補助対象経費と対象外経費の違いとは?よくあるNG例20選と“落とし穴”回避術【3色判定マップ付き】

補助対象経費と対象外経費の違いとは?よくあるNG例20選と“落とし穴”回避術【3色判定マップ付き】

補助金や助成金の申請では、経費の判断を間違えると「想定していた補助が入らない」という痛い結果につながります。特に中小企業の現場では、採択後に急いで発注したり、社長のクレジットカードで立替えたりして、実績報告で対象外になる例が少なくありません。この記事は、補助対象経費と対象外経費の違いを、NG例と回避策で腹落ちさせ、迷いを減らすための実務ガイドです。

本記事の対象は、経済産業省系の補助金を中心に、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、新事業進出補助金など、中小企業が利用する制度と、自治体系の助成金です。制度ごとに細部は違いますが、経費の原則と交付手続きの落とし穴は共通します。代行に丸投げする場合でも、社内で最低限の判断軸を持つと失敗が減ります。

目次

結論:補助金の経費は「事業に必要」だけでは通りません

結論から言うと、補助対象経費か対象外経費かは「事業に必要か」では決まりません。公募要領の経費区分と交付のルールに合わない費用は、採択後でもゼロ査定や減額になり得ます。さらに、交付決定前の発注や証憑不足が重なると返還リスクも出ます。まず3つの基準で一次判定し、購入前に地雷を避けるのが最短です。焦らず順番を守ることが最大の保険です。

税務の経費と補助対象経費は別物

税務では「事業に必要なら経費」で整理できますが、補助金は公募要領に書かれた経費区分と原則に従います。つまり、同じ支出でも税務上は問題なくても、補助事業としては対象外になり得ます。ここで一度、頭の中の物差しを切り替えてください。

まずやることは「公募要領の経費区分」を確認する

検索の出発点は、公募要領の経費区分です。経費の名称だけで判断せず、定義と条件、対象外の例をセットで確認します。読むのが面倒でも、ここを飛ばすと後で痛い目を見ます。申請準備の早い段階で確認しておくほど、手戻りが減ります。

なぜ落ちる?プロが経費を判定する「3つの絶対基準」

一覧表を眺める前に、経費判定の物差しを持つのが近道です。プロは専用性、直接性、証明可能性の3点で補助事業との関係を見ます。この型があると、新しいサービスや設備でも自社で一次判定でき、申請書作成や相談時の説明もスムーズになります。逆に、この型がないと判断がブレて、後から修正や差し戻しに追われがちです。

1. 専用性:その補助事業「だけ」に使うものか?(汎用品NGの理由)

原則として、私用転用や他事業への流用ができる汎用品は厳しく見られます。パソコンや車が対象外になりやすいのは、個別事情よりも「物理的に転用可能か」が優先されるからです。どうしても必要なら、専用性を高める運用や、制度ごとの例外条件を確認してから動きます。

2. 直接性:事業計画の達成に「直結」しているか?

一般論として「売上を上げるため」は弱い説明です。補助金の審査や実績確認では、申請した施策と支出が一本の線でつながる必要があります。たとえば新商品Aの販路開拓なら、広告制作や配布など目的に直結する費用は通りやすい一方、ついで買いは対象外になりがちです。

3. 証明可能性:支払と成果を「証拠書類」で示せるか?

補助は「払った」「使った」「成果が出た」を客観的に示せて初めて認められます。請求書と領収書があっても、振込記録がない、宛名が違う、納品の証拠がないなどで否認されることがあります。証憑は後から集めるのが難しいので、最初から揃える前提で取引を組み立てます。

【保存版】自社の経費を一発仕分け!「3色判定マップ」

多忙な経営者向けに、典型の支出を緑、黄、赤の3色で整理します。緑でも交付決定前に発注すれば赤に転落しますし、黄は条件と書類で勝負が決まります。赤は原則として避け、無理に入れるほど審査の印象も悪くなります。ここで自社の予定費用を俯瞰し、社内の稟議や経理処理の迷いを早めに消しましょう。目視で迷いが消える設計にします。

【緑:対象】基本的には通る「主役」の経費

設備投資やシステム開発、広告制作など、補助事業の核となる支出は緑になりやすいです。とはいえ油断は禁物です。交付決定前の発注、支払名義の不一致、相見積不足などで、緑が一瞬で赤に変わります。緑こそ、手続きの丁寧さが問われます。

【黄:要確認】条件次第で通る/按分が必要な経費

中古品、リース、サブスク、家賃や光熱費などは黄になりやすい領域です。条件が多く、按分や期間計算も必要になるため、判断を誤ると減額されます。先に条件を洗い出し、必要書類と根拠の作成まで含めて検討すると安全です。

【赤:対象外】ほぼ100%通らない「地雷」経費

公租公課、振込手数料、飲食交際費、汎用品などは赤になりやすいです。無理に計上すると「公募要領を読んでいない」と見なされ、審査の印象が悪くなることもあります。赤は最初から外し、事業の核心に費用を寄せるのが賢明でしょう。

絶対に避けるべき!補助金「対象外」の典型的な事故例7選

補助対象経費で失敗するケースの多くは、「税務上の経費」と同じ感覚で判断してしまうという誤解が原因です。
👉 補助金のよくある誤解Q&A20

検索者が最も怖いのは、実績報告での否認や減額、最悪は返還です。原因は経費そのものより、発注時期、支払方法、相見積、証憑の欠けなど手続きの穴が多いのが現実。たとえば同じ広告費でも、目的外や混載で削られることがあります。7つの事故を先に知り、買い方と残し方を変えて、補助が出る確率を上げます。一つずつ対策を入れていきましょう。

①タイミングのミス:採択直後の「即発注」は全額自腹に

ここが最大の落とし穴です。採択はスタート地点で、交付決定は支出が補助対象になるための停止線だと考えてください。交付決定前に発注書を出す、契約する、支払うなどをすると、原則として対象外扱いになり得ます。嬉しくて急ぐほど危ない、というのが現場のリアルです。

②支払方法のミス:社長個人のクレジットカードや現金払いはNG

税務上は役員借入金などで処理できても、補助金は支払主体と証跡が厳格です。原則は法人口座からの支払いで、名義や決済経路が追えることが重要になります。現金払いは証拠能力が弱いと見なされやすく、あとで説明に窮するので避けるのが無難です。

③相見積の不備:単なる「安い方の選択」では認められない

相見積は価格競争の儀式ではなく、価格妥当性を示すための材料です。仕様が揃っていない見積は比較不能になり、選定理由書を求められることがあります。取得方法は、同一仕様書を作成して複数社へ依頼すること。計算式は、同一条件の金額と条件を横並びで比較。結果として、選定理由が説明できる状態にします。

④汎用品の罠:仕事専用でも「iPadやプリンタ」は厳しい

持ち運べる端末や汎用プリンタは、補助事業専用と断言しづらいのが難点です。反論として「現場で必須」という声もありますが、制度側は転用可能性を重視します。それでも必要なら、目的、利用範囲、管理方法、成果との関係を具体化し、例外規定があるか公募要領で確認してください。

⑤証憑(証拠)の散逸:ネットバンキングの履歴が消えたパニック

実績報告で必要なのは、請求書と領収書だけではありません。支払事実の証拠として振込記録や引落記録が求められます。ところがネットバンキングは照会期限があり、画面を保存し忘れると取り戻せないことがあります。ヒヤッとする前に、支払直後にPDF保存する運用を決めておくのが安全です。

⑥目的外・混載のミス:チラシに「既存商品の宣伝」を混ぜる効率化

同じ広告費でも、補助事業に直接関係しない内容が混ざると按分や減額の対象になります。効率化のつもりで既存商品の宣伝を混載すると、面積や内容に応じて削られることがあります。再説明すると、補助は補助事業のための費用に限定されます。100パーセントを狙うなら、補助事業専用の制作物に分けるのが定石です。

⑦中古・サブスクの制限:安く抑えようとして「不採択」

中古やサブスクは、条件と計算を誤りやすい領域です。たとえばサブスクは補助期間分のみ対象となることが多く、取得方法は月額料金と対象月数を確認すること。計算式は、月額費用×対象月数。結果として、補助対象額は期間分に限定されます。中古も購入先や見積条件など追加ルールがあるため、先に要領で確認しましょう。

担当者を守る!社長への「リスク説明」と「証憑保存」の型

経理や事務担当が疲弊するのは、後から社長に責められる不安があるからです。そこで、公募要領の条項を根拠にした説明テンプレと、証憑5点セットの保管ルールを用意します。これを型にすると、社内の迷いが減り、差し戻し対応の時間も縮まります。担当者の立場を守りながら、交付までの手続きを淡々と進められる状態を作るのが狙いです。

稟議が通る!「NG経費」を社長に納得させる説明テンプレ

説明は感情ではなく根拠で組み立てます。例として、社長へは次の順で伝えると通りやすいです。まず結論として対象外リスクが高いこと。次に根拠として公募要領の該当箇所と原則。最後に代替案として、通りやすい費用への振り替え案。こうすると、社長も判断しやすく、担当者の責任の押し付けも減ります。

実績報告で震えないための「証憑5点セット」保管ルール

最低限そろえるのは、見積書、発注書または契約書、納品書または検収記録、請求書、支払証跡です。これを案件ごとに1フォルダで保管し、ファイル名に日付と取引先、金額を入れます。加えて使用中の写真や掲載URLなど成果の証拠があると強いです。証憑が揃うほど、事務局の突っ込みは減ります。

グレー経費を仕分ける!事務局・専門家への「質問テンプレ」

グレーな支出は、自分の解釈で突っ走るほど危険です。事務局や専門家へ確認するなら、必要情報を揃えて聞くのが近道。ここではYESかNOを引き出す質問テンプレを示し、回答が曖昧になるのを防ぎます。聞く順番と材料が揃うと、返信が早くなるだけでなく、後で言った言わないの揉め事も減ります。迷いを早めに潰すほど、後工程がラクになります。

回答の精度が上がる「5つの必要情報」を添えて聞く

聞き方で結果が変わります。単に「この経費は対象ですか」と聞くより、次の5点を添えるのがコツです。

  • 具体的な経費区分と品目名
  • 使用目的と、補助事業のどの施策に紐づくか
  • 発注予定日または契約日、交付決定との前後関係
  • 支払方法と名義、法人口座から支払えるか
  • 用意できる証憑の種類と、成果物の形

この材料があると、事務局も公募要領のどの条項で判断すべきかが明確になり、回答が具体的になります。ふわっとした質問は、ふわっとした返事しか戻らない、と覚えておきましょう。

まとめ:申請前・購入前に「NG例チェックリスト」で最終点検を

最後に、申請前と購入前に必ず見る最終チェックをまとめます。補助金は後払いが原則で、資金繰りにも直結します。不安が残るなら、要確認の項目だけ早めに相談して根拠を固め、交付後の実績報告まで一直線で完走しましょう。ふとした立替や混載振込が、補助ゼロの引き金になることがあります。小さな確認が大きな損失を防ぎます。

最終点検として、次のチェックを通すと事故が減ります。

  • 公募要領の経費区分に当てはめ、対象外例に触れていないか
  • 交付決定前に発注、契約、支払をしていないか
  • 相見積が必要な金額帯か、仕様を揃えて取得しているか
  • 支払名義は法人か、振込記録など支払証跡が残るか
  • 見積、契約、納品、請求、支払の金額と宛名が一致するか
  • 目的外や混載になっていないか、按分根拠は作成できるか

不安が残るなら、要確認の項目だけでも早めに無料相談や支援機関へ持ち込み、短時間で結論を取りに行くのが賢い選択です。今日の一歩が、未来の資金繰りと安心を守ります。

迷ったら早めの確認が、いちばん安い保険になります。

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