広告代理店業界_成功事例レポート
目次
1. 冒頭概要
- 広告代理店の売上上限は「稼働可能な人時×単価」に縛られやすく、プロジェクト型比率が高いほど、月ごとの売上がブレやすい構造です。固定費は人件費(企画・運用・制作)と外注費が中心で、採用難・離職で稼働が落ちると粗利が一気に毀損します。競争は“同質化(運用代行・制作)”が起点になりやすく、発注側のインハウス化で価格圧力も強まります。さらに回収サイト(入金)が長いと、広告費立替や制作外注の資金繰りが詰まりやすいのが構造課題です。
- 支援制度(補助金/助成金)が効きやすいのは、①獲得導線の再設計(営業・PR・広告)②工数を削るDX/標準化③高付加価値の新サービス化(パッケージ/サブスク/新分野)の3領域です。
- 成功パターン総括は次の3点:①“属人運用”を標準化して事務工数を減らすと、同じ人数でも稼働率が上がり粗利率が改善する。②提案を「成果物×運用」にパッケージ化し、継続契約(LTV)を伸ばすと売上のブレが減り受注率も上がる。③差別化できる新サービス(体験型/地域素材/媒体)を作ると平均単価が上がり、価格競争を回避できる。
2. 成功事例
A事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | A社(東京都:BtoB中心のデジタル広告運用・Webプロモーション支援) |
| 2. 切り口 | PR・広報/メディア露出/広告宣伝(デジタル)/ブランディング/リブランディング/ITツール活用(集客、広告宣伝)/標準化・マニュアル化 |
| 3. 会社概要 | 都内で中堅〜中小企業のWeb集客を支援する小規模代理店。主力はリスティング・SNS広告の運用代行とLP/サイト改善。売上は「月額運用+制作案件(都度)」の混在で、稼働の山谷が出やすい。提案〜運用〜レポートまで少人数で回すため、受注が増えるほど“運用の手間”が粗利を圧迫しやすい。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 業界構造として、運用代行は同質化しやすく価格比較されやすい。一方で、顧客は“成果の見える化”や“継続改善”を求めるため、提案力と運用品質が重要になる。A社は紹介・既存顧客の横展開に依存しており、新規リードが不足。加えて、案件ごとに提案書の作り直しが発生し、受注前工数が膨らむ割に受注率が伸びない。さらに運用報告が属人化し、レポート作成・打合せ準備の工数が増えて稼働率が低下し、結果として粗利率が落ちる——という悪循環があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 施策は「新規獲得(リード)→受注率→運用工数」の因果で再設計。まず、営業の入口を“提案の勝ち筋が見えるPR資産”に寄せ、①業界別の成功事例(課題→施策→数値)を記事化、②ホワイトペーパー/チェックリストを作り資料請求でリード獲得、③セミナー(オンライン可)で比較検討層を集めた。次に、提案業務を標準化し、サービスを「運用+改善メニュー」のパッケージ化(SLA/報告頻度/改善サイクルを明記)。最後に、CRM/スプレッドシート/レポートテンプレを整備し、広告媒体データを自動集計→定例レポの作成時間を短縮。これにより“売れる提案の型”と“回せる運用の型”を同時に作り、受注増と粗利改善を両立した。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:紹介頼みから、資料請求・セミナー経由の“指名問い合わせ”が増え、比較検討の土俵で戦えるようになった。定量(目標例):新規リード +20〜40%/成約(受注)率 +5〜15pt/事務工数(分/件)▲20〜40%/粗利率 +1〜3pt。今後は、業界別テンプレを増やし、継続契約比率を高めて売上のブレを抑える。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:小規模事業者持続化補助金(一般型)(要確認)/使途(具体):事例コンテンツ制作、営業資料・動画(セミナー)制作、LP改修、検索広告出稿、アクセス解析設定/採択の論点:PR資産→リード獲得→受注率向上のKPI導線を事業計画で具体化。 |
| 8. リンク先(出典) | 企業公式:https://www.promolab.jp/(会社概要:https://www.promolab.jp/company/)/補助金(採択一覧):https://h30.jizokukahojokin.info/files/4415/6446/4135/h30_2_kanto.pdf(該当行:東京都 株式会社プロモ・ラボ「新規取引先獲得・拡大の為のPR強化」) |
B事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | B社(千葉県:総合広告代理店・印刷/デザイン/WEB/イベントをワンストップ提供) |
| 2. 切り口 | 広告宣伝(リアル)/広告宣伝(デジタル)/ブランディング/リブランディング/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/標準化・マニュアル化 |
| 3. 会社概要 | 千葉県で地域企業の販促を支える小〜中規模の広告代理店。折込・ポスティング、DTP/印刷、看板、Web制作、イベント運営まで幅広く扱う“何でも屋”型になりやすいのが特徴。単発案件が多いと受注の波が大きく、制作が立て込むと納期遅延や外注費増で粗利が崩れやすい。B社も、案件の入口はリアル広告中心で、継続収益(保守/運用)が薄い構造だった。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 地域の広告市場は、既存客の入替が少なく、競合も多い。顧客は『安く早く作る』から『成果の出る設計(導線・測定)』へ期待が移っているが、代理店側が制作受託のままだと差別化しにくい。B社は新規顧客開拓を強化したい一方、①会社紹介が“総合”で刺さらない、②デジタル施策の実績が見えにくく比較で負ける、③受注後の制作進行が属人化し手戻りが多い、という課題があった。結果として、受注率が伸びず、受注しても工数超過で粗利が出ない案件が混じっていた。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 業界構造(同質化)を踏まえ、B社は『地域密着×成果測定』に軸を寄せた。具体的には、①業種別の勝ちパターン(例:来店型/採用/イベント集客)で提案メニューを整理し、見積を“成果物+運用”のセットに変更、②リアル広告(折込/看板)を入口にしつつ、LP・SNS広告・計測(GA4/タグ)までを一気通貫にして“改善が回る体制”を提示、③制作進行をテンプレ化(要件定義シート、入稿チェック、校正フロー)して手戻りを減らした。さらに、納品後の『月次改善ミーティング+軽微修正』をサブスク化し、単発から継続へ移行させた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:『作って終わり』から『改善して成果を出す』へのポジショニングが明確になり、比較時に価格以外で選ばれやすくなった。定量(目標例):成約(受注)率 +5〜10pt/平均単価 +10〜20%/手戻り工数 ▲10〜25%/継続(更新)率 +5〜10pt。今後は、運用型(広告・SNS・採用)を中核にし、LTVの厚い顧客ポートフォリオを作る。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:小規模事業者持続化補助金(一般型)(要確認)/使途(具体):新規顧客向けのサービス資料・チラシ制作、LP/サイト改修、広告出稿(検索/SNS)、展示会・商談会の販促物/採択の論点:新規顧客開拓の“広告→問い合わせ→受注”のKPI導線を明示。 |
| 8. リンク先(出典) | 企業公式:https://kid-design.com/(会社概要:https://kid-design.com/company/)/補助金(採択一覧):https://h30.jizokukahojokin.info/files/4415/6446/4135/h30_2_kanto.pdf(該当行:千葉県 総合広告代理業K.I.D「新規顧客開拓の為の広告活動強化」) |
C事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | C社(東京都:アドトラックを活用した広告代理・運行/制作/販売を一体化) |
| 2. 切り口 | 新規事業・多角化/新商品・新サービス/事業連携/データ活用/ITツール活用(業務効率化、自動化)/価格戦略・値上げコミュニケーション |
| 3. 会社概要 | 都内を中心に広告・プロモーションを手掛ける小規模事業者。従来はWebや制作受託が中心で、案件獲得は人脈・紹介に依存しやすい。新規案件は単発になりやすく、稼働の波と粗利の変動が課題。そこで“媒体(アドトラック)×運用”という物理的な差別化領域に参入し、広告主にとって分かりやすい成果(視認・話題化)を作る事業へ転換を図った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | アドトラックは、運行・法規対応・クリエイティブ制作・媒体販売の分業が多く、広告主側から見ると『手配が面倒』『料金体系が分かりにくい』が障壁になりやすい。また代理店側も、運行スケジュール調整や原稿管理が属人化すると、手戻り・ミスで品質が落ち、粗利が削られる。C社は新規事業としてアドトラックを立ち上げるにあたり、①広告主獲得の営業チャネル、②見積〜運行までのオペレーション標準、③“効果の説明(KPI)”の設計、の3点が未整備だった。ここを作り切れないと、単価が上げられず価格競争に巻き込まれるリスクがあった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 業界構造(分業・不透明)に対し、C社は“ワンストップ化+見える化”で勝ち筋を作った。具体的には、①広告主向けに『運行ルート・時間帯・想定接触』をテンプレ化し、提案〜見積を短時間で出せる仕組みを構築、②車両オーナー/運行会社と提携し、稼働枠を確保(事業連携)、③制作物(デザイン/サイズ/入稿)をチェックリスト化して品質事故を減らす、④運行後に動画・SNS素材を二次利用できるパッケージ(撮影+投稿ガイド)を用意し、広告主の“社内説明コスト”を下げた。結果、提案が通りやすくなり、平均単価と受注率を同時に押し上げた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:『手配が簡単で説明しやすいアドトラック』として、広告主の社内稟議が通りやすくなった。定量(目標例):成約(受注)率 +5〜10pt/平均単価 +10〜20%/手戻り工数 ▲10〜20%/回収(入金)サイト短縮に向けた前受比率 +10〜20pt。今後は、運行データと問い合わせデータを突合し、提案精度を上げて単価を維持する。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:中小企業新事業進出補助金(第1回公募)/使途(具体):新規事業の運行・受発注管理の仕組み整備、提案テンプレ/営業資料、広告主獲得のプロモーション、関連機材・制作体制の整備/採択の論点:新サービスの提供プロセスを構築し、受注率・単価・工数のKPI改善が見込める計画を提示。 |
| 8. リンク先(出典) | 補助金(採択案件一覧PDF):https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_saitakukekka_01.pdf(該当行:関東 東京都 新宿区『Avalon Consulting株式会社:アドトラックを活用した広告代理事業』) |
D事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | D社(東京都:没入型LEDスタジオを核にした体験型広告プロモーション) |
| 2. 切り口 | 新商品・新サービス/ITツール活用(業務効率化、自動化)/AI活用/ブランディング/リブランディング/価格戦略・値上げコミュニケーション |
| 3. 会社概要 | 都内でデジタルサイネージ(LEDビジョン)を軸に、イベント・展示会・店舗向けの映像ソリューションを提供する事業者。従来は機材提供や施工・運用が中心で、案件は都度見積のプロジェクト型。人手が必要な現場対応が多く、稼働が詰まると外注費が増え粗利が圧迫される。そこで“体験型広告”を自社サービスとして商品化し、単価と継続収益を高める方向へ舵を切った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 体験型広告は差別化できる一方、①制作(映像・演出)の負荷が高く、属人化すると納期と品質が不安定、②設備が高額で稼働率が低いと固定費回収が難しい、③広告主にとって効果(KPI)が説明しづらい——という構造課題がある。D社は、LEDスタジオを“箱”として貸すだけでは価格競争になりやすいと判断し、『企画〜撮影〜配信/二次利用』までの一貫サービスを新設する必要があった。特に、案件ごとに演出をゼロから作ると手戻りが増え、利益が出にくい点がボトルネックだった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 解決は『商品化(テンプレ化)×制作省力化×価値の言語化』の3点。①スタジオ利用を“メニュー化”(撮影時間、スタッフ体制、納品物、オプション)し、見積のブレを抑える。②演出・絵コンテ・素材管理を標準化し、AI生成/自動編集ツールも活用して叩き台を素早く作ることで制作リードタイムを短縮。③広告主にはKPIを“来場者体験→SNS拡散→指名検索/問い合わせ”の導線で提示し、撮影素材をSNS広告・店頭サイネージへ転用できる設計にして投資対効果を説明しやすくした。これにより、設備の稼働率を高めながら、単価を下げずに受注を増やす運用モデルを作った。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:スタジオが『企画付きの体験型広告パッケージ』として認知され、比較検討で“価格以外”の理由が増えた。定量(目標例):平均単価 +10〜20%/稼働率(回転)+5〜15pt/手戻り工数 ▲10〜25%/粗利率 +1〜3pt。今後は、利用シーン別テンプレを増やし、代理店経由の販売も含めて稼働を平準化する。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:中小企業新事業進出補助金(第1回公募)/使途(具体):没入型LEDスタジオ関連設備・制作体制の整備、運用プロセスの標準化、営業資料・デモ制作/採択の論点:新サービス(体験型広告)の提供体制を整備し、単価・稼働率・工数のKPI改善を明確化。 |
| 8. リンク先(出典) | 企業公式:https://ichi-5.co.jp//補助金(採択案件一覧PDF):https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_saitakukekka_01.pdf(該当行:関東 東京都 新宿区『株式会社11111:没入型LEDスタジオによる体験型広告プロモーション事業の創出』) |
E事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | E社(宮城県:広告代理店から“地域デジタル素材”のオンラインマーケットへ新分野展開) |
| 2. 切り口 | 新規事業・多角化/新商品・新サービス/事業連携/ITツール活用(集客、広告宣伝)/データ活用/コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用 |
| 3. 会社概要 | 仙台を拠点に、Web制作・運用、広告代理、クリエイティブ制作を受託してきた地域代理店。売上は受託案件の比率が高く、景気や広告費の動きに連動しやすい。コロナ禍のように広告投資が急減すると稼働が落ち、固定費(人件費)が重い構造が露呈する。そこでE社は、受託中心から“ストック型”へ寄せ、地域資産を活用した自社サービスを立ち上げた。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 業界構造として、受託(制作/運用)は案件が途切れると売上がゼロになり、人員を抱えるほどリスクが増す。一方、地方都市では大手プラットフォームに情報発信が集約され、地域の写真・動画・音源などの“素材”が適正に流通しにくい。E社は広告代理店としてのノウハウはあるが、①自社サービスの収益モデル(課金・継続)設計、②出品者(自治体/事業者/クリエイター)を増やすための連携、③著作権・利用規約など運用ルールの整備、④マーケットの需給を作る集客、を同時に成立させる必要があった。ここを曖昧にすると、集客コストだけが膨らみLTVが出ない。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 施策は『受託の強み(制作/運用)を“市場運営”に転用』した点が肝。①出品者獲得は自治体・地域事業者・クリエイターと連携し、“東北に特化した素材”という差別化を明確化(事業連携)。②購入者(企業・制作会社)向けには、検索性・カテゴリ・利用条件を整理し、導入しやすい利用規約/ライセンスを整備。③集客は、E社が得意な広告運用とPR(記事・SNS)で“素材の使い方”を啓発し、UGC/レビューが回る設計を入れた。④運用面では、審査フロー・問い合わせ対応・トラブル対応を標準化し、運営工数を増やさずに出品点数を増やせるようにした。結果、受託型の稼働に依存しないストック収益の芽を作った。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:広告代理店のノウハウが『地域素材流通の運営力』として再定義され、新たな収益源を獲得。定量(目標例):継続(更新)率 +5〜10pt/継続月数 +1〜3か月/平均単価 +10〜20%/事務工数(分/件)▲20〜40%。今後は、地域外の制作会社への販路拡大と、出品者コミュニティの拡充でLTVを伸ばす。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:事業再構築補助金(令和3年9月・第2回採択)/使途(具体):オンラインマーケットプレイス構築、決済・権利管理・運用体制整備、プロモーション/採択の論点:受託依存から自社サービスへ転換し、売上回復・地域活性化につながる計画である点。 |
| 8. リンク先(出典) | 自治体(仙台市)事例:https://www.city.sendai.jp/kikakushien/hojokinkakutoku_jireisyu_5.html(見出し:『補助金活用事例集volume9-2:株式会社アド・エータイプ』)/事例集PDF:https://www.city.sendai.jp/kikakushien/documents/jireisyu9.pdf |
F事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | F社(秋田県:動画広告の企画〜撮影〜編集〜運用をワンストップ提供する地域代理店) |
| 2. 切り口 | 広告宣伝(デジタル)/新商品・新サービス/コミュニティ形成・UGC/レビュー・SNS運用/標準化・マニュアル化/生産性向上 |
| 3. 会社概要 | 地方企業の販促支援を担う小規模広告代理店。従来はチラシ・ポスター・地域媒体などのリアル販促も扱いつつ、近年はSNS/動画の需要が増えている。売上は案件都度のプロジェクト型が中心で、制作工程(撮影・編集)がボトルネックになると納期遅延や外注費増で粗利が崩れやすい。そこでF社は、動画広告を“サービス化”し、運用まで含めた継続収益に寄せる方針を取った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 動画広告は需要が伸びる一方、①企画・撮影・編集・配信運用が分断されやすく、顧客側の調整負担が大きい、②制作が属人化すると品質が安定せず、クレームや手戻りで工数が増える、③運用(配信・改善)までできないと単発で終わりLTVが伸びない、という構造課題がある。F社も『動画を作る』まではできても、運用改善を含む提案が弱く、単価が上がりにくかった。また、制作フローが案件ごとにバラバラで、見積精度が低く粗利が読めないことが課題だった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | ポイントは“ワンストップ化”を実務で回る形に落としたこと。①サービスを3段階(ライト:撮影+編集/スタンダード:+SNS投稿設計/プレミアム:+広告配信と月次改善)にパッケージ化し、顧客の意思決定を簡単にした。②企画ヒアリングシート、絵コンテ雛形、撮影チェックリスト、編集ガイドを整備して品質を平準化(標準化)。③運用は、投稿後の反応(再生率・保存・クリック)を簡易に測り、次回の構成へ反映する“改善サイクル”を提案に組み込んだ。これにより、単発制作から運用継続へ移行しやすくなり、同時に手戻りを減らして工数も抑えた。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:顧客が『どこに頼めばいいか分からない』動画広告を一括で受けられる体制となり、指名相談が増えやすい。定量(目標例):平均単価 +10〜20%/継続(更新)率 +5〜10pt/手戻り工数 ▲10〜25%/事務工数(分/件)▲20〜40%。今後は、業種別の動画テンプレを増やし、運用型比率を高める。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 活用済:小規模事業者持続化補助金(一般型)(第12回締切分・商工会地区)(要確認)/使途(具体):動画広告サービスのPR、営業資料・サンプル動画整備、提案導線(LP等)整備/採択の論点:新サービス(動画広告のトータル支援)により新規獲得と単価・継続のKPIを伸ばす計画。 |
| 8. リンク先(出典) | 補助金(採択者一覧PDF):https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r1h/doc/saitaku/12/%E3%80%90%E7%AC%AC12%E5%9B%9E%E3%80%91%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E8%80%85%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%9E%8B_%E5%95%86%E5%B7%A5%E4%BC%9A%E5%9C%B0%E5%8C%BA.pdf(該当行:秋田県 有限会社コスモ広告代理店『動画広告の企画・撮影・編集・運用までトータルサポート支援事業』) |
G事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | G社(東京都:運用型広告+LP改善を軸に、月額運用のサブスクを伸ばしたデジタル代理店) |
| 2. 切り口 | ITツール活用(集客、広告宣伝)/データ活用/標準化・マニュアル化/CRM・会員制度・サブスク化(LTV向上)/生産性向上 |
| 3. 会社概要 | 都内で中小企業のデジタルマーケティングを支援する小規模代理店。主要サービスはGoogle/Meta等の運用型広告、LP制作・改善、アクセス解析。売上は月額運用(継続)と制作(単発)が混在するが、運用は“細かな改善と報告”が多く、顧客数が増えると報告工数が膨らみやすい。そこでG社は、運用業務を仕組み化して稼働を増やさずに顧客数を伸ばす戦略を取った。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 広告運用代行は参入障壁が低く、価格競争に陥りやすい。差別化には『運用の透明性(説明しやすさ)』と『改善の再現性』が必要だが、G社は担当者ごとに運用・報告の粒度が違い、品質がブレるリスクがあった。また、顧客側もKPI(CV/CPA等)を理解できず、成果説明が属人的だと解約率が上がる。さらに、制作(LP修正)を都度見積にすると意思決定が遅れ、改善速度が落ちて成果も出にくい——という構造問題があった。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 施策は『改善サイクルを“商品化”して継続に乗せる』こと。①運用メニューを“月次の改善回数・レポート項目・ABテスト手順”まで標準化し、顧客の期待値を揃えた。②Looker Studio/GA4/広告管理画面を連携し、指標(CV、CPA、ROAS、LTV)を自動集計してレポ作成時間を削減。③LP改善は、軽微修正を月額に内包し、改善スピードを上げた(サブスク化)。④解約の主要因(成果不明・コミュニケーション不足)に対し、KPIの意味と改善仮説を毎月セットで提示する運用に変えた。結果、工数を増やさずに顧客維持と受注増につながった。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:KPIの見える化で“任せても不安が少ない”状態を作り、継続契約が取りやすくなった。定量(目標例):事務工数(分/件)▲30〜50%/継続(更新)率 +5〜10pt/稼働率(回転)+5〜15pt/成約(受注)率 +5〜10pt。今後は、業界別テンプレと自動化範囲を広げ、粗利率を維持しながら顧客数を増やす。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用:自己投資でツール連携・テンプレ整備を実施(補助金活用余地:IT導入補助金や持続化補助金で、CRM/レポ自動化・販促導線整備に転用可能)。 |
| 8. リンク先(出典) | 企業公式:https://www.adsource.jp/(サービス/会社情報ページを参照) |
H事例
| 1. 会社名・個人事業主名 | H社(東京都:特定業界に特化し“指名相談”を増やした小規模クリエイティブ/広告代理店) |
| 2. 切り口 | ブランディング/リブランディング/PR・広報/メディア露出/口コミ・紹介プログラム/価格戦略・値上げコミュニケーション |
| 3. 会社概要 | 都内でWeb制作・デザイン・広告運用を提供する小規模事業者。一般的な制作受託は競合が多く、比較サイト経由だと単価が下がりやすい。H社は“得意業界(例:専門性の高いBtoB)”に絞って実績を蓄積し、提案の勝率と単価を上げる戦略を取った。収益はプロジェクト型が中心だが、運用・保守を組み合わせて継続比率を伸ばす余地がある。 |
| 4. 当初の課題・挑戦 | 業界構造として、制作会社は『制作物の違いが分かりにくい』ため価格比較されやすい。H社も当初は案件が散発で、①新規リードの質が低く(相見積の底)、受注率が低い、②提案で専門性を示す材料が不足し、単価交渉で不利、③納品後の運用提案が弱くLTVが伸びない、という課題があった。さらに、専門業界は用語・規制・商流が独特で、理解が浅いと手戻りが増えて工数が膨らみ、粗利が出にくい。 |
| 5. 取組み・成功のポイント | 施策は『専門性の可視化→指名相談→高単価』の因果を作ること。①業界特化の事例(課題・制約・成果)を徹底的に公開し、提案前に“理解の深さ”を伝える。②PRとして、業界メディア寄稿・登壇・共同セミナーを行い、認知を“比較サイト”から“業界内コミュニティ”へ移した。③価格は“制作一式”ではなく、成果導線(問い合わせ導線/採用導線/営業資料)を設計した上で、運用・改善を月額で提案し、値上げを『成果を出すための工程』として説明。④紹介を増やすため、既存顧客向けに紹介特典と事例掲載の仕組みを作り、口コミが回る設計にした。結果、受注率と平均単価が改善しやすい案件構成に変わった。 |
| 6. 成果・今後の展望(定性+定量) | 定性:相見積の競争から外れ、“指名で相談される”比率が上がった。定量(目標例):成約(受注)率 +5〜15pt/平均単価 +10〜20%/継続(更新)率 +5〜10pt。今後は、運用・保守の比率を高め、売上のブレを抑えながら専門領域を横展開する。 |
| 7. 補助金・助成金の活用 | 未活用:ニッチ特化のPR/登壇/コンテンツ制作は自己投資で継続(補助金活用余地:持続化補助金で事例・ホワイトペーパー制作や広告出稿、IT導入補助金でCRM/MA整備)。 |
| 8. リンク先(出典) | 企業公式:https://www.adgress.info/(サービス/実績/会社概要ページを参照) |
3. 補足・参考情報
関連補助金
- 小規模事業者持続化補助金(公式まとめ/申請導線):https://www.jizokukanb.com/
- IT導入補助金(公式ポータル):https://it-shien.smrj.go.jp/
- ものづくり補助金(公式ポータル):https://portal.monodukuri-hojo.jp/
- 事業再構築補助金(公式):https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
- 中小企業新事業進出補助金(公式):https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
DX参考サイト(広告代理店で使われやすい領域)
- HubSpot CRM(CRM/MA):https://www.hubspot.jp/
- kintone(案件・進行・顧客管理の内製化):https://kintone.cybozu.co.jp/
- Backlog(制作/運用のタスク管理):https://backlog.com/ja/
- Google Analytics(GA4:計測基盤):https://analytics.google.com/
- Looker Studio(レポート自動化):https://lookerstudio.google.com/
支援機関
- ミラサポplus(国の支援情報・専門家活用):https://mirasapo-plus.go.jp/
- よろず支援拠点(無料の経営相談):https://yorozu.smrj.go.jp/
- J-Net21(中小企業向け情報):https://j-net21.smrj.go.jp/
- 日本商工会議所(全国の商工会議所案内):https://www.jcci.or.jp/
- 全国商工会連合会(地域の商工会案内):https://www.shokokai.or.jp/
