が楽になり、事務の属人化が減少。定量(目標例):事務工数(分/件)▲20〜50%、回収遅延件数▲10〜25%、稼働率+5〜15pt。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済(要確認):IT導入補助金(通常枠)/使途:通所・訪問の記録/請求一体システム、タブレット、初期設定。採択論点:多角化で増える事務を“統合”で抑え、同一人員で提供量を増やす(工数KPI→稼働率KPI)。 |
| 8. リンク先(出典) | https://ads.kaipoke.biz/day-service/user-voice/noguchi.html |
事例C(千葉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | C社 |
| 2. 切り口 | ITツール活用(業務効率化、自動化)/標準化・マニュアル化/接客・サービス/データ活用/カイゼン・5S |
| 3. 会社概要 | 地域密着のリハビリ型通所サービス。小規模運営で、記録・連絡帳・請求の“紙運用”が残りやすい。小規模ほど管理者が現場と事務を兼務し、日次の記録処理が残業に直結する。経営上は「人を増やせない」ため、固定費を増やさずに可処分時間を作ることが生存条件。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | タブレット/ICTに抵抗がある職員がいる中で、紙の記録・連絡帳作成がボトルネック。記録が遅れると請求の精度も落ち、ミス修正が増える。結果として、利用者対応時間が削られ、満足度・継続に影響が出る(工数→品質の構造課題)。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 記録をタブレット化し、実績・請求と連動させることで“二重入力”を排除。運用では、(1) 入力項目を現場動線に合わせて最小化し、(2) バイタル等はグラフ表示で状態変化を見える化、(3) 新人・ヘルプでも利用者情報を即把握できるようにした。省力化で生まれた時間をミーティングや個別対応に回し、品質KPIを上げる設計。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:記録〜請求がつながり、登録漏れ/確認作業が減る。情報共有が進み、残業が減少。定量(出典例):介護記録・連絡帳作成が「1日2時間→30分程度」に短縮(=月30時間削減の水準)。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済(要確認):IT導入補助金(デジタル化基盤/通常枠)/使途:タブレット、介護ソフト利用料、設定・導入支援。採択論点:記録工数削減→残業削減→直接ケア時間増→継続/稼働率向上。 |
| 8. リンク先(出典) | https://ads.kaipoke.biz/day-service/user-voice/nozomi.html |
事例D(神奈川県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | D社 |
| 2. 切り口 | 店舗体験・動線/VMD/口コミ・紹介プログラム/接客・サービス/コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用 |
| 3. 会社概要 | 横浜市内の住宅地で通所サービスを運営。都市部は競合が多く、差別化は「訓練機器」だけでなく“1日の体験価値”に寄りやすい。介護は商品比較が難しいため、最終的に紹介・口コミ・地域での評判が獲得KPIを左右する。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 紹介の導線が弱いと、空き枠が埋まらず稼働率が下がる。一方で広告での獲得はCPAが高くなりやすい。さらに、スタッフ体験(働きやすさ)が悪いと離職→受入枠縮小→稼働率低下につながる。都市部では“顧客体験”を再現できる運用設計が必須。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 施設内の言葉・迎え入れ・入浴/食事など、体験を“フレーズ化”して統一し、スタッフの行動基準を揃えた。結果として、利用者の安心感と「また来たい」を作り、家族への伝播(口コミ)を起こす設計に。重要なのは、単なる接遇研修ではなく、運用に落ちる“言語化された体験設計”で、品質のばらつきを抑えた点。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:利用者の満足・家族の安心が言語化され、紹介が起きやすい。スタッフも迷いが減り、サービス品質が安定。定量(目標例):稼働率+5〜15pt、紹介比率+5〜10pt、クレーム件数▲10〜25%。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用/使途:自社負担で接遇研修、マニュアル整備、掲示物・小物整備。代替案:小規模事業者持続化補助金で「紹介導線の見える化(パンフ・動画・LP)」に拡張余地。 |
| 8. リンク先(出典) | https://ads.kaipoke.biz/day-service/user-voice/matane.html |
事例E(神奈川県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | E社 |
| 2. 切り口 | ITツール活用(業務効率化、自動化)/標準化・マニュアル化/カイゼン・5S/情報セキュリティ・プライバシー/人材活用・採用・育成 |
| 3. 会社概要 | 横浜市で通所サービス等を運営し、移転・再スタートのタイミングで業務基盤を整えた事業者。小規模事業者は「記録・帳票」が管理者依存になりやすく、引継ぎコストが高い。職員数が少ないほど、紙運用は即・限界に達する。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 紙の書類が多く、記録・管理が負担。属人化が進むと、担当者不在時に業務が止まる。移転時は“仕組みの作り直し”が必要だが、現場を止めずに切替える難易度が高い。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 記録・帳票をクラウドで統一し、紙書類を大幅に削減。ポイントは「誰でも使いこなせる」UI/運用に寄せ、複数ソフトの寄せ集めを避けたこと。導入担当が他社ソフトも経験していたため、現場のつまずきポイント(入力負荷/検索性/帳票)を潰し込み、定着まで伴走した。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:記録の抜け漏れが減り、引継ぎが容易に。情報共有が速くなり、現場対応の質が安定。定量(出典例):紙書類を約80%カット。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済(要確認):IT導入補助金(通常枠)/使途:クラウド介護ソフト、タブレット、導入設定。採択論点:紙削減(工数)→残業削減→直接ケア時間増→品質/稼働率へ。 |
| 8. リンク先(出典) | https://kaigo.intertrust.jp/voice/%E5%90%88%E5%90%8C%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%85%B6%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9-%E6%A7%98/ |
事例F(埼玉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | F社 |
| 2. 切り口 | ITツール活用(業務効率化、自動化)/データ活用/標準化・マニュアル化/生産性向上/人材活用・採用・育成 |
| 3. 会社概要 | 複数サービス(施設・デイ等)を運営する福祉事業者。介護ソフトは“業務インフラ”だが、古い仕組みのまま運用すると、記録・請求・データ活用が分断し、現場の可処分時間が削られる。人手不足下では「増員より仕組み化」が現実解になりやすい。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 介護ソフト更新を検討するも、コスト不安が壁。周辺の同業者にも補助金情報が届いていないケースが多く、制度の“認知不足”が投資判断を遅らせる。結果として、現場の非効率が固定化しやすい。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | IT導入補助金を活用し、介護ソフトを更新。運用面は「DX推進担当の任命」「データ移行・統合作業をベンダー支援で進める」など、定着までの役割分担を明確化。単なる導入で終わらせず、見守り等の次の省力化テーマへ展開できるよう、データ基盤を整えた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:作業工数が軽くなり、現場の効率化が進む。今後は見守り等センサー連携も検討。定量(目標例):事務工数▲20〜50%、残業時間▲10〜25%、稼働率+5〜10pt。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:IT導入補助金(通常枠)。使途:介護ソフト更新、導入支援。採択論点:工数削減→可処分時間→サービス品質→稼働率の改善。 |
| 8. リンク先(出典) | https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/example/sankeikai |
事例G(埼玉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | G社 |
| 2. 切り口 | ITツール活用(業務効率化、自動化)/標準化・マニュアル化/カイゼン・5S/生産性向上/接客・サービス |
| 3. 会社概要 | 通所サービス事業所。行政提出帳票や日々の記録が多く、紙運用が残ると「入力→転記→確認→請求」の多重作業が起きやすい。小規模ほど、管理者が“請求担当”も兼ね、現場の時間が削られる。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | タブレット操作に不慣れな職員が多く、導入初期に運用が止まるリスクがあった。ICT導入は“ツールより定着”が難所で、定着できないと投資がムダになりやすい。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 個別指導で習熟度差を埋め、疑問点や要望をホワイトボードで共有して不安を軽減。操作が“ゲーム感覚”になるまで小さく回し、記録〜請求を一気通貫化。業務フローを見直して、利用者と接する時間を増やすことをゴールKPIに設定した。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:記録入力〜請求まで一気通貫となり、業務にゆとり。利用者対応時間が増加。定量(目標例):事務工数▲20〜50%、稼働率+5〜10pt。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:自治体のICT導入支援(埼玉県の成果報告事例)。使途:タブレット、記録/請求システム、導入支援。採択論点:定着プロセス設計(教育)まで含めて生産性KPIを改善。 |
| 8. リンク先(出典) | https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/177883/r2seikahoukoku_tuusyo.pdf |
事例H(千葉県)
| 1. 会社名・個人事業主名 | H社 |
| 2. 切り口 | ITツール活用(業務効率化、自動化)/品質・安全・認証(HACCP/ISO等)/標準化・マニュアル化/データ活用/人材活用・採用・育成 |
| 3. 会社概要 | 複数拠点でデイサービス/リハビリ事業を運営する事業者。拠点が増えるほど、帳票品質(運営指導対応)と加算算定の正確性が経営の“地盤”になる。現場が忙しいほど、Excel/手書き運用がスケールの壁になる。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 計画書をExcelや手書きで作成しており、拠点増で作成負荷が増大。運営指導で問題ない帳票を継続的に出すには、担当者の経験に依存しない仕組みが必要。加算は単価を左右するが、運用が重いと“取れるのに取れない”状態になる。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 加算・帳票作成を支援するツールを複数拠点で標準化し、新規開業時も同じ型で展開。ポイントは「運営指導で問題になりやすい帳票」を先に固定し、現場の入力負担を下げたこと。加算算定の“再現性”が上がることで、単価KPIを安定化させた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:計画書作成の効率化、帳票品質の安定、拠点展開のスピードが上がる。定量(目標例):事務工数▲20〜50%、加算算定漏れ▲10〜25%、平均単価+10〜20%。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済(要確認):IT導入補助金(通常枠)/使途:加算取得・帳票作成支援ツール、クラウド利用料、初期設定。採択論点:帳票標準化→加算算定の安定→単価KPI改善。 |
| 8. リンク先(出典) | https://www.qlc-sys.jp/article/ace/cases/ |
3. 補足・参考情報
- 関連補助金(3〜5件)
- DX参考サイト(3〜5件)
- 支援機関(3〜5件)